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【オンデマンド】チンギス・カンとモンゴル帝国の誕生 最新研究でひもとく『元朝秘史』の世界

  • 春講座

白石 典之(新潟大学教授)

コード 910305
定員 20名
単位数
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 11,880

目標

・『元朝秘史』という書物の歴史的・文学的な重要性を理解する。
・チンギス・カンの人物像と事績を正しく理解する。
・自然環境や遊牧生活の記述を通してモンゴルに暮らす人々への理解を深める。

講義概要

蒼き狼と白き牝鹿の伝説に始まる『元朝秘史』は、チンギス・カンの生涯と、彼の祖先の系譜や息子オゴデイの治世などを綴った、モンゴル帝国成立過程を知る上で不可欠な文献です。チンギス・カンという英雄を礼賛する内容にとどまらず、彼の喜び、悩み、涙、怒り、嫉妬、過ちなど、人間臭い部分も包み隠さず伝えています。ドイツの『ニーベルンゲンの歌』やわが国の『平家物語』にも勝るとも劣らない中世文学の傑作といえます。そうした魅力に富むモンゴル遊牧民の壮大な歴史絵巻を、現地での発掘調査に長年携わってきた考古学者が、最新研究を踏まえて解説するのが本講座です。歴史はもちろん、文学に関心がある方のご参加も大歓迎です。

各回の講義予定

講座内容
1 『元朝秘史』のかたち 『元朝秘史』とは、どのような書物なのかを解説します。まず、物語の舞台となったモンゴル高原の自然環境と時代背景を説明します。つぎに、12巻282節に分かれた本書の構成と、モンゴル語と中国語に基づいた特殊な文体について解説します。さらに、本書には成立年代や作者が不詳といった多くの謎があることや、この書がこんにちまで伝わった数奇な経緯を紹介します。
2 伝説から史実へ 巻1〜3をとりあげます。「蒼き狼」「白き牝鹿」からチンギス・カンに至る一族の系譜が語られる巻1は、伝説と史実を区別しながら読み解きます。巻2からはチンギス・カン(テムジン)が登場し、父の早世、弟殺し、妻ボルテの出会いと誘拐、巻3では好敵手ジャムカの登場などのエピソードが語られます。それらを時代背景も含めて詳細に解説することで、チンギスという人物像の輪郭を明らかにします。
3 群雄割拠のはざまで 巻4〜6をとりあげます。大部族がモンゴル高原に覇を競うなか、弱小のチンギスはケレイト部族長トオリルの支配下となりますが、巧みな知略と軍略でしだいに頭角をあらわしました。その様子をダラン・バルジュト、ウルジャ川、コイテンという若き日の三大合戦、さらに主君トオリルとの死闘が繰りひろげられたカラカルジト、ジェジェル山の戦いを通して解説します。
4 モンゴル高原の統一 巻7〜9をとりあげます。巻7ではモンゴル高原最強のナイマン部族との対決の様子が、戦闘シーンにもかかわらずユーモラスな筆致で語られます。巻8ではジャムカとの永遠の別れ、モンゴル帝国建国といった大きな出来事が描かれます。巻9では論功行賞と輪番組とよばれる統治組織の編成について記されています。輪番組はチンギスの国づくりを知る上で重要な制度です。やや難解な部分ですが、丁寧に読み解きます。
5 世界征服への道 巻10〜12をとりあげます。巻10ではチンギス一族に亀裂が生じ、産声をあげたばかりの政権が大きく動揺する様子が描かれます。巻11では金国と西域への遠征が語られます。勇壮な戦闘シーンが多いですが、父親としてのチンギスの姿も垣間見られます。巻12ではチンギス・カンの最期とオゴデイの即位が語られます。各巻とも、出来事の前後関係に混乱がみられますが、時系列に整理してわかりやすく解説します。
6 『元朝秘史』とその時代 近年のモンゴル高原における考古学調査の進展は、『元朝秘史』の解釈と、それが書かれた時代の理解に新知見を与えています。たとえば、チンギス・カンの母体となったモンゴル部族の形成過程は、かなり具体的にわかってきました。また、チンギスが本拠を置いていたアウラガ遺跡の調査で、彼の国づくりにかける思いもうかがい知ることができます。そうした最新研究を紹介して、本講座のまとめとします。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆視聴期間は一般申込開始(2026/03/04)から学期終了翌月末(2026/07/31)までになります。一般申込開始(2026/03/04)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
2025年度 秋期 「チンギス・カンとモンゴル帝国の誕生」 (10/09〜11/27 木曜日、全6回)
で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。

講師紹介

白石 典之
新潟大学教授
筑波大学大学院歴史・人類学研究科博士課程単位取得退学。モンゴル科学アカデミー歴史研究所客員研究員などを経て現職。専門はモンゴル考古学およびモンゴル史で、おもにチンギス・カンの実像を考古資料から実証的に解明しようとしている。著書に『チンギス・カン-蒼き狼の実像』『元朝秘史-チンギス・カンの一級史料』(ともに中公新書)、『モンゴル帝国誕生-チンギス・カンの都を掘る』『遊牧王朝興亡史-モンゴル高原の5000年』(ともに講談社選書メチエ)などがある。
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