ジャンル 現代社会と科学

中野校

世界情勢に翻弄される中国と日米 中国と世界の関係を正しく「知る」という大難

  • 春講座

富坂 聰(拓殖大学教授)

曜日 木曜日
時間 15:05~16:35
日程 全10回 ・04月02日 ~ 06月11日
(日程詳細)
04/02, 04/09, 04/16, 04/23, 05/07, 05/14, 05/21, 05/28, 06/04, 06/11
コード 310710
定員 24名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・現在まで自分が持っていた中国理解が正しいか否かを判断する
・新しい目でこの10年の中国の変化と発展と課題を理解する
・米国との激しい対立の根源を理解し中国の目指す世界戦略を理解する
・日本にとって最大の外交的課題である中国との付き合い方に示唆を与える

講義概要

今後の国際情勢は、米中という二大国の動きによって大きく左右されることは言を俟たない。その一方の当事者である習近平の中国は、何を目指し、何を恐れ、世界と向き合っているのか。中華人民共和国建国からの流れを振り返りながら、その体質を探り、理解してゆく。主なテーマとして、現在まで自分が持っていた中国理解が正しいか否かを判断、新しい目で見る、この10年の中国の変化と発展と課題、米国との激しい対立の根源を理解し中国の目指す世界戦略、日本にとって最大の外交的課題である中国との付き合い方について解説する。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/02 戦後を経て内戦、建国までの中国と世界 戦後、中華民国の中で国民党との協力を模索した共産党が、最終的に国民党と決別し、内戦で雌雄を決するようになるまでの過程を追い、そのなかでアメリカやソ連はどう動いたのか、また世界の孤児として誕生した中国がどのようにして国際承認を得ていったのか。彼らの歩んだ道から、中国外交の原型がもつ特徴を理解する。
2 04/09 内政と外交の間で大きく揺れた毛沢東 建国当初、アメリカ型でもなく、ソ連型でもない、独自の道を歩むことを目指した中国が、突然大きく左傾化していった過程を、内政の視点と、その内政に大きな影響を与えた大国との関係の変化から解説する。
3 04/16 台湾海峡と朝鮮戦争 台湾はなぜ、現在のような形で残ってしまったのか。その経緯を国民党との内戦から、人民解放軍が台湾上陸作戦を一時的にも断念せざるを得なくなったのか。その経緯を、朝鮮戦争との絡みでみてゆく。日本で自衛隊が生まれたように、朝鮮戦争が中国にもたらした負の影響を中心に、大きな禍根を残した中国が建国間もなく直面することになる国際関係における大きな挫折を扱う。
4 04/23 ソ連との対決で決定的に孤立した中国 朝鮮戦争、及びベトナム戦争によりアメリカと間接的に干戈を交えた中国は、政治体制の問題もあり、西側世界との関係を決定的に悪化させてゆく。同時に東南アジアでは、インドネシアの9・30事件に象徴されるように共産主義や華僑への警戒・嫌悪が近まり、アンチ中国の流れを形成してゆく。これと同時にソ連とは領土紛争を切っ掛けに全面戦争の危機を迎える。ニクソンショックで米中接近が起きるまでの中国の孤立を扱う。
5 05/07 文革の終わりと鄧小平の時代①台湾と香港 中国がアメリカとの関係を改善したことで対台湾政策も大きく転換された。アメリカからの意向でそうしたのではなく、中国が元来持っていた政策を、アメリカという懸念が小さくなったことで推進できるようになったのだ。いわゆる平和統一に舵を切った中国と、鄧小平の最後の仕事ともいわれる香港返還での対英交渉。そして中国がいかに香港を取り込んだのかを詳細に分析してゆく。
6 05/14 文革の終わりと鄧小平の時代②対日本 キッシンジャーの突然の中国訪問というニクソンショックにより、急速に接近した日本と中国。中国国内にはまだ戦争の傷跡が深く、両国の接近に懸念の声も濃かったが、意外にもこの時期は「日中関係が最も安定した」時期と評される。教科書問題や靖国参拝問題などでもめることはあったが、一方で日本のテレビドラマや映画が大量に入り、空前のヒットを繰り返し、中国人の間で日本理解が進んだ。天安門事件が起きても、米中、日中関係は大きな影響を受けなかった。
7 05/21 文革の終わりと鄧小平の時代③天安門事件と米欧 オバマ政権後期から怪しい雰囲気が漂い始めた米中関係は、トランプ大統領が登場し、あからさまに大規模な関税戦争を挑んだことで悪化。米中対立は「新冷戦」と呼ばれる深刻な時代を迎えることになる。その入り口の貿易戦争では、まだ互いに抑制を効かせた攻勢は、その後訪れるコロナ禍のなかで激しさを増し、ついには互いの領事館を閉鎖に追い込むまでに高めてゆくことになった。
8 05/28 江沢民と胡錦涛と米中蜜月 革命家の時代を終えた中国を引き継いだのは、低調と呼ばれる特徴を持った指導者たちだ。江沢民と胡錦涛の時代は概して順調に経済発展したと位置付けられるが、内実は多くの問題を抱えて苦しんでいた。台湾では、国民党VS共産党という対立構造を崩す、本省人・民心党の台頭が顕著となり、初めて「台湾独立」という問題にも直面するようになる。一方、北京オリンピック後の世界金融危機後の中国の巨額投資が世界の危機を救ったことで中国の存在感は急速に高まってゆく。
9 06/04 習近平とコロナとトランプ 中国社会の立て直しを託された習近平は、社会の引き締めに大きく舵を切り汚職取り締まりに力を入れた。それと同時に貧困層重視など原点回帰の政策が目立つようになったことで西側世界の投資家たちとの相性が少しずつ悪化してゆく。アメリカ国内で台頭する中国に対する警戒感も高まり、対中情報戦が激しく展開される。またリバラス、ピボットでアジアに舵を切ったアメリカが同地での中国との利害対立を意識し始めたことで、蜜月といわれた米中関係に明確な陰りが訪れ、その関係はコロナ禍と米大統領選挙を経て決定的に悪化してゆく。
10 06/11 習近平が再びたどり着いた米中G2時代 中国共産党の強みである「長期戦略を着実に実行し続ける力」を最大限に発揮したことで、習近平政権は先端技術における急速なキャッチアップを果たした。当初、中国を技術やサプライチェーンから排除することで、その台頭を阻止しようとしていたアメリカは、トランプ2・0での初めての対面の首脳会談を行ったことを機に、中国との協力関係を少しずつだか模索するようになった。その変遷と現状を中心に分析を行う。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考図書として、講師の著書『「反中」亡国論』(ビジネス社)、『中国がいつまでたっても崩壊しない7つの理由』(ビジネス社)をお読みいただくと、より講義内容の理解が深まります。

講師紹介

富坂 聰
拓殖大学教授
愛知県生まれ。16歳で単身台湾に渡った後、大陸へ。北京大学在学中に共同通信社でアルバイトとして学生デモの報道に携わる。中退して帰国後は週刊誌記者として様々な社会問題にかかわる。2003年に独立。2014年から現職。著書は1994年の『龍の伝人たち』から現在まで30冊を超える。
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