ジャンル 芸術の世界
オンライン
日本語デザインを変えた技術―写真植字と杉浦康平
阿部 卓也(愛知淑徳大学准教授)
| 曜日 | 金曜日 |
|---|---|
| 時間 | 13:00~14:30 |
| 日程 |
全4回
・02月13日 ~
03月06日 (日程詳細) 02/13, 02/20, 02/27, 03/06 |
| コード | 740408 |
| 定員 | 30名 |
| 単位数 | 1 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 11,880 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 13,662 |
目標
・【デザイン史と出版文化史】日本における、グラフィックデザインと出版文化の交差の歴史を、概略的に理解できるようになる。
・【印刷技術史】写植技術の発展を、日本語書き言葉とメディアテクノロジーの関係というマクロな文脈から整理できるようになる。
・【視点・思考力】人間の表現活動を、テクノロジーと社会と言語(文字)が衝突し、せめぎ合う中での実践として理解する、一般的視座を獲得する。
講義概要
写植という言葉を聞いたことがありますか? 写植(邦文写真植字機)は、カメラとタイプライターを合わせたような仕組みで印刷版下用の文字素材を作り出す、日本で独特な進化を遂げた光学装置です。DTPが普及していく1990年代後半以前、写植は出版とグラフィックデザインの基盤技術でした。この講義では写植の歴史と、それを用いて日本語デザイン表現を革新した杉浦康平(1932-)らのデザイナーの足跡を辿りながら、アナログ技術装置の革命が、活版印刷時代とその後のデジタル時代を、いかに架橋したのかを考えます。かつての現場を知る方から、デザイン史のルーツを知りたい若い方まで、予備知識を問わず幅広い受講生を歓迎します。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 02/13 | 写植発明の歴史と、メディア、言語、社会 | 邦文写真植字機(写植)は、1924年7月24日に日本で特許申請されました。写植は、世界的なアナログメディア革命に支えられながらも、日本で独自に発明と進化が進んだ装置です。今回は、写植発明の歴史を確認し、日本が当時置かれていた政治・経済・文化的な状況や、日本語書き言葉の表記の独自性が、そこにいかに関係しているのかを見ていきます。 |
| 2 | 02/20 | 杉浦康平、または戦後日本のデザイナーと文字表現 | 文字とは、デザイナーが扱う中心的な対象の一つである。…今では当たり前に思えるこの理解は、実は歴史的に見ると、必ずしも自明ではありません。デザイナーが文字のどの部分に、どのような手段を通じて関与できたかは、時代ごとに大きく変遷してきました。今回は、杉浦康平が写植を活用して行ったデザイン実践をはじめ、様々な事例を紹介しながら、戦前〜戦後の社会で文字とデザインがどのような関係を取り結んできたのかを概観します。 |
| 3 | 02/27 | 写植文化の黄金期と、その諸相 | 日本の写植産業は、1970年代から80年代に黄金期を迎えました。広告産業の巨大化、デザイナーの社会的台頭、デザイン書体の発展、グラフィカルな出版物の激増、写真製版によるフルカラー印刷の低廉価など、この時代に進んだ様々な出来事は、その原因であると同時に、結果でもあります。今回は、経済成長から高度消費社会化へと至る日本の文化状況の一側面を、「写植」や「光学的デザイン制作体制」をキーワードに読み解きます。 |
| 4 | 03/06 | 写植文化の終焉と、デジタルDTPへの架橋/断絶 | 20世紀の終わりに、写植産業は急速に高度化するパソコン組版(DTP)に取って代わられ、その社会的使命を終えます。しかし、それは突然もたらされた帰結ではなく、それ以前の長い時間の中で段階的に準備されたものでした。今回は、電算写植機の進化、組版ルールの社会的整備、デジタルフォントの登場など20世紀末のブックデザイン技術のデジタル化の歴史を確認しつつ、最終的にアメリカのIT産業がそれをいかに飲み込んだのかを考えます。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講は、3月13日(金)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インタ
ーネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)
講師紹介
- 阿部 卓也
- 愛知淑徳大学准教授
- 岩手県生まれ。博士(学際情報学、東京大学)。専門分野はメディア論。デザイナーとしても活動し、理論と実践の架橋に取り組んでいる。単著『杉浦康平と写植の時代』(慶應義塾大学出版会)で第45回サントリー学芸賞、第77回毎日出版文化賞特別賞ほかを受賞。




