ジャンル 芸術の世界
早稲田校
生誕150年記念ラヴェルの音楽世界―技巧と色彩の探究
成田 麗奈(青山学院大学・大東文化大学講師)
| 曜日 | 木曜日 |
|---|---|
| 時間 | 15:05~16:35 |
| 日程 |
全10回
・04月09日 ~
06月25日 (日程詳細) 04/09, 04/16, 04/23, 05/07, 05/21, 05/28, 06/04, 06/11, 06/18, 06/25 |
| コード | 110461 |
| 定員 | 30名 |
| 単位数 | 2 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 29,700 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 34,155 |
目標
・モーリス・ラヴェルの音楽作品の特徴を理解する
・近代フランス音楽における表現の傾向について知識を深める
講義概要
近代フランス音楽を代表する作曲家モーリス・ラヴェル(1875-1937)の音楽作品の多彩な魅力について講義します。残された作品のほとんどが今でも好んで演奏される名曲ばかり。色彩豊かな音色を駆使した管弦楽法の卓越した技術は、ストラヴィンスキーに「スイスの時計職人」と言わしめるほど精緻であることはよく知られています。本講座では、最初期のピアノ作品から、彼の「代表作」として知られる《ボレロ》まで、ラヴェルのさまざまなジャンルの作品を取り上げながら、彼の音楽表現の特徴や、作品ごとにみられる様々な工夫を読み解いていきます。楽譜や視聴覚資料のほか、歴史的背景に関する関連資料も読みながら学んでいきます。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 04/09 | モーリス・ラヴェルの生涯と音楽作品の概要 | 第2回以降、テーマ別に取り上げる作品の位置づけがわかるように、モーリス・ラヴェルの生涯と音楽作品を概観し、全体像を把握します。 |
| 2 | 04/16 | 音楽による描写的な表現 | いわゆる「標題音楽」という、音楽によって情景や理念などを表現することは、西洋芸術音楽にも長い歴史があります。ラヴェルがどのような描写的表現によって、どのような音楽作品を生み出したのかを辿ります。 |
| 3 | 04/23 | スペイン音楽をめぐって | 近代フランスにおいて、スペイン音楽は熱烈な人気を博していましたが、バスク人を母に持つラヴェルにとって、スペイン音楽には特別な思い入れがありました。当時のスペイン音楽ブームの時代背景をふまえながら、ラヴェルのスペインに関連する音楽作品を取り上げ、その魅力に迫ります。 |
| 4 | 05/07 | ラヴェルの歌曲 | ピアノ作品や管弦楽作品が有名なラヴェルですが、歌曲にもきわめて独創的な作品が残されています。その中でも、散文のために書かれた歌曲を中心に、ラヴェルが言葉と音楽の関係にどう向き合い、どのような音楽表現を実現したのかを紐解いていきます。 |
| 5 | 05/21 | ピアノの超絶技巧をめぐって | ラヴェルのピアノ作品には、コンクールの課題曲やリサイタルでもよく取り上げられる、超絶技巧のピアノ作品が複数あります。単なる技巧的な難しさではなく、深い表現力が求められる彼のピアノ作品の構造を読み解いていきます。 |
| 6 | 05/28 | 異国へのまなざし | いわゆる異国趣味の音楽は古くから好まれており、近代フランスにおいても、あらたな音楽表現の可能性を切り開くものとして、異国の音楽の要素を取り入れた作品が数多く書かれました。ラヴェルがどのような「異国」の音楽に着目し、どのように独自の音楽表現へと昇華させたのか、時期やジャンルが異なるいくつかの作品を取り上げて検討していきます。 |
| 7 | 06/04 | 管弦楽の「魔術師」として〜バレエ音楽《ダフニスとクロエ》を中心に | 色彩感あふれる管弦楽法が高く評価されるラヴェルですが、《ダフニスとクロエ》には、その真骨頂とも言われる「夜明け」の場面があります。《ダフニスとクロエ》の音楽的な物語を読み解きながら、「夜明け」の場面が持つ感動的な美しさをじっくりと鑑賞します。 |
| 8 | 06/11 | 「古典主義者」ラヴェル〜ワルツをめぐって | ワルツとは、西洋芸術音楽において古くからある舞曲で、器楽曲にもよく用いられてきました。ラヴェルのワルツに関連する作品を通じて、彼が古典的な様式にどう向き合い、どのような独創的表現を実現しえたのかを考えていきます。 |
| 9 | 06/18 | ラヴェルの「代表作」ボレロをめぐって | ラヴェルの作品の中で最も知名度が高く、また演奏頻度も高いのは《ボレロ》でしょう。この作品が成立した背景から、ラヴェルの没後にこの作品が辿った数奇な運命を概観したうえで、《ボレロ》にみられる音楽的な構造の特徴を読み解いていきます。 |
| 10 | 06/25 | 二つのピアノ協奏曲をめぐって | 第一次世界大戦後、ラヴェルは「時代遅れ」と揶揄されつつも、アメリカでの演奏活動などを活発に行い世界に名を知らしめ、《ボレロ》や二つのピアノ協奏曲をはじめとする名作も残しました。最終回は、二つのピアノ協奏曲に焦点を当て、怠ることなく探究を続けた音楽表現の結実を見いだします。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆音楽に関する専門知識の有無は問いませんが、講義中に音楽に関連する用語や楽譜を使用することはご了承ください。
◆基本的な音楽用語や歴史・理論について学んでおきたいという場合は、久保田慶一編著『音楽用語の基礎知識』(アルテスパブリッシング、2019年)を参照することをお勧めします。
◆オーケストラのスコアの読み方を知りたいという人は、池辺晋一郎『オーケストラの読みかた : スコア・リーディング入門』(学研プラス、2017年)をお勧めします。
◆ラヴェルについての伝記・評伝としては、井上さつき『ラヴェル』(音楽之友社、2019年)をお勧めします。
◆参考図書は、いずれも購入は必須ではありません。
備考
※5月14日(木)は講師都合により休講となりました。補講は6月25日(木)に実施いたします。
講師紹介
- 成田 麗奈
- 青山学院大学・大東文化大学講師
- 青山学院大学・大東文化大学ほか非常勤講師。東京藝術大学大学院博士後期課程修了。博士(音楽学)。主な研究領域は近代フランス音楽史・音楽批評。共著に『言葉を奏で、音楽を読む――世紀転換機の〈フランス・オペラ〉をめぐって』(春秋社)。論文に「バレエ・スエドワ(1920-1925)と前衛音楽家としての『フランス六人組』イメージの形成をめぐる一考察」(『東京藝術大学音楽学部紀要』第37集)「フランス音楽史における「近代フランス音楽」の射程」(『フェリス女学院大学音楽学部紀要』17号)など。




