ジャンル くらしと健康

オンデマンド

【オンデマンド】くらしに役立つ民法入門 いくつかの事例検討を通じて法の“考え方”を身に付ける

  • 秋講座

大澤 慎太郎(早稲田大学教授)

コード 930601
定員 20名
単位数
会員価格 受講料 ¥ 15,840
ビジター価格 受講料 ¥ 15,840

目標

・「法」や「民法」の社会における意義や役割(機能)を理解する。
・いくつかの具体的な事例の検討を通じて、法の学び方や考え方を理解し、未知の問題であっても解決策を導く糸口を掴めるような能力を身に付ける。

講義概要

法は社会の設計図であり、社会に生きる私たちは常に法に支配されています。法の中でも「民法」は、日用品の“購入”や物の“貸し借り”といった、ありふれた日常の様子を規律するもっとも“親しい法”と呼べるかもしれません。しかし、普段から「民法」を意識して生活している人などおよそいないでしょうし、実際に“意識的にお世話になる”こともなく生涯を終える人もいるでしょう。それでは、なぜ「民法」はあるのでしょうか。本講座では、いくつかの“民法を意識することになる”具体的な問題の検討を通じて、「民法」の社会における意義や役割に関する理解を深め、「法(民法)」を“有意義に”使うきっかけを掴んでいただきたいと考えています。

各回の講義予定

講座内容
1 法学入門 「民法」を学修する前提として、そもそも「法」や「民法」とは何かを学び、併せて、「法」の“学び方”や“考え方”の基礎的な手法を体験していただきます。
2 不動産の「売買」をめぐる問題 “買い物”すなわち法的には「売買」と呼ばれるものは、民法上「契約」の1つとして規律されています。日常のあまりにありふれた一場面たる“買い物=「売買」”をめぐる民法上の規律は、私たちにとって最も身近な法規範の1つであるといっても良いでしょう。ここでは、第3回目以降のより複雑な問題を扱ういわば“準備運動”として、そもそも「契約」とは何かということもおさえつつ、「売買」をめぐる民法上の基本的な規律につき、特に不動産を素材として検討します。
3 不動産の“貸し借り”をめぐる問題 借主による賃料の未払いや無断での家の内装の変更など、不動産の“貸し借り”をめぐって生じる争いは、私たちにとって民法を“意識することになる”典型的な場面の1つといって良いでしょう。ここでは、“貸し借り”をめぐる民法上の基本的な規律をおさえつつ、不動産の内でも特に「家」に注目した法的問題について検討します。
4 「保証」をめぐる問題 借金の「保証人」、子どもが大学に入学する際の「保証人」、家を借りる際の「保証人」など、「保証人」ないし「保証」という言葉は社会の多くの場面で用いられております。これらもまた、私たちにとって民法を“意識することになる”典型的な場面となります。同時にこの「保証」が「保証人」に過大な負担をもたらし、人生を狂わせることになりうることもまた、よく知られているところです。それでは、民法はこのような「保証」につきどのような規律を有しているのでしょうか。ここでは、「保証人」の“保護”に着目しながら、「保証」をめぐる民法上の問題について検討します。
5 「交通事故」の基本問題 「交通事故」は、年齢や立場を問わず、誰もが加害者にも被害者にもなりうるものであり、その意味では、私たちが常に巻き込まれるおそれのある法的リスクの1つ、すなわち“民法を意識することになる”場面といって良いでしょう。それでは、「交通事故」が生じた際、民法は、どのような規律をもって被害者を救済し、または、加害者に対して制裁をもたらすのでしょうか。ここでは、「自賠法」といった「交通事故」に関連する法律などにも着目しながら、「交通事故」をめぐる基本的な民法上の処理方法につき検討します。
6 「交通事故」における“加害者”としての「子ども」と「高齢者」をめぐる問題 「子ども」が自転車で人をはねてしまったとか、「高齢者」が自動車の運転ミスによって事故を起こしてしまったなど、「子ども」や「高齢者」が“加害者”となる交通事故は、テレビの報道でもよく耳にすることですし、特に「高齢者」をめぐっては、ある種の社会問題になっているといっても良いかもしれません。このように「子ども」や「高齢者」が交通事故の“加害者”となった場合、民法は特殊な規律をもってその処理に当たることになります。ここでは、その“特殊な規律”がいかなるものなのかにつき、その妥当性などにも注目しながら検討します。
7 「夫婦」をめぐる問題 「夫婦」のあり方は時代によって変化し、何をもって「夫婦」と呼ぶのかも本質的にはとても難しい問題です。現在では「事実婚」や「同性婚」といった、多様な「夫婦」のあり方についても大きな注目が集まっています。それでは、民法の視点から観ると「夫婦」はどのように扱われるのでしょうか。ここでは、子どもの地位なども含めた「夫婦」をめぐる民法上の問題について検討します。
8 「相続」をめぐる問題 親などの死によって必然的に生じる「相続」は、私たちの“多く”が「民法」を“意識することになる”数少ない場面の1つかもれません。ドラマや映画、小説などでも度々素材となっているように、「相続」は財産の承継がなされることの必然として、人々の間に複雑な争いをもたらすことがあります。ここでは相続の基本的な知識をおさえつつ、争いの火種の1つとなる「遺言」にも着目して、「相続」をめぐる民法上の問題について検討します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆視聴期間は一般申込開始(2025/8/26)から学期終了翌月末(2026/01/31)までになります。一般申込開始(2025/08/26)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は2025年度 春期 「くらしに役立つ民法入門」(04/01〜06/03 火曜日、全8回)で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。

講師紹介

大澤 慎太郎
早稲田大学教授
早稲田大学法学部卒業後、同大学院法学研究科博士後期課程研究指導修了満期退学(博士(法学))。新潟大学法学部専任講師、千葉大学大学院社会科学研究院准教授を経て現職。専門は「民法」、特に「保証制度」を中心とした担保法制全般。「公益財団法人かずさDNA研究所・利益相反マネージメントアドバイザー」や、「国土交通省交通事故相談員総合支援事業・編集委員」なども務めております。主な業績として、『民法III債権総論(LEGAL QUEST)』(共著、有斐閣、2022年)、「フランスにおける保証人の保護に関する法律の生成と展開(1)(2・完)」比較法学42巻2号47頁、同3号25頁(2009年)等があります。
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