ジャンル 世界を知る

早稲田校

イスラームの世界史 正義と平等の訴えと、他宗教との共存と対立の歴史を知る

  • 春講座

宮田 律(一般社団法人現代イスラム研究センター理事長)

曜日 木曜日
時間 13:10~14:40
日程 全10回 ・04月02日 ~ 06月11日
(日程詳細)
04/02, 04/09, 04/16, 04/23, 05/07, 05/14, 05/21, 05/28, 06/04, 06/11
コード 110303
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・イスラームの宗教的本質、「公正」「平等」「平和」などの理念を知る
・イスラーム世界ではなぜ紛争が絶えないのか、その背景を探る
・日本人とイスラームの関わりを考える

講義概要

2023年10月ハマスのイスラエルへの奇襲攻撃でガザの紛争が始まった。一部では「宗教戦争」などという形容もあるが、宗教は紛争を起こすナショナリズムの一要素にすぎない。本講座ではイスラームに関する基本的知識を、教義、実践などから説き起こし、イスラーム世界の歴史的発展、キリスト教、ユダヤ教との共存の歴史や、近現代におけるイスラーム世界での紛争の背景を紹介したい。また日本人が今後国内で増え続けるであろうイスラームの宗教活動や、ムスリムたちといかに関わっていくべきかを考えてみたい。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/02 イスラームとは何か イスラームの教義、特徴、実践などを平易に説明する。日本人にはあまり知られていなかったイスラームの意外な側面を紹介したい。
2 04/09 イスラーム世界の歴史的発展―イスラーム世界はどのように拡大していったか イスラーム人口がどうして増加したのか、イスラーム神秘主義などその宗教的要因、軍事的拡張、学術・産業の発展、ムスリム商人の交易活動など中世世界では先進的であったイスラーム文明を紹介する。
3 04/16 イスラームとキリスト教、ユダヤ教にあった共存の歴史を知る イスラームにはキリスト教徒、ユダヤ教徒を保護しなければならないという宗教的義務がある。そうした義務のもと、かつてのイスラーム帝国の中でイスラームとキリスト教、ユダヤ教はいかに共存していたのか、その歴史を知り、その共存がヨーロッパ世界の発展にどのように貢献したのかをスペインやシチリア島を例に考える。また、共存を訴えたイスラム神秘主義詩人の作品を紹介する。
4 04/23 ヨーロッパにおいて迫害されたユダヤ教と、オスマン帝国では共存したユダヤ人たち ユダヤ教を信仰するユダヤ人がローマ帝国によってパレスチナを追われ、ヨーロッパ各地に離散(ディアスポラ)となる中で、いかにキリスト教世界から差別・迫害を受けたか。また、スペインの国土回復運動(レコンキスタ)でイベリア半島から追放されたユダヤ人たちがオスマン帝国では活躍した姿を紹介する。
5 05/07 イスラーム世界と同盟しようとしたキリスト教世界と産業革命による人口増加 オスマン帝国と同盟しようとしたイギリス、またサファヴィー朝と同盟しようとしたハプスブルク家、キリスト教世界はイスラームの王朝に一目を置いていたが、ヨーロッパ産業革命はヨーロッパとイスラーム世界の力関係を逆転し、交通手段の発展で世界制覇に乗り出していった。その過程や変遷を検討する。
6 05/14 キリスト教を核とするヨーロッパ・ナショナリズムの発展と、その悲劇 ヨーロッパ・ナショナリズムは、イスラーム、キリスト教、ユダヤ教にどのような影響を与えたか、ユダヤ人の国家をパレスチナに建設しようとするシオニズムの運動やオスマン帝国の解体、またユダヤ人のホロコーストをもたらしたその悲劇の歴史を知る。
7 05/21 宗教がせめぎ合うアメリカ大陸 アメリカ大陸にキリスト教をもち込んだのはヨーロッパからの植民者たちだったが、ユダヤ人もヨーロッパでの迫害を逃れてアメリカ大陸に移住して成功を収める。また、現代では「キリスト教原理主義」とも表現されるキリスト教福音派も強い影響力をもっている。さらに、人種差別をうけた黒人の間ではイスラーム信仰も盛んになった。アメリカ社会における宗教のせめぎ合いや、ラテンアメリカ諸国におけるイスラーム社会について紹介する。
8 05/28 ヨーロッパ植民地主義とイスラーム世界、パレスチナ問題の起源 ヨーロッパ植民地主義はどのようにイスラーム世界に進出していったのか、またヨーロッパとの遅れを取り戻すためのイスラーム世界の側の反応についても知る。パレスチナ問題の起源についても語る。
9 06/04 虚構の「文明の衝突」とイスラーム世界の現況 1990年代、世界では「文明の衝突」が唱えられるようになり、イスラームとキリスト教世界・ユダヤ教世界との対立図式が喧伝されるようになった。「文明の衝突」がなぜ強調されるようになったのか、その背景にある要因を検討する。また、パレスチナ問題の展開や現況について検討したい。
10 06/11 中東イスラーム世界の今後を考察する―日本人はイスラームをどう受け入れるべきかを考える 前週に引き続いてイスラーム世界の時事問題を解説しながら、「日本人ファースト」などのフレーズが頻繁に聞かれる中で日本人はいかにイスラームに向き合うべきかを考える。

講師紹介

宮田 律
一般社団法人現代イスラム研究センター理事長
1955年、山梨県生まれ。米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程修了。87年、静岡県立大学に勤務し、中東アフリカ論や国際政治学を担当。専門は、イスラム地域の政治および国際関係。著書に、『現代イスラムの潮流』(集英社新書)、『オリエント世界はなぜ崩壊したか』(新潮選書)、『中東イスラーム民族史』(中公新書)、『武器より命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方』(平凡社)、『イスラエルの自滅』(光文社新書)など。

  • 外国語 コースレベル選択の目安
  • 広報誌「早稲田の杜」
  • オープンカレッジ友の店