ジャンル 人間の探求
早稲田校
はじめての哲学 芸術哲学入門
関口 浩(早稲田大学非常勤講師)
| 曜日 | 火曜日 |
|---|---|
| 時間 | 13:10~14:40 |
| 日程 |
全8回
・06月30日 ~
08月25日 (日程詳細) 06/30, 07/07, 07/14, 07/21, 07/28, 08/04, 08/18, 08/25 |
| コード | 120515 |
| 定員 | 30名 |
| 単位数 | 1 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 23,760 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 27,324 |
目標
・広い視野でものを考えることを学ぶ。
・人間性について理解を深める。
・西洋文化と日本文化について理解を深める。
講義概要
西欧文化において、しばしば、芸術家と哲学者とのたいへん親密な関係が見られます。それは、両者がそれぞれ異なる仕方でありながら、しかも同じ事柄に関わっているという考えが古くからあったことによります。本講座では、芸術作品を哲学的に受け止めるさい、どのような思索が生じて来たかということ、また芸術家が人間について、そして世界についてどのように哲学的に思索して来たのかということを、実際に芸術作品を参照しつつ、話を進めていきたいと思います。絵画、音楽、建築、舞踊など、芸術作品を広く取り上げていく予定です。入門の講座ですから、専門用語はなるべくさけて平易な言葉でお話します。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 06/30 | テーマの提示。プラトン哲学と芸術 | まずは、古代ギリシアの哲学者プラトンの哲学的思索について概説します。そしてプラトンが芸術についてどのように考えていたのかという問題について説明します。プラトンは、彼の考える理想国家から芸術家を追放しました。プラトンの哲学は芸術を否定し、拒否するもののように見えますが、しかしその後の芸術鑑賞の主流は、このプラトン哲学の枠組みの中にとどまり、そこを離れることはありませんでした。このことは、今日においても変わりません。ここに、きわめて逆説的な事態があるのですが、この点から説明していきたいと思います。 |
| 2 | 07/07 | パノフスキー。美術解釈の方法論 | プラトン哲学の枠組みで、西洋絵画を学問的に解釈する方法を確立したE. パノフスキーの思索を紹介します。西欧バロック時代の巨匠カラバッジオの作品と、北方ルネサンスの巨匠ブリューゲルの作品を例に、パノフスキーの方法を解説し、その哲学的意義を検討します。 |
| 3 | 07/14 | デューラー。絵画遠近法について | 16世紀ドイツの画家、デューラーの絵画遠近法論を例に、この時代の画家たちがどのように空間を発見し、それをどのように捉えたかという問題について考えていきます。また、音楽の分野で同じくドイツで活躍したバッハが、音の秩序をどのように考えたか、デューラーと比較しながら解説します。 |
| 4 | 07/21 | ハイデッガーの芸術哲学 | 20世紀のドイツで活躍した哲学者 ハイデッガーが、古代ギリシアの建築 パルテノン神殿を例に、みずからの芸術哲学を詳述しています。パルテノン神殿について、スイス生まれの建築家 ル・コルビュジエや日本の建築家 磯崎新の考察をも参考にして、ハイデッガーの建築論を解説していきます。 |
| 5 | 07/28 | 印象派の画家たちと日本の浮世絵。ゴッホを例にして | 近代の西欧、とりわけフランスにおいて芸術思想の転換が少しずつ進行していきました。ルネサンス以来、デューラーの時代以来の絵画の考え方に変化が生じました。その一つの表れが、ジャポニスム、日本への関心であり、とりわけ印象派の画家たちによる浮世絵への非常に高い評価でした。この時代の芸術観の転換について、日本の美術と比較しつつ、説明していきます。ゴッホの作品、手紙をとりあげて話を進めます。 |
| 6 | 08/04 | セザンヌとジャコメッティ | ポスト・印象派の画家として知られるセザンヌは、印象派の時代に少しずつ変化してきた絵画観の、その最終的な到達点に至った画家でした。セザンヌもまた、多くの手紙を残しています。それらには、彼が絵画についていかに徹底的に思索したか、そのあとが明らかに読み取れます。このセザンヌの後を継いだのが、画家でありまた彫刻家でもあったジャコメッティでした。ジャコメッティの思索については、彼の親友でありモデルでもあった日本の哲学者 矢内原伊作の著作に詳しく記されています。この回の講座では、それを少し詳しく紹介します。 |
| 7 | 08/18 | ジョン・ケージの芸術思想 | 20世紀の米国の音楽家 ジョン・ケージは、最初、シェーンベルクの弟子となって西洋音楽を学びましたが、後にはそのもとを離れて日本の仏教思想家 鈴木大拙のもとで禅仏教を学んだ人でした。ケージの代表作の一つは京都の古刹、竜安寺の石庭に想を得たもの「竜安寺」です。日本文化との対話によって芸術を創造していったジョン・ケージの芸術思想を紹介します。また、彼の親友でもあった日本の作曲家 武満徹の音楽思想も紹介します。 |
| 8 | 08/25 | 世阿弥と勅使川原三郎。舞踊の思想 | 「秘すれば花」で知られる「風姿花伝」を記したのは、中世の日本で活躍した能楽師 世阿弥でした。世阿弥は能楽の大成者として演劇と舞踊について非常に深く思索しました。その言葉を導きとして現代において前代未聞のダンスを創造したのが、日本のダンサー 勅使川原三郎です。勅使川原の思索を導いた世阿弥の言葉は「離見の見」というものでした。この回では、この言葉を中心に話を進めていきます。 |
講師紹介
- 関口 浩
- 早稲田大学非常勤講師
- 日独文化研究所 研究員、実存思想協会 理事、日本語版ハイデッガー全集編集者。共編著に、『ハイデガー「哲学への寄与」解読』(平凡社)、『ハイデッガー「存在と時間」の現在』(南窓社)、『西洋哲学の10冊』(岩波書店)、『ハイデガー事典』(昭和堂)など。翻訳書に、ハイデッガー『芸術作品の根源』、ハイデッガー『技術への問い』など。




