ジャンル 文学の心

オンデマンド

【オンデマンド】L・M・モンゴメリと『赤毛のアン』

  • 春講座

赤松 佳子(ノートルダム清心女子大学名誉教授)

コード 910105
定員 20名
単位数
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 11,880

目標

・カナダの女性作家L・M・モンゴメリについての認識を身に付け、その作品世界を知る。
・小説『赤毛のアン』への理解を深め、この作品を精読することによって文学作品の楽しみ方を考える。
・『赤毛のアン』の翻訳および原作に触れることを通して、日加の文化の違いや共通性を見出す。

講義概要

カナダの女性作家L・M・モンゴメリ(1874-1942)の初めての長編小説Anne of Green Gables(1908)は1952年に村岡花子訳で『赤毛のアン』という題で邦訳されて以来、幅広い読者層に受け入れられ、読み継がれてきました。作者生誕151年目に当たる2025年4月から、2度目のアニメ化番組が放送されたのは記憶に新しいところです。40点近い翻訳、ミュージカル、オペラ、バレエなどの翻案も生まれ続け、アンはカナダの観光大使のような役割を果たしています。この講座では、『赤毛のアン』という作品を多角的に捉え、本作品の面白さを再考します。

各回の講義予定

講座内容
1 モンゴメリと『赤毛のアン』・翻訳による日本での受容 『赤毛のアン』という書名はよく知られていても、意外に作者モンゴメリについては日本で知られていません。この小説の出版によって一躍、流行作家になった彼女は、続編の執筆を依頼され、死後出版の一冊を含めて全9作となるアン・シリーズを順序不同に上梓しました。第1回では、作者がアンの物語に込めた願望に注目し、それがいかに達成されているかを見ていきます。また、なぜ本作品を知ることによって読者が主人公と強く結ばれることになるのかを、翻訳という面から探ります。
2 アン・シャーリーの人間性、その想像力と表現力 この作品の最大の魅力は、主人公の人間性にあります。中でも豊かな想像力とおしゃべり、すなわち表現力は、特筆すべき点です。初めて本作品が日本で紹介された1952年、〈沈黙は金〉という日本社会の常識の中で、この少女の表現力は異才を放っていたのではないでしょうか。また、何も財産を持っていない〈孤児〉であったからこそ、言葉はアンを守るものでした。この回では、アンの想像力と表現力に焦点を当て、現代にも通じる自己肯定感について考えます。
3 赤毛というコンプレックスがもたらすもの――少女が繰り返す失敗とユーモア アンは、女の子が外見の良し悪しによって扱われ方が違うことをよく理解していました。中でも赤毛という、生まれながらの特徴は、西欧の世界ではマイナスの要因でしかありませんでした。彼女が巻き起こす騒動は、赤毛をけなされたり揶揄されたりした時に起こり、笑いを巻き起こします。アンの成長は、生まれながらの特質を個性として受け入れることができるようになって転機を迎えるのです。第3回では、滑稽な失敗を重ねる主人公が、失敗から学んでいく姿勢に焦点を当てます。
4 アンを見守り、育てる大人たち――〈同類〉と呼ばれる人々との絆 アンは、手違いによって連れて来られた場所で、カスバート兄妹に幸運にも引き取られて成長していきます。主人公を見守り、育てていく大人たちは、本作品では脇役に当たりますが、彼らもアンを通じて精神的な成長を遂げます。この回では、アンに影響を与える大人たち、特に〈同類〉(kindred spirits)と呼ばれる人々と主人公との関わりを通して、本作品における大人の役割について検討します。
5 主人公と同世代の友人たち――同性の〈心の友〉と異性のライバルを中心に 主人公は、〈心の友〉(bosom friend)と呼ぶ同性の友人や、勉学のライバルとなる異性の級友をはじめとする同世代の若者たちとの交流によって多くを学んでいきます。第5回では、友情という面から同世代の人々とアンとの相互関係を取り上げます。
6 世界一美しい島と温かい家庭――四季と自然描写を巡って ノヴァスコシア生まれのアンは「世界で一番美しい島」と聞かされていたプリンス・エドワード島の自然の美しさに魅せられ、心の故郷と見做すようになります。作者の故郷でもあるこの島の色彩豊かな自然の描写は、読者の心を捉えて離しません。また、グリーン・ゲイブルズと呼ばれるカスバート兄妹の農家は、アンにとって初めてできた〈家〉として大切な場所となります。最終回では、本作品の背景となっている場所の魅力を、自然や季節の循環と主人公との関わりという視点から考察します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆視聴期間は一般申込開始(2026/03/04)から学期終了翌月末(2026/07/31)までになります。一般申込開始(2026/03/04)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
2025年度 秋期 「L・M・モンゴメリと『赤毛のアン』」 (10/01〜11/26 水曜日、全6回)
で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。

講師紹介

赤松 佳子
ノートルダム清心女子大学名誉教授
ノートルダム清心女子大学名誉教授。The Journal of L.M. Montgomery Studies (カナダ、プリンス・エドワード島大学 モンゴメリ研究所)国際編集委員。広島大学大学院 英語英文学専攻 博士後期単位取得満期退学。博士(文学)。専門分野は英米の詩・カナダ文学。主な著作に『ジョン・ダンの修辞を読む』(大阪教育図書、2010)、『赤毛のアンから黒髪のエミリーへ―L・M・モンゴメリの小説を読む』(御茶の水書房、2023)、共著に『わたしの好きなエミリ・ディキンスンの詩(1・2)』(金星堂、2016・2020)、L.M.Montgomery's"Emily of New Moon":A Children's Classic at 100(University Press of Mississippi,2024) 他。
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