ジャンル 人間の探求

早稲田校

聖書を読み解く―新約聖書の福音書を読む

  • 夏講座

廣石 望(上智大学教授、日本基督教団代々木上原教会副牧師)

曜日 木曜日
時間 13:10~14:40
日程 全6回 ・07月02日 ~ 08月20日
(日程詳細)
07/02, 07/09, 07/16, 07/23, 07/30, 08/20
コード 120510
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・福音書のイエス伝承について、その輪郭を知る。
・宗教文献を歴史的に読み解く力を身につける。

講義概要

『聖書』の第二部『新約聖書』の冒頭には、合計4冊の「福音書」が収録されており、それらはキリストと信じられたナザレのイエスについての宗教的な物語である。それぞれの福音書には特徴があり、その背後には口伝ないし書伝による伝承がある。それらの伝承と福音書記者による編集を分析しつつ、イエスの史的な姿と、それを解釈することで生成しつつあるキリスト教信仰との関係について学ぶ。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/02 イエスの誕生伝説 キリスト教文献における証言のうち、より古い層のものでは通常の誕生が想定されている一方で、より新しい伝承層では、聖霊による処女降誕として神話的オーラを帯びるものとなり、さらに後代にはそのオーラはイエスの母マリアにまで拡大される。このプロセスは、たんに神話化の度合いが進んだというより、異なる文化的背景をもつ人々が共存するための共通神話が模索された結果であろうことを探る。
2 07/09 イエスのカリスマ カリスマは人間相互の承認(/非承認)プロセスの中で生じる社会的な相互行為の現象であり、生前のイエスには賛否両論の評価が寄せられた。イエスは彼の親族、洗礼者ヨハネ、弟子たちと支援者たち、女性たち、敵対者たちとどのような関係にあったかを探る。
3 07/16 イエスの「神の王国」 イエスは「神の王国」の到来を宣教した。この神話的象徴に、どのようなユダヤ教的背景があるかを見る。そして「神の王国」とイエスの関係はどのようなものであり、どの点にイエスの特徴が表れているかを、福音書のイエス伝承から探る。
4 07/23 イエスの奇跡 福音書にはイエスの奇跡伝承が多数証言されている。イエスにあって、それは「神の王国」の到来という神話を歴史化するできごとであった。近代合理主義の時代には、奇跡は端的に「ありえない」として否定されたが、近年では社会人類学的な視点から奇跡を「ありうる」とする文化規範への認識が深まっている。事実性への問い(何があったのか)と意味づけへの問い(奇跡は何を意味したか)を区別しつつイエスの奇跡伝承を検討する。
5 07/30 イエスの譬え 譬えという話法を用いて「神の王国」を主題化することは、イエスに特徴的な現象である。そのさいイエスは、ユダヤ教文化に伝統的なイメージを用いて、「神」に関する経験図式と「この世」に関するそれの両方を聴者に喚起しつつ、それらを変形することで、到来する神の前での人間の新しい経験のあり方を実演して見せる。その諸相を、いくつかの具体的な事例を解釈することで探る。
6 08/20 イエスの交わりの食卓と最後の晩餐 古代地中海世界における社会生活は、共同の食事式を主たるツールとして営まれた。イエスもそれに積極的に参加している。イエスが参加する食事式は、同様に宴としてイメージされた「神の王国」の先取りないし前夜祭であり、そこでは宗教的・社会的な無資格者が宴の主役であった。イエスの最後の晩餐は、後代のキリスト教会における「聖餐式/整体拝領」の原因譚となったが、原初のイマジナリーが何であったかを探る。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は、8月27日(木)、9月3日(木)を予定しております。

講師紹介

廣石 望
上智大学教授、日本基督教団代々木上原教会副牧師
岡山県生まれ。神学博士(スイス・チューリヒ大学)。専門分野は、新約聖書学および初期キリスト教史。上智大学等で、学部生や大学院生のためのキリスト教入門や新約聖書学関連の科目を担当している。書籍等著作物として『新約聖書のイエスーー福音書を読む(上・下)』(NHK出版)がある。
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