ジャンル 芸術の世界
早稲田校
「ナチス芸術」の謎―ナチス時代の美術とプロパガンダ
前田 良三(立教大学名誉教授)
| 曜日 | 火曜日 |
|---|---|
| 時間 | 15:05~16:35 |
| 日程 |
全10回
・04月07日 ~
06月16日 (日程詳細) 04/07, 04/14, 04/21, 04/28, 05/12, 05/19, 05/26, 06/02, 06/09, 06/16 |
| コード | 110440 |
| 定員 | 30名 |
| 単位数 | 2 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 29,700 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 34,155 |
目標
・ナチズムの芸術観・芸術政策について理解を深める。
・ナチス美術の主要な主題と様式を学ぶ。
・近代ドイツ美術史に関する基礎知識を獲得する。
講義概要
「ナチス芸術」は、芸術的に無価値なプロパガンダ芸術として片づけられてきました。しかしそれはどのように「無知な」大衆にアピールしたのでしょうか。また「頽廃芸術」はなぜ排除されねばならなかったのでしょうか。本講座ではまずアドルフ・ヒトラーの芸術観とナチスの文化・芸術政策を概観します。次に「頽廃美術展」(1937年)とナチス主催の美術展「大ドイツ美術展」(1937―1944年)に出品された代表的作品の主題と様式を分析します。さらに「ナチス美術」と近代ドイツ美術史の関係を、「ドイツ美術の首都」ミュンヘンの芸術運動の歴史を背景に考察し、「ナチス芸術」の謎に迫ります。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 04/07 | ナチス芸術という「厄介な」テーマ | 1)本講座のテーマへの導入。2)ナチス芸術(美術)にいかにアプローチするか。3)1937年までのナチズム文化運動の展開。 |
| 2 | 04/14 | ヒトラーの芸術観とナチスの文化・芸術政策 | 1)ヒトラーの芸術観と「ドイツ的芸術」の定義。2)ナチズムにおける政治と芸術の関係。3)ナチスの人種主義的芸術観とその思想的・文化的背景。 |
| 3 | 04/21 | 「頽廃芸術」――モダニズム攻撃 | 1)発端――テューリンゲン州における「絵画嵐」とバウハウス攻撃。2)「頽廃芸術」攻撃と美術界の同調(グライヒシャルトゥンク)。3)ナチ的頽廃画家?――エーミール・ノルデの場合。 |
| 4 | 04/28 | 「第1回大ドイツ美術展」 | 1)「大ドイツ美術展」開催までの党内路線闘争。2)「第1回大ドイツ美術展」の概要。3)「第1回大ドイツ美術展」の主役――アドルフ・ツィーグラーと『四大元素』。 |
| 5 | 05/12 | 『四大元素』を読み解く | 1)作品の主題と様式。2)三連祭壇画という形式。3)ナチズムの世界観の表現。 |
| 6 | 05/19 | ナチス美術の「巨匠」たち | 1)ヴォルフガング・ヴィルリヒとアーリア人種の観相学。2)クラウス・ベルゲンの戦争画。3)パウル=マティアス・パドゥアの世界。 |
| 7 | 05/26 | ナチス美術の主要な主題系 | 1)郷土性と神話・宗教性。2)歴史性・記念碑性。3)ナチス・ヌードと「性」。 |
| 8 | 06/02 | ミュンヘン──「ナチス美術の首都」の光芒 | 1)ミュンヘン造形美術アカデミー。2)歴史主義から象徴主義・印象主義へ。3)ミュンヘン分離派と青騎士。 |
| 9 | 06/09 | 「手仕事的技術」というイデオロギー | 1)ナチス美術における「職人的技術」イデオロギー。2)技術的訓練機関としての美術アカデミー。3)1905年の「ドイツ美術論争」と絵画技術の問題。 |
| 10 | 06/16 | ナチス美術とは何だったのか――まとめと展望 | 1)「キッチュ」としてのナチス美術。2)大衆メディア文化とナチス美術。3)「民衆(フォルク)」の指導者としての「芸術家」。 |
講師紹介
- 前田 良三
- 立教大学名誉教授
- 学士・修士(東京大学)、博士(ドイツ・ボン大学)。埼玉大学、一橋大学を経て2021年まで立教大学教授。専門分野は近・現代ドイツ文学・文化・思想。著書・訳書には『ナチス絵画の謎』(みすず書房、第31回吉田秀和賞)、『トーマス・マン日記1918-1921』(紀伊国屋書店)などがある。




