ジャンル 現代社会と科学
中野校
西洋思想と日本の近代化―哲学・社会・科学
古賀 勝次郎(早稲田大学名誉教授)
| 曜日 | 木曜日 |
|---|---|
| 時間 | 13:10~14:40 |
| 日程 |
全8回
・01月15日 ~
03月05日 (日程詳細) 01/15, 01/22, 01/29, 02/05, 02/12, 02/19, 02/26, 03/05 |
| コード | 340721 |
| 定員 | 36名 |
| 単位数 | 1 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 23,760 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 27,324 |
講義概要
西洋が世界最初に近代社会を形成し得たのは、近代的自然科学を発展させ、近代に適合的な「法の支配」を確立したからである。日本もそうした西洋をモデルに近代化を推進し、紆余曲折はあったものの、比較的順調にやってきた。講義では、先ず、西洋の近代化の過程で見られた思想の変容について述べ、次に、日本において、伝統的思想-仏教、儒教、国学-が、西洋思想にどう対応してきたか、その歴史と問題点について詳述する。しかし現在、西洋、日本だけでなく、世界全体が、近代化の負の側面といえる、科学・技術の支配、大衆社会、気候変動といった深刻な諸問題に直面している。最後に、これらの問題に現代社会はどう向き合って行けばよいかを考える。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 01/15 | 西洋思想と近代社会 | 西洋が世界最初に近代社会を形成し、その後も世界を牽引するようになったのは、①近代社会に適応した「法の支配」を中心とする社会理論を打ち立て、②近代的自然科学を創造・発展させたからだが、それを可能にしたのは、その土台に古代ギリシア哲学と中世のキリスト教神学があったからで、講義ではその過程を詳しく説明する。 |
| 2 | 01/22 | 儒教と「法の支配」の衝突 | 旧儒教圏の近代化で最大の壁となったのは、「法の支配」=法治の確立だった。儒教には法の占める場所がなく、法家の法治も西洋の法治と異なっていたからである。だが管子の法治は西洋の法治にやや近かった。日本は管子の法治と西洋の法治とを結合させ法治国家を確立できたが、他の国々はそれができなかった。その理由を詳しく説く。 |
| 3 | 01/29 | 江戸時代の伝統的思想と洋学 | 日本の近代化の前提として、江戸時代における伝統的思想(儒教、仏教、国学)の歴史を辿り、それらが、近代化とどう結びついていったかを説明する。また、杉田玄白などによって切り開かれた洋学、志筑忠雄らのオランダ通詞の貢献などを見る。さらに、幕末の儒学者かつ洋学者だった佐久間象山や横井小楠などの開国思想にも言及する。 |
| 4 | 02/05 | 近代日本の学問の出発 | 日本の近代化は、明治六年設立の明六社に集った知識人たちによって強力に進められた。しかし彼らの学問的背景は、儒教、国学などとかなり異なっていた。講義では、西周や加藤弘之における徂徠学と洋学、津田真道の国学と洋学、西村茂樹の儒教道徳と西洋哲学、福沢諭吉における儒教と西洋文明といったテーマを取り上げ詳しく説明する。 |
| 5 | 02/12 | 儒教と日本の近代化 | 先ず、江戸後期の儒学者・安井息軒の儒教を取り上げる。何故なら、息軒門下から日本の法治国家建設に貢献した人材(陸奥宗光、谷干城、井上毅)を多数輩出したからである。しかし、明治後半以降の知識人で、儒教と西洋の学問とをうまく接続し得たものはいない。僅かに、鵜澤総明と穂積重遠には見るべきものがあるので、取り上げ説明する。 |
| 6 | 02/19 | 仏教と日本の近代化 | 幕末から明治初期にかけて日本の近代化に貢献した仏教系の知識人はほとんどいなかったが、明治後半頃から、急に目立つようになっていった。社会科学の分野では、法学者の小野清一郎や経済評論家で政治家でもあった石橋湛山などが注目される。哲学の分野では、仏教系の知識人が多数現われるが、これについては、最終回の講義で取り上げる。 |
| 7 | 02/26 | 国学・老荘思想と日本の近代化 | 末に国学系の知識人として活躍した人物としては、既に取り上げた津田真道の他に大国隆正がいる。明治以降では法学者の穂積陳重が有名である。老荘思想系では、日本のアダム・スミスといわれた田口卯吉、ジャーナリスト・文明評論家の長谷川如是閑を取り上げる。国学や老荘思想は一見保守的だが、進歩的側面もありそのあたりを説明する。 |
| 8 | 03/05 | 西洋哲学と東洋哲学の対話 | 洋哲学も現在、伝統的な哲学では解明できない現象に直面し、東洋哲学が注目されている。西洋哲学が現象の中に普遍性や必然性を求めるのに対し、東洋哲学は現象の中に変動性や偶然性を見出す。社会が複雑化し、自然科学もミクロ世界のような複雑な現象を研究するようになったことが、東洋哲学への関心を高めている。講義では、西洋哲学東洋哲学が補完関係にあることを、西田幾多郎や九鬼周造などを取り上げながら説明する。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆発表や議論などを行う場合があります。
講師紹介
- 古賀 勝次郎
- 早稲田大学名誉教授
- 1947年福岡県生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(早稲田大学)。専門分野は、経済学、西洋思想史、比較社会思想。これまで主として西洋の自由主義を研究。著書に、『ハイエクと新自由主義』(行人社)、『ヒューム体系の哲学的基礎』(行人社)、『鑑の近代』(春秋社)、『複眼的世界思想史講義』(春秋社)などがある。




