ジャンル 文学の心

早稲田校

お酒と映画小説で振り返る現代中国史

  • 秋講座

藤井 省三(東京大学・名古屋外国語大学名誉教授)

曜日 土曜日
時間 15:05~16:35
日程 全5回 ・10月03日 ~ 11月14日
(日程詳細)
10/03, 10/17, 10/24, 10/31, 11/14
コード 130155
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・小説・映画を手掛かりに鄧小平時代から習近平時代までを回顧する。
・酒宴を手掛かりに魯迅から莫言、也斯・李昂の中国語圏文学を読み解く。
・酒宴を手掛かりに中国語圏映画を読み解く。

講義概要

毛沢東時代(1949-76頃)の中国は重工業や教育制度建設に邁進する一方、貧困と飢餓に苦しみました。特に文化大革命(1966-76)の大災難期には、庶民は飲酒も困難でした。
鄧小平時代(1978頃-96)には改革開放政策により大いに経済が発展し、“公宴”“私宴”の飲酒文化が花開きましたが、習近平時代(2012〜)に至ると“反腐敗運動”により“公宴”は禁止され、コロナ禍により“私宴”も激減し、今では改革開放の転換期を迎えています。
本講座は魯迅から莫言、新東北文学に至る現代小説と最近の映画を手掛かりに現代中国史を読み解く試みです。也斯・李昂文学および香港台湾映画も酒宴の視点から取り上げる予定です。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 10/03 中華民国期――魯迅小説の中の紹興酒 魯迅の故郷紹興の銘酒を手掛かりに、魯迅の短篇小説「孔乙己」「酒楼にて」および「阿Q正伝」とその映画版を読み解く。
2 10/17 毛沢東時代――1960年開高健の“公宴”体験と映画「青い凧」の“私宴” グルメ作家の開高健(1930-1989)による1960年訪中体験記(岩波新書『過去と未来の国々』収録)は、大飢饉の最中における“公宴”を描いている。また田壮壮監督「青い凧」(1993)は毛時代の北京の一家族の“私宴”を描いている。両作を手掛かりに毛沢東時代を読み解く。
3 10/24 鄧小平時代――魔術的リアリズムの莫言「お下げ髪」と恐怖の小説「私宴」 2012年のノーベル文学賞作家莫言(モーイエン、ばくげん、1955-)の短篇小説が描く“公宴”と蘇童(スー・トン、そどう、1963-)作品「私宴」を手掛かりに鄧時代を読み解く。
4 10/31 習近平時代――消えた“公宴”と新東北文学のカラオケ 反腐敗運動の影響を受けて、映画小説、特に新SF文学でも“公宴”が消えるが、毛時代の繁栄と鄧時代の没落を回想する新東北文学とその映画化ではカラオケ“私宴”等が描かれている。
5 11/14 香港・台湾――詩人也斯の蘭桂坊バー街と李昂フェミニズム小説の中の“飲食男女” 香港の也斯(ヤーシー、北京語音イエスー、やし、本名梁秉鈞、1949-2013)文学および台湾の李昂(リー・アン、りこう、1952-)文学における酒宴を通じて、両地独特の歴史と文化を考察する。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は11月21日(土)を予定しています。

テキスト

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藤井 省三『魯迅と紹興酒』(東方書店)(ISBN:978-4497218193)

講師紹介

藤井 省三
東京大学・名古屋外国語大学名誉教授
早稲田大学講師(2004―2022年度)、海外では南京大学海外人文資深教授等を務めた。専門分野は現代中国大陸・香港・台湾の文学と映画。著書に『村上春樹と魯迅そして中国』(早稲田新書)、『魯迅と日本文学』(東大出版会)、『魯迅と世界文学』、『21世紀の中国映画』(共に東方書店)、などがある。

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