ジャンル 日本の歴史と文化
早稲田校
日本の現代 「敗戦」から「60年安保闘争」まで
黒川 みどり(静岡大学名誉教授)
| 曜日 | 火曜日 |
|---|---|
| 時間 | 10:40~12:10 |
| 日程 |
全10回
・04月07日 ~
06月16日 (日程詳細) 04/07, 04/14, 04/21, 04/28, 05/12, 05/19, 05/26, 06/02, 06/09, 06/16 |
| コード | 110205 |
| 定員 | 30名 |
| 単位数 | 2 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 29,700 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 34,155 |
目標
・日本現代史の流れを論理的・構造的に理解する。
・1945(昭和20)年の「敗戦」から、「戦後復興」を経て1960(昭和35)年の「安保闘争」までの歴史を理解する。
・〈今〉と向き合うために必要な問題意識を培う。
講義概要
「敗戦」から「60年安保闘争」までを対象とします。政治史にかぎらず思想や文化、人々の暮らしなども対象に据えながら戦後15年間を論じます。また、ジェンダーの視点や沖縄・在日朝鮮人・被差別部落などマイノリティの視点からもとらえ返すように努めてゆきたいと思います。基本事項はふまえつつも、昨年度から内容を更新して、あらたな切り口で講義をつくってゆきたいと思いますので、再受講の方も歓迎いたします。なかんずく今期は、思想・文化に力点をおいて、戦後史を論じてみたいと思います。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 04/07 | さまざまな〝敗戦〟 | 敗戦にいたる経緯を述べた上で、それぞれの異なる位置・立場からの人びとにとっての敗戦を見詰めてみたいと思います。「内地」と「外地」、沖縄、などに光を当ててみたいと思います。さらに焼け跡の暮らし、林芙美子「うず潮」などに描かれる戦争「未亡人」や戦災孤児の問題を取りあげます。 |
| 2 | 04/14 | 占領政策の開始と民主化 | 占領軍のもとで行われた民主化のための諸改革(日本国憲法の制定、象徴天皇制の成立、女子参政権、財閥解体、農地改革、等)を、できるかぎりその政策にあたった人びとの回想や証言を取り入れながら考察してみたいと思います。 |
| 3 | 04/21 | 東京裁判と戦争責任 | 極東国際軍事裁判(東京裁判)について、その問題を含めて考察します。さらに天皇の戦争責任をめぐり、天皇退位論、天皇制廃止論なども含めて、当時の知識人たちの議論について述べます。 |
| 4 | 04/28 | 占領政策の転換とレッド・パージ | 冷戦の進行とともに朝鮮戦争が起こるなかで、レッド・パージと公職追放解除など占領政策の転換が行われたことについて論じてゆきます。さらに台湾でおこった二・二八事件、韓国の四・三事件にもふれながら、ドッジ・ラインによる労働者の生活の圧迫、メーデー事件と破防法、下山・三鷹・松川事件について述べます。また再軍備と憲法の見直しが議論され、単独講和への道のりが準備されていく状況を見通します。 |
| 5 | 05/12 | 戦後初期の思想 | 戦争への反省から噴出した日本の近代化の内実を問う議論のなかから、丸山眞男や、竹内好ら近代の復権と求める人々の思想・言論活動、『近代文学』につどう文学者のグループ、活動を再開した日本共産党とマルクス主義者たちを中心にとりあげます。次いでGHQによる原爆被害などに対する言論統制が行われていたことを論じます。 |
| 6 | 05/19 | 暮らしの前景化と庶民文化 | 『暮しの手帖』に代表される暮らしの前景化、解放への渇望のなかで生みだされた庶民文化について、映画や歌謡曲、そしてうたごえ運動などの文化運動等について考察します。 |
| 7 | 05/26 | 復興から独立へ | 対日講和を急ぐアメリカの主導で占領の終結が行われ、1952年の講和条約発効により日本はサンフランシスコ体制に組み込まれてゆきました。講和をめぐっては、学者・文化人たちによる平和問題談話会や社会党・総評などの日本平和推進国民会議が結成されて全面講和を求める運動が展開されており、それらの主張を検討しながら講和条約のもった意味について考えます。内灘闘争などの反基地闘争、ビキニ事件を契機とする原水禁運動について述べ、さらには、日本母親大会、部落解放運動、集団就職、などさまざまな動向についてもみてゆきます。 |
| 8 | 06/02 | 大衆社会時代の幕開け | 度重なる好景気により人びとの生活にゆとりができていくなかで広がっていった大衆文化をとりあげます。主婦論争、全盛時代を迎える映画、週刊誌の創刊などのさまざまな娯楽の開花、ミッチー・ブーム。それらを外観した上でいくつかテーマを絞り、大衆社会・文化の実相を述べたいと思います。松下圭一の「大衆社会」論についてもとりあげます。 |
| 9 | 06/09 | 五五年体制の成立 | 戦後38年間の日本政治の枠組みとなった55年体制、ならびにそれを支える日米安保体制について述べます。保守合同、社会党の統一、財閥の復活、日ソ国交回復、日本の国連加盟、アジア諸国との国交回復、等を取りあげます。合わせて、日本共産党の六全協による方針転換とそれが運動に与えた影響についても論じます。 |
| 10 | 06/16 | 安保改定反対闘争 | 岸内閣の成立から安保改定にいたる経緯を述べ、つづいて安保反対に起ち上がった民衆、ならびに知識人の意識、主張を考察して六〇年代へつなげてゆきたいと思います。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆本講座は「日本史基礎講座」シリーズの現代通史の前半にあたり、2026年度秋学期「日本の現代」を続編とするものです。
講師紹介
- 黒川 みどり
- 静岡大学名誉教授
- 博士(文学、早稲田大学)。専門分野は日本近現代史・思想史・部落史。主著に『共同性の復権―大山郁夫研究』(信山社)、『評伝 竹内好』(共著、有志舎)、『評伝 丸山眞男』(有志舎)、『描かれた被差別部落―映画のなかの自画像と他者像』(岩波書店)、『被差別部落認識の歴史』(岩波現代文庫)、『差別の日本近現代史』(共著、岩波現代全書)、『増補 近代部落史』(平凡社ライブラリー)、『被差別部落に生まれて―石川一雄が語る狭山事件』(岩波書店)、『評伝 丸山眞男 その思想と生涯』(有志舎)など。これまでに早稲田大学・立教大学(現在)、東京大学、千葉大学等講師を務める。高校日本史教科書(実教出版)執筆。




