ジャンル 文学の心
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トーマス・マンの『トーニオ・クレーガー』を読む
小黒 康正(九州大学大学院教授)
| 曜日 | 月曜日 |
|---|---|
| 時間 | 15:30~17:00 |
| 日程 |
全6回
・01月19日 ~
03月02日 (日程詳細) 01/19, 01/26, 02/02, 02/09, 02/16, 03/02 |
| コード | 740103 |
| 定員 | 30名 |
| 単位数 | 1 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 17,820 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 20,493 |
目標
・『トーニオ・クレーガー』を味わう。
・トーマス・マン文学に対する理解を深める。
・日本における翻訳文化の特殊性を学ぶ。
講義概要
「最も多く愛する者は敗者である。そして苦しまねばならぬ」。こんな言葉がある『トーニオ・クレーガー』(1903年)を、トーマス・マン生誕150年を迎える年に読みます。この作品は、1927年から2018年までに16名によって邦訳され、三島由紀夫、北杜夫、辻邦夫、村上春樹、平野啓一郎などの作家やクリエーターに多大な影響を与えてきました。そして、2025年、初訳からまだ100年も経たないうちに、講師自身による17番目の新訳が刊行されたのです。世界でも類をみない翻訳文化と言えましょう。こうした背景を視野に入れながら、本講座では、『トーニオ・クレーガー』の作品世界を皆さんと一緒に検討したいと思います。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 01/19 | トーマス・マンと世紀末ミュンヒェン | マンは、北ドイツのリューベックで1875年に生まれ、1984年にミュンヒェンに移り住みました。その後、1933年に亡命を余儀なくされるまで、そこで世紀末文化の爛熟、第一次世界大戦の勃発、ドイツの敗戦、共和国への期待、ナチスの台頭を経験します。以上の経緯を、マン初期短編のひとつである『道化者』とともに紹介する予定です。 |
| 2 | 01/26 | 『トーニオ・クレーガー』(1) | 『トーニオ・クレーガー』はいわゆるソナタ形式で構成されています。第1部にあたる第1章から第3章までは、主題提示部です。「北」のリューベックを舞台に、いかなる「主題」が提示されるのでしょうか。 |
| 3 | 02/02 | 『トーニオ・クレーガー』(2) | 第2部にあたる第4章から第6章までは、主題展開部です。「南」のミュンヒェンを舞台に、芸術家のあり方が話題になります。それは、いかなる「主題」の展開なのでしょうか。 |
| 4 | 02/09 | 『トーニオ・クレーガー』(3) | 第3部にあたる第7章から第9章までは、主題再現部です。再び故郷を訪れた主人公は、そこで詐欺師と間違われてしまいます。それはなぜでしょうか。そして主人公はさらなる「北」であるデンマークに向かいます。結局、こうした「北→南→北」といった空間移動はなにを意味するのでしょうか。 |
| 5 | 02/16 | 新訳『トーニオ・クレーガー』への挑戦 | すでに16名による訳出があるにもかかわらず、なぜ新訳の挑戦が行われたのでしょうか。旧訳と新訳の違いに触れながら、「翻訳の舞台裏」についてお話し、その上で、日本における特異な「翻訳文化」について検討いたします。 |
| 6 | 03/02 | 日本における『トーニオ・クレーガー』受容 | トーマス・マンの生誕150年は、昭和100年と重なります。『トーニオ・クレーガー』は、昭和を代表する作家である三島由紀夫、辻邦生、北杜夫らによって愛読され、日本の文学に欠如するものが読み取られてきました。一体なにが読み取られてきたのでしょうか。また、2025年、新訳はドイツの公共放送や新聞によって何度も話題になりました。このことは一体、なにを意味するのでしょうか。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆参考図書として『トーニオ・クレーガー』(岩波文庫/小黒康正訳)(ISBN:9784003740132)をお読みいただきますと理解がより深まります。
◆休講が発生した場合の補講は3月9日(月)を予定しています。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インターネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)
講師紹介
- 小黒 康正
- 九州大学大学院教授
- 1964年生まれ。北海道出身。九州大学博士(文学)。九州大学大学院人文科学研究院教授。日本独文学会前会長。トーマス・マンを中心に近現代ドイツの文学と思想の研究を行っている。書著多数、翻訳にトーマス・マン『トーニオ・クレーガー』(岩波書店、2025年)など。2024年に NHK「100分de名著 トーマス・マン『魔の山』」に出演。




