ジャンル 世界を知る

早稲田校

パレスチナをめぐる紛争と交渉 社会・信仰・政治をめぐる100年史

  • 夏講座

鈴木 啓之(東京大学特任准教授)

曜日 水曜日
時間 10:40~12:10
日程 全6回 ・07月15日 ~ 08月26日
(日程詳細)
07/15, 07/22, 07/29, 08/05, 08/19, 08/26
コード 120307
定員 70名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・「アラブ人」、「イスラーム教徒」、「パレスチナ人」の3つの言葉の関係を、説明することができる。
・パレスチナを巡る紛争の歴史を、関連する年号を3点以上挙げて論じることができる。
・日本と中東の関係について、具体的な出来事に基づいて説明することができる。

講義概要

中東のパレスチナをめぐる対立は、20世紀初頭に姿をあらわした。イギリスによる帝国主義的な多重外交、東欧・ロシア地域でのユダヤ人迫害とパレスチナへの初期シオニストの移住、ユダヤ人に対するナチスによる大量虐殺であるホロコースト、そして国際連合の関与といった要素は、この対立が100年間続く国際紛争へと発展する結果をもたらした。さらに、周辺アラブ諸国の関与、アメリカの登場、イスラエル政治の右傾化は、紛争をさらに悲惨なものに変貌させた。本講座では、20世紀の初めから今日に至る歴史を辿り、現代史の難問の一つとなっているパレスチナ問題について理解を深めることを目指す。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/15 パレスチナとはどこか 中東のパレスチナには、どのような文化や歴史が花開いたのか。20世紀の足音が聞こえ始めた19世紀末の港町には、ヨーロッパからの汽船が立ち寄り、近代化の波が押し寄せていた。ここに、民族国家の建設を目指すシオニズムの思想に導かれたユダヤ人たちの姿も登場する。パレスチナという場所が近代化のなかで形成されていく過程を、列強による中東進出との関連から学ぶ。
2 07/22 ナクバとは何か 1948年に、パレスチナにユダヤ人国家イスラエルが建設される。これと前後して故郷を離れたアラブ人は、当時の総人口の半数に迫る。以来、イスラエルと周辺アラブ諸国は、四度にわたる「中東戦争」を展開した。パレスチナでの故郷喪失をアラビア語で意味する「ナクバ」という言葉をキーワードに、パレスチナ問題が国際紛争化した過程を学ぶ。
3 07/29 イスラエルとはどんな国家か ユダヤ人国家であり、かつ民主主義国家を自任するイスラエルは、どのような社会や文化を培ってきたのか。国民人口の圧倒的多数を移民に頼り、かつ比較的大規模な新移民の受入を経験していたイスラエルには、西欧と中東の文化が混在する社会が形成された。近年の政治の右傾化を含めて、イスラエル国家の歩みを学ぶ。
4 08/05 パレスチナ人はどのように行動したのか 独自の武装解放運動を立ち上げていったパレスチナ人は、ゲリラ闘争で世界に存在感を知らしめた一方で、国際政治の舞台ではイスラエルやその事実上の同盟国を前に敗北を重ねていく。一方で、イスラエルが第三次中東戦争で獲得した新たな占領地であるヨルダン川西岸地区とガザ地区では、別の政治運動が形成されていった。パレスチナ人の大衆蜂起「インティファーダ」へと至る道程を学ぶ。
5 08/19 暫定自治は何をもたらしたか 1993年にイスラエル政府とパレスチナ人は相互承認を宣言した。この「オスロ合意」を契機に、ヨルダン川西岸地区の一部とガザ地区で、パレスチナ暫定自治が開始される。しかし、合意された5年間の暫定期間が過ぎた後も、平和は訪れなかった。暫定的な取り決めや制度が恒久化していくなかで、パレスチナ社会に訪れた変化を学ぶ。
6 08/26 ガザ紛争が突きつけるもの 2023年10月から始まったガザ地区に対するイスラエルによる戦争は、どのようにして発生し、現在に至っているのか。おそらくこの授業の期間中にも中東情勢には変化があると考えられる。この最終回では、最新事情を確認しつつ、今後のパレスチナをめぐる紛争と交渉の行方を考えたい。

講師紹介

鈴木 啓之
東京大学特任准教授
1987年、神奈川県生まれ。博士(学術)。専門は中東地域研究。2018〜19年にエルサレム居住。著書に『蜂起〈インティファーダ〉:占領下のパレスチナ1967–1993』(東京大学出版会)、編著に『パレスチナ/イスラエルの〈いま〉を知るための24章』(明石書店)、『ガザ紛争』(東京大学出版会)など。
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