ジャンル 日本の歴史と文化
早稲田校
江戸の経済―徳川幕府の貨幣流通と人々のくらし
藤井 典子(早稲田大学非常勤講師)
| 曜日 | 木曜日 |
|---|---|
| 時間 | 13:10~14:40 |
| 日程 |
全8回
・04月09日 ~
06月11日 (日程詳細) 04/09, 04/16, 04/23, 05/14, 05/21, 05/28, 06/04, 06/11 |
| コード | 110273 |
| 定員 | 30名 |
| 単位数 | 1 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 23,760 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 27,324 |
目標
・江戸時代の貨幣・経済の仕組みの基礎を知る。
・庶民が日々の暮らしでどのように貨幣を使っていたかの事例を知る。
・錦絵や絵図、旅日記などから庶民と貨幣とのかかわりを読み解く。
講義概要
現代の私たちは「お金」と関わらずに暮らすことはできません。江戸時代はどうだったのでしょうか。答えは、江戸時代半ばころには様々な身分の人たちが貨幣に関わりながら暮らすようになっていたといってよい。年貢を納めたり、買物をしたり、「二八そば」を食べたり、旅に出たり、恵比寿・大黒に豊かさを願ったり、ときには借金もした。当時の庶民の財布の中の貨幣は「大判・小判」ではなく、文(もん)単位の「銭(ぜに)」であった。徳川幕府の貨幣はどのような仕組みで発行・流通したのか。ものの値段はどれぐらいで、どんなお金で払ったのか。錦絵や旅日記などに登場する庶民の目線で江戸時代の貨幣経済について一緒に考えてみる講座です。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 04/09 | オリエンテーション 「読み・書き・そろばん」の時代到来 | 江戸時代の貨幣と暮らしを学ぶ意味を考える。ことわざや川柳、昔話などにお金が登場し、庶民がお金と深くかかわり始めた江戸時代。江戸時代の貨幣コレクターが古代からのお金の「カタログ」として出版した「銭譜」や寺子屋の教本に登場する江戸時代のお金の画像をみながら、お金の歴史を、古代からたどる。 |
| 2 | 04/16 | 徳川幕府による貨幣統合ー東の金遣い 西の銀遣い | 徳川幕府の「三貨制度」について説明する。統一政権として貨幣を発行するのは平安末期以来約700年ぶり。金貨の単位「両」、重さで通用する銀貨の単位「匁」、銭貨の単位「文」の三つの貨幣体系が併存した。幕府の拠点がある東日本では両建て、経済が発展していた西日本では匁建て。庶民が使う銭貨は文建て。これらの貨幣を交換する相場が変動した江戸時代。「両替」の起源や意義にも触れる。 |
| 3 | 04/23 | 江戸の造幣工場ー金座・銀座・銭座 | 金貨・銀貨・銭貨を製造した機関はどこにあったのか。製造されたお金にはどんな特徴があったのか。幕府の造幣工場での製造工程とそこで働いた職人の技術を絵巻物や実物貨幣の画像などをもとに示す。 |
| 4 | 05/14 | 藩札ーお札の信用 偽造対策の技 | 全国通用の金銀銭貨に対し、大名領で流通する紙幣として藩札が発行された。藩札が発行された背景や仕組み、その信用維持の仕方について藩札の券面をみながら考える。今日の日本銀行券の偽造対策にもつながる技術が駆使されていたことにも触れる。 |
| 5 | 05/21 | 徳川綱吉・徳川吉宗、田沼意次の貨幣政策ー庶民の暮らしの観点から | 庶民に貨幣経済が浸透し始めたのが徳川綱吉の治世・元禄期ころ。貨幣の改鋳の歴史にも触れながら、貨幣経済の浸透が人々の暮らしや意識に与えた変化を古文書や出版物などからたどる。 |
| 6 | 05/28 | 銭を持って買物をしてみようー江戸時代のものの値段 | 庶民の暮らしとお金のかかわりを、モノの値段から考える。 |
| 7 | 06/04 | お伊勢参りとお金ー「読み・書き・そろばん」の旅日記 | 旅日記や道中案内記にみられる「お金」とのかかわりを考える。旅に出るにはどれぐらいのお金が必要だったのか。どんなお金を持ち歩いたのか。旅日記を書き・読める人たちが津々浦々に存在したことを感じ取る。 |
| 8 | 06/11 | 錦絵・刷り物にみる江戸庶民の金銭感覚ー江戸期の貨幣が現代に残したもの | 江戸時代の後期から明治維新期に出版された各種の錦絵や刷り物には、庶民の豊かさへの願いや経済状況への認識が示されている。庶民の金銭感覚や経済への願いを読み解きながら、江戸時代の貨幣が今に残しているものを考える。 |
講師紹介
- 藤井 典子
- 早稲田大学非常勤講師
- 、東京大学法学部卒業、日本銀行入行。調査統計局、広島支店勤務などを経て金融研究所貨幣博物館およびアーカイブ勤務(1995年7月~2018年3月)。同行在職中に慶應義塾大学文学部、同大学大学院文学研究科および同大学大学院経済学研究科において日本史演習・日本経済史演習等を科目履修。博士(史学、慶應義塾大学、2022年度)取得。2018年4月~2024年3月慶應義塾大学文学部非常勤講師などを経て現在は早稲田大学教育学部非常勤講師。『徳川期の銭貨流通-貨幣経済を生きた人々ー』(2024年)、「年貢貢納にみる貨幣の使われ方ー享保期から明治維新期までの武蔵国児玉郡傍示堂村を事例にー」(2021年)、「明和期水戸鋳銭座の経営-組織と労働工程を中心に-」(2006年)、『日本銀行所蔵銭幣館古文書目録』(2000年)等日本貨幣経済史に関する書籍・論文を多数執筆。




