ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

王権の古代史

  • 春講座

荒木 敏夫(専修大学名誉教授)

曜日 金曜日
時間 13:10~14:40
日程 全10回 ・04月03日 ~ 06月12日
(日程詳細)
04/03, 04/10, 04/17, 04/24, 05/08, 05/15, 05/22, 05/29, 06/05, 06/12
コード 110212
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・日本古代の歴史を正確に理解する。
・倭国・日本を東アジア・世界史的観点から探る重要性を理解する。
・考古学や人類学などの成果にも目を配る必要性を理解する。

講義概要

桓武天皇没後の平城即位から陽成「譲位」・光孝即位にいたる王権の歴史は、波乱に富んだ王位継承の歴史であり、王権構造の変成・変化を示している。それらの実態を、桓武天皇没後の王統内の対立・抗争を経て、嵯峨−仁明系が王位を継承し、陽成の「譲位」で途絶する9世紀中葉の時代を国内外の状況が流動化し、日本の王権・国家と社会が変化していく様相を踏まえ、考えてみます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/03 第1講 平城・嵯峨・淳和三天皇の即位と譲位−そのキサキとヒツギノミコ 桓武天皇の死後の王位は、その皇子らが継承するが、その継承は決して安定的なものでなく、内紛・暗闘を伴っていた。それらを立后や立太子・廃太子に関わらせてみてみます。
2 04/10 第2講 嵯峨天皇と平城上皇−「薬子の変」の歴史的意味 藤原薬子は、藤原式家の藤原種継の娘、中納言藤原縄主の妻で三男二女の母でもある。幼少の長女が桓武天皇の皇太子安殿親王(平城天皇)に入内すると、みずからも宮仕えに上がり、東宮宣旨(東宮付きの女房の筆頭)となっている。ここに始まる薬子と平城との「スキャンダル」で終始説明されがちな、「薬子の変」を王権論の観点から、再検討します。
3 04/17 第3講 嵯峨譲位・淳和即位がもたらしたもの−「一日両天」の世界の顕現 嵯峨天皇は、同年齢の皇太弟(淳和)に譲位し、「後院」に退いたが、上皇としてその存在を際立たせていた。「弘仁文化」の華も開くが、「一日両天」の世でもあった時代を探ります。
4 04/24 第4講 平安初期の国制・行政改革と地方の変動 大宝令・養老令にもとづく国制・行政システムは、時代と社会の変動によって、<改制>を余儀なくされる。その実際を、<行政改革>を中心にみてみます。
5 05/08 第5講 「承和の変」と恒貞廃太子事件 承和9年(842)、淳和天皇と嵯峨の女子正子内親王の子である皇太子恒貞親王の東宮官人らが謀反を企てたとして捕縛され、皇太子は廃され、道康親王(文徳)の立太子・即位の途が開かれることになる。藤原良房らによる他氏排斥事件でもある「承和の変」の複雑に絡まる事件の要因を明らかにしてみたいと思います。
6 05/15 第6講 文徳天皇即位−孤絶の天皇 文徳天皇は、仁明の第一皇子で、母は藤原冬嗣の女子の藤原順子。「承和の変」後、立太子、仁明没後に即位した。台頭著しい藤原良房との緊張あふれる関係は、後の摂関期の王権の在り様の先駆といえるものがあり、「幼帝」誕生も文徳朝の正確な理解なくしては理解できないはずである。
7 05/22 第7講 幼帝誕生−清和天皇即位の歴史的意義 天安2年(858)、文徳天皇の子で、わずか九歳の惟仁親王が即位する。「幼帝」清和天皇の誕生である。このことがもたらした歴史的意義は、近年、ようやく理解されるようになってきている。日本の王権史に刻印した意義を、考えてみます。
8 05/29 第8講 応天門の変−藤原良房と伴善雄 古代の伝統ある氏族の大伴氏の凋落を決定づけた「応天門の変」を、藤原「摂関家」の誕生と対比しながら子細に探ってみます。
9 06/05 第9講 唐・新羅の商客の来訪−東アジア海域の歴史と日本 九世紀の東アジアの海域を舞台に活躍する海商−交易船の往来は、近年、注目を集めている事実である。現在の全羅南道莞島郡にあたる地に拠点(清海鎮)を設けた張保皐(張弓福)の活動を中心に、活発な交易活動の展開を逐ってみます。
10 06/12 第10講 陽成天皇の即位と「譲位」−仁明・文徳王統の終焉 元慶8年(884)2月、陽成天皇は「二条院」に遷御し、太上天皇となったが、これを「譲位」と理解すると、その歴史的意義は薄れてしまう。殿上で「格殺」事件までおこす稀代の天皇−王権と「摂政」藤原基経−廟堂貴族らの妥協と対決の始終をみてみます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆2025年度秋学期の同講師の講座の続編ですが、学期ごとに完結する内容ですので、新規受講の方もご受講いただけます。

講師紹介

荒木 敏夫
専修大学名誉教授
1946年東京生まれ。専修大学名誉教授。1969年3月早稲田大学教育学部を卒業、1975年7月〜86年3月愛知教育大学教育学部、1986年4月〜2017年3月専修大学文学部教授。主著は『日本古代の皇太子』(吉川弘文館)、『可能性としての女帝』(青木書店)、『日本古代王権の研究』(吉川弘文館)、『日本の女性天皇』(小学館)、『日本古代の王権』(敬文舎)等。

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