ジャンル 文学の心

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幕末・明治時代の文豪たち

  • 冬講座

陳 璐(早稲田大学准教授)

曜日 火曜日
時間 13:00~14:30
日程 全8回 ・01月13日 ~ 03月03日
(日程詳細)
01/13, 01/20, 01/27, 02/03, 02/10, 02/17, 02/24, 03/03
コード 740104
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・幕末・明治時代の文豪たちの主義思想をよく理解する。
・代表作品の基本的な読み方を体得する。
・文学作品を社会的な営みの中で捉える視点を身につける。

講義概要

この講座では、主に幕末や明治初期に生まれ、明治期に活躍した代表的な文豪たちに焦点を当て、彼らの作品や日記を解読し、その価値観や主義・思想に迫る。具体的には、近代化の過程で文豪たちが共通して直面した三つの課題(近代小説の言語・文体の創出、東西思想や文学の受容、伝統と近代のはざまにおける自己の確立)を軸に、毎回異なる文豪を取り上げ、深く掘り下げていく。また、これらの作品が描いた時代像を歴史的文脈の分析を通して考察し、当時の社会・歴史との相互関係への理解を深める。
※小説作品は文庫で入手できますので、各自で読んでおいてください。二回目から作品を取り上げます。二回目は坪内逍遙の『小説神髄』および二葉亭四迷の『浮雲』です。各回については、ホームページから詳細をご確認ください。毎回の講座では講義資料を配布し、大切なテキスト個所を引いて示します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/13 イントロダクション―転換期としての幕末・明治期の文学者群像 「幕末から明治へ」という転換期を俯瞰し、西洋化と近代国家建設の流れのなかで、文豪たちが直面した言語と文体の創出、思想の受容、自己の確立という三つの課題を提示した上で、明治の文学家たちの群像を共有する。
2 01/20 近代小説の文体の探求―坪内逍遙と二葉亭四迷 言文一致体が定着するまで、日本近代小説の文体はさまざまな試みがなされた。そこで、落語が及ぼした小説の文体への影響に着目しつつ、坪内逍遙の『小説神髄』および二葉亭四迷の『浮雲』による文体創造の試みを解説する。
3 01/27 新しい文語体の試み―幸田露伴と森鷗外 近代小説の文体を模索する過程において、言文一致体とは異なる文語体の立場も存在した。そこで、雅俗折衷と言われる幸田露伴の『風流仏』と、雅文体と言われる森鷗外の『舞姫』を取り上げ、擬古文による文体の創造に託された思考を解説する。
4 02/03 伝統と革新―夏目漱石と正岡子規 日本近代文学の革新を目指した夏目漱石と正岡子規について解説する。特に、漱石の漢詩や初期作品の文体、そして同時代の俳人・正岡子規の俳句を通して、近代日本文学における表現の特色を、伝統と革新の関係という視点から提示する。
5 02/10 東洋と西洋のはさまで―北村透谷と夏目漱石 東西思想の狭間で模索した明治知識人の精神が、どのように文学作品に表現されているか。それを示す一端として、近代劇詩の嚆矢をなした北村透谷の『蓬莱曲』と、夏目漱石の小説『それから』を通じて、その思想的背景と文学的意義を解説する。
6 02/17 内面の創出―国木田独歩と島崎藤村 内面の創出および近代的な自我の確立は、近代小説が共通して捉えた課題である。そこで、内面性を描く空間を文学言語の中でどのように作り出すかという課題について、国木田独歩の『忘れえぬ人々』と、明治期の若い文学者たちを登場人物のモデルとして創作された島崎藤村の『春』を通して解説する。
7 02/24 女性のアイデンティティ―樋口一葉と与謝野晶子 明治期の女性作家がいかなる作品を生み、どのような社会問題に関心を寄せていたのかを解説する。そこで、樋口一葉の『たけくらべ』、与謝野晶子の『みだれ髪』、そして当時の女性誌の内容を取り上げ、女性が近代文学において果たした役割や表現の可能性を解説する。
8 03/03 前近代の再解釈と明治近代の成立 明治以前の前近代をどのように捉え、どのように語るか。明治期の文学者たちは、西洋文明を取り入れながらその解釈と再評価を行い、近代の精神を成立させていく。そこで、明治の文筆家や思想家たちが描いた史伝や人物伝を幅広く取り上げ、彼らが前近代をいかに継承し、明治を形作っていったかを総括する。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆各回で取り上げる小説作品は文庫で入手できますので、各自で読んでおいていただけると理解がより深まります。
◆毎回の講座では講義資料を配布し、大切なテキスト個所を引いて示します。
◆休講が発生した場合の補講は3月10日(火)を予定しています。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インターネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)

◆11/29(土) 11:00より本講座の無料体験講座を実施します。
◆無料体験講座お申込みはこちらから。 https://www1.ex-waseda.jp/online/ 「無料体験講座」をクリックし、「絞り込み」をクリックしてください。

講師紹介

陳 璐
早稲田大学准教授
中国生まれ。博士(学術、東京外国語大学)。専門は幕末・明治期の日本文学および日中比較文化。早稲田大学社会科学総合学術院・准教授。早稲田大学国際東アジア研究所、先端社会科学研究所、東アジア国際関係研究所の研究員を兼任。早稲田大学第10回ティーチングアワードを受賞。学術論文は日本、中国、アメリカなどの学術雑誌に掲載されている。
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