ジャンル 人間の探求
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フロイト『夢判断』と精神分析
立木 康介(京都大学教授)
| 曜日 | 月曜日 |
|---|---|
| 時間 | 15:30~17:00 |
| 日程 |
全8回
・04月13日 ~
06月08日 (日程詳細) 04/13, 04/20, 04/27, 05/11, 05/18, 05/25, 06/01, 06/08 |
| コード | 710561 |
| 定員 | 30名 |
| 単位数 | 1 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 23,760 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 27,324 |
目標
・ジークムント・フロイトの主著『夢判断』に親しむ。
・「無意識」とは何であるのか、それをいかに「読む」ことができるのかを知る。
・思想や学問としてではなく、ひとつの社会的実践としての「精神分析」に触れる。
・フロイトによる「無意識」の発見の人類史的意味を考える。
講義概要
フロイトによる「無意識」(一定の構造と法則をもつものとしての)の発見は、20世紀における人間理解を19世紀までのそれとは決定的に異なる地平へと導いた。フロイトがこの発見を世に問い、人類史の画期を刻んだ著作が『夢判断』(1900)である。本講義は、このフロイトの主著を読み解き、そこに詰め込まれた理論や仮説を一つ一つ精査しながら、フロイトが20世紀の知と文化にもたらしたインパクトを追体験することをめざす。同時に、フロイトを夢の研究へと駆り立てた神経症治療の取り組みが、『夢判断』と同時に「精神分析」という社会的実践を生み出した経緯を踏まえ、この実践の歴史的発展と現況にも視線を投げかけたい。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 04/13 | 『夢判断』前史──フロイトが精神分析に辿り着くまで | フロイトが「精神分析」(独自の方法論をもつ神経症治療の実践)を発明し、『夢判断』(精神分析の「無意識」理論を確立した著作)の執筆に辿り着くまでの道のりを明らかにする。 |
| 2 | 04/20 | 「イルマの注射の夢」(前) | 「私が精密に解釈を試みたいちばん最初の夢」とフロイトが述べる「イルマの注射の夢」は、「夢は願望充足である」という『夢判断』の中核的テーゼを証明する重要な役割を与えられている。フロイトによる夢の提示と、その解釈の前半部分に注目する。 |
| 3 | 04/27 | 「イルマの注射の夢」(後) | 前回に続いて「イルマの注射の夢」を取り上げ、フロイトによる解釈の後半部分を吟味する。しかし、『夢判断』中にフロイトが示した解釈は、じつは、この夢について行いうる解釈全体の一部にすぎない。夢の登場人物たちのモデルを明らかにした上で、フロイトが書かなかった解釈の部分(解釈の秘められた部分)にまで立ち入りたい。 |
| 4 | 05/11 | 夢による「偽装」と「夢作業」──圧縮、移動、ヴィジュアル化、二次加工 | 「夢は願望充足である」というフロイトのテーゼには、この願望充足は「偽装される」という補足が付される。この偽装のパラダイムとして、『夢判断』中のあるヒステリー患者の夢の分析を取り上げるとともに、無意識的願望の充足を偽装して表現することを可能にする「夢作業」の諸メカニズムを、フロイトのテクストに沿って検証する。 |
| 5 | 05/18 | 夢事象の心理学──フロイトの「メタ心理学」 | フロイトにとって、夢の研究は、新たに「無意識」という領域を含むことになった「心」のメカニズム全体を解き明かすための「王道」だった。心の一般理論ともいうべきこの理論を、フロイトは「意識の背後に通じる心理学」という意味で「メタ心理学」と呼ぶ。『夢判断』第7章に提示されたメタ心理学の基礎理論を学び、吟味する。 |
| 6 | 05/25 | 「子どもが火に焼かれる夢」 | 『夢判断』第7章冒頭に提示された「子どもが火に焼かれる夢」は、1960年代にジャック・ラカンによる再解釈を経て有名になった。夢のメタ心理学的把握を例証するという、フロイトによって与えられた役割を越えて、この夢は、フロイトが後年「快原理の彼岸」と呼ぶことになる未知の要素への問いをすでに懐胎しているようにみえる。フロイトの解釈とラカンの解釈を順に辿っていく。 |
| 7 | 06/01 | エディプスコンプレクスとは何か | 『夢判断』は、フロイト精神分析の中核的概念として長く君臨することになる「エディプスコンプレクス」の内容に最初に触れた著作としても名高い。フロイトにおけるその位置づけを確認するとともに、フロイト以後の精神分析がその彼岸に見いだしてきたもの(神経症よりも重篤な心的疾患の根本に横たわる問題)を把握する。 |
| 8 | 06/08 | エロースとタナトス | 『夢判断』以後、精神分析家フロイトの歩みはどのような軌跡を描いたのだろうか。フロイト理論の拡張の過程を整理しつつ、とりわけ『快原理の彼岸』(1920)以後の欲動論、すなわち「生の欲動(エロース)」と「死の欲動(タナトス)」(タナトス)の二元論にスポットを当て、その現代的意義を考える。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆参考図書:『100分de名著 フロイト 夢判断』立木康介著(NHK出版)、『女は不死である』立木康介著(河出書房新社)(※後者は第4回にのみ関係)
◆休講が発生した場合の補講は、6月15日(月)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)
講師紹介
- 立木 康介
- 京都大学教授
- 神奈川県出身。博士(精神分析、パリ第8大学)。京都大学助手、同准教授を経て、2020年より現職。著書に『露出せよ、と現代文明は言う』『女は不死である』(いずれも河出書房新社)、『100分で名著 フロイト 夢判断』(NHK出版)ほか。日本ペンクラブ所属。




