ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

沖縄現場学 歩いて読み解く沖縄と日本の今

  • 夏講座

カベルナリア 吉田(紀行ライター)

曜日 木曜日
時間 19:00~20:30
日程 全7回 ・07月09日 ~ 09月03日
(日程詳細)
07/09, 07/16, 07/23, 07/30, 08/20, 08/27, 09/03
コード 120703
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 20,790
ビジター価格 受講料 ¥ 23,908

目標

・大手メディアが伝えない、沖縄のさまざまな現状を知る。
・その背後に潜む「日本の現状と真実」を知り、考察する。

講義概要

株価の乱高下と新首相の一挙手一投足、そして大国の首脳たちの暴走がニュースを連日にぎわせ、沖縄の基地問題など忘れ去られてしまった印象を覚える。ひとたび台湾有事ともなれば、真っ先に影響を被る沖縄について、思慮をめぐらす国民はもはや少ない。一方で沖縄自体も巨大アミューズメント施設の建設開業が相次ぎ、足下の諸問題を見失いがちだ。沖縄を取り巻く現状の変容は、何を意味するのか。沖縄は現代日本社会を映し出す鏡であり、この場所の変化は日本の未来を予見させる前兆といっていい。本講座では講師が自身の足で歩き、見て感じた沖縄のさまざまな「現場」を紹介し、奥底に介在する日本及び世界の現実を共に紐解いていく。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/09 「南城市は大騒ぎ!」 沖縄本島南部の南城市は第一尚氏の始祖・尚巴志の出身地で、久高島や斎場御嶽など沖縄を代表する聖地があり、歴史と伝統に彩られた場所である。だがここ数年は前市長のセクハラ辞職、スーパーマーケット「コストコ」開業が巻き起こした大渋滞など、にぎやかな話題が席捲している。1泊10万円超えのリゾートホテルも開業し、何かと落ち着かない「王様の出身地」の実踏を通じ、騒動をもたらした根源に迫る。
2 07/16 「森の遊園地に行ってみた!」 世界自然遺産に登録された、本島北部の森林地域「やんばる」にテーマパークが開業し、賛否両極の話題を呼んでいる。県北振興への期待と、太古の森での人工施設開設に対する批判。さらに開業直後の大混雑への不満から、その後の「ガラガラ疑惑」を垂れ流す投稿の氾濫まで話題に事欠かないが、実際はどんな感じなのか。講師自ら場違いなテーマパークに潜入し、見たまま感じたままをレポートする。
3 07/23 「基地の街にアメリカンホテルがあった頃」 ほんの20年ほど前まで、コザをはじめ基地の街には、復帰前から続くホテルが数多くあった。広い客室に大きなベッド、まだ本州では珍しかったユニットバスを備えたアメリカンスタイルで、宿泊客は米兵の家族や関係者が中心。だが近年は全国チェーンの巨大ホテルが県内各地に進出し、昔ながらのホテルは減ってしまった。便利と引き換えに風情が失われていく沖縄で「ホテル」をキーワードに「アメリカ世(ユー)」の残像を探してみたい。
4 07/30 「知られざるウナギ王国オキナワ」 沖縄県民は、実はウナギが大好きだ。店頭看板や貼り紙でわざわざ「ウナギあります」とアピールする飲食店を見るたび、ウナギは県民にとって特別な食べ物なのだと実感する。だが沖縄のウナギ料理は焼き方含め調理方法、盛りつけ、器、味わい、何よりもウナギそのものが違う? ステーキを押しのけ「ご馳走」扱いされる一方で、備長炭などたぶん使わず大雑把に調理される「南の島のウナギ食文化」を探究する。
5 08/20 「久米島シブい名所案内」 久米島といえば白砂の浜とエメラルド色の海、ラグジュアリーなリゾートホテル……だけではない。一周すると「リゾート」は、ほんの一部にすぎないと実感し、そして多種多様な名所に遭遇して驚く。中には「これをわざわざ見に行く人はいるのか?」と思う珍名所もあるが、丹念に探訪すればリゾートとは一味違う、この島本来の姿が見えてくる。周囲40km超、歩いて採取したレア名所紹介を通じて、久米島の真髄をご案内したい。
6 08/27 「島民が飛行機に乗れない」多良間島 2026年が始まって早々に、宮古島と多良間島を結ぶ琉球エアーコミューター(RAC)空路が連日満席で、島民が利用できない異常事態が発生した。原因はRACもグループに属する日本航空(JAL)のキャンペーンで、短時間の飛行でポイントを稼げる宮古―多良間便に旅客が集中したから。ポイント目当ての人々は往路便で島に来て復路便で宮古に戻るだけ、でも満席だから黒糖製造や畜産関係の人も、医療関係者も乗れず大混乱。小島を騒がせた迷惑な事件と、背後にある日本人の劣化を、島の風景と対比しつつ考える。
7 09/03 「その避難計画は可能なのか?」宮古諸島、石垣&八重山諸島 台湾有事の可能性をめぐり、日中関係が悪化している。有事の場合は先島諸島から航空機と船舶で、6日間で約12万人を九州と山口県に避難させる計画だが、持って行けるのは1人につき手荷物1個だけ。島々には畜産業を営む人も多いが、家畜は置いていかざるを得ない。住居や仕事そして財産を失った場合の補償も不明確で、施設入所中の高齢者や入院患者、乳幼児などの避難にも不安が残る。そもそも島民たちは帰島できるのか? 国境の島の不安が共有されているとは言い難い、都会の机上で草案された避難計画の可否を、実踏を通して検証する。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆本講座は、過去の同名講座から刷新された内容となっています。

講師紹介

カベルナリア 吉田
紀行ライター
1965年北海道生まれ、早稲田大学卒、読売新聞社他を経て2002年からフリー。車を使わず自分の足で歩く「実踏の旅」を重ね、沖縄と島を中心に全国を歩き、紀行文を執筆。近年は出身地である北海道も歩き続けている。最新刊は『コリアンタウンでシメのライスにカルビを乗せた』(ユサブル)。近著は『秘境駅で途方に暮れた』(イカロス出版)、『アイヌのことを考えながら北海道を歩いてみた』(ユサブル)、『新日本エロい街紀行』(アルファベータブックス)。ほかに『沖縄戦546日を歩く』(彩流社)、『狙われた島』(アルファベータブックス)など旅に関する著書多数。趣味はレスリング、バイオリン、料理。

  • 外国語 コースレベル選択の目安
  • 広報誌「早稲田の杜」
  • オープンカレッジ友の店