ジャンル 芸術の世界
早稲田校
名作オペラにおける愛の行方を追う モーツァルトからヴェルディ、ワーグナー、チャイコフスキー、プッチーニなどのオペラにおける愛の成り立ちと壊れ方
長木 誠司(東京大学名誉教授)
| 曜日 | 金曜日 |
|---|---|
| 時間 | 13:10~14:40 |
| 日程 |
全10回
・04月03日 ~
06月12日 (日程詳細) 04/03, 04/10, 04/17, 04/24, 05/08, 05/15, 05/22, 05/29, 06/05, 06/12 |
| コード | 110451 |
| 定員 | 30名 |
| 単位数 | 2 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 29,700 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 34,155 |
目標
・名作オペラにおいて、恋愛関係はどのように生じ、どのように発展して、終わっていくかのかを掴む
・名作オペラにおいて、音楽とことばとドラマの関係を捉えなおす
講義概要
オペラはいうまでもなく愛をめぐるドラマであるが、そのなかでどのように愛が生じ、どのように発展し、そして悲劇として終わっていくか、あるいは大団円に結んでいくか、それは一作ごとに異なっている。《椿姫》、《トゥーランドット》、《ローエングリン》、《エウゲニ・オネーギン》、《バラの騎士》といった名作を実際に映像で観ながら、そのことを細かく検討し、オペラの見方に新しい視点をひとつ提供する。珍しいオペラも少し採り上げてみる。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 04/03 | オペラのなかの「君」と僕(わたし) | オペラのなかで、恋人たちは、どうやって「恋人」になり、どのように別れていくのだろう? そのプロセスを《カルメン》や《ラ・ボエーム》、《ウェルテル》といった名作のなかの音楽とテクストから追ってみよう。 |
| 2 | 04/10 | 《椿姫》における父ジェルモンの謀略 | 《椿姫》のなかで、アルフレードとヴィオレッタの別れの原因は父ジェルモンにある。彼のヴィオレッタ説得は手が込んでいる。その手練手管を、音楽とテクスト両面から解き明かしてみよう。 |
| 3 | 04/17 | 《ローエングリン》における裏切り | 自分の名を問うてはならぬというローエングリンによる禁忌を、エルザはいとも簡単に破ってしまう。その背景には、ワーグナーの音楽とテクストによる絶妙な仕掛けが隠されている。それを解き明かしてみよう。 |
| 4 | 04/24 | 《コジ・ファン・トゥッテ》における「治療法」 | 恋人を交換して誘惑するという、ふたりの男たちの気の乗らぬ計画は、女中デスピーナの策略でまんまと成功してしまう。その陰には、モーツァルト時代に流行っていた独特の「治療法」があった。それはどのようなものだったのだろう? |
| 5 | 05/08 | 《エウゲニ・オネーギン》における純愛の行方 | タチアーナは一瞬にしてオネーギンにぞっこんになるが、彼は断固受け容れない。でもこの関係はやがて逆になる。タチアーナの恋心が育っていくプロセスと、その終わり方をチャイコフスキーはどう描いたのだろう? |
| 6 | 05/15 | トゥーランドットの恋の始まり | 未完の《トゥーランドット》のなかで、トゥーランドット姫の恋心の芽生えはいかにも唐突だ。こんなことありえないよ、ということはプッチーニにも分かっていた。では、彼はどのようにするつもりだったのだろう? 補作によって歪められた愛の生じ方を検討してみよう。 |
| 7 | 05/22 | 《サムソンとデリラ》における誘惑の手練 | サン=サーンスの《サムソンとデリラ》は、女性による誘惑の物語。勇者サムソンが、呆気なくその術中にはまるプロセスを見てみよう。 |
| 8 | 05/29 | 《ペレアスとメリザンド》に愛は描かれているか? | ドビュッシーの《ペレアスとメリザンド》のなかで、愛は本当に描かれているのだろうか? どこか嘘めいたメリザンドの愛は、なにゆえなのだろう? 音と沈黙、光と影の対照がそれに深く関わっている。 |
| 9 | 06/05 | ツェムリンスキーの《こびと》 | オスカー・ワイルド原作によるオペラとしては《サロメ》についで有名な、ツェムリンスキーの《こびと》。純真なゆえに冷たい心の王女さまが、醜いこびとに見せた偽りの愛情とは? 残酷な愛の行方を追ってみよう。 |
| 10 | 06/12 | 《バラの騎士》の真実 | 《バラの騎士》は、若い愛を見つめるオトナ、元帥夫人の物語である。このオトナはけっして「老い」を嘆いているわけではない。世の中の仕組みをすでに理解しすぎている自分の姿に諦めを感じているだけなのだ。彼女の下で生じる若い恋人たちは、そこでどのように見つけめられているのだろう? |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆各回で扱う作品の梗概を事前にご確認いただけるとより理解が深まります。
◆拙著『オペラ 愛の壊れるとき』(音楽之友社、ISBN:978-4276355330)に基づきながら、映像・音響を用いて、より具体的に講義を進めますが購入は必須ではありません。
講師紹介
- 長木 誠司
- 東京大学名誉教授
- 福岡生まれ。東京大学文学部美学藝術学科卒業後、東京藝術大学大学院博士課程修了。博士(音楽学)。1986-88年、ドイツ学術交流会(DAAD)の奨学生としてドイツのボンに留学。2005年度、文部科学省の派遣でベルリン自由大学客員研究員。2019年度、ベルリン芸術大学客員研究員。現代の音楽およびオペラを多方面より研究。東邦音楽大学・同短期大学助教授を経て、東京大学大学院総合文化研究科教授(表象文化論)。東京大学名誉教授。




