ジャンル 日本の歴史と文化
オンデマンド
【オンデマンド】蘇我氏の世紀
古市 晃(神戸大学大学院教授)
| コード | 930207 |
|---|---|
| 定員 | 20名 |
| 単位数 | − |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 11,880 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 11,880 |
目標
・『古事記』や『日本書紀』を中心とする日本古代の文献史料を読解する力を身につける。
・蘇我氏の事跡とそれをめぐる支配層の動向を中心に、日本の古代国家の成り立ちについての理解を深める。
講義概要
6世紀から7世紀の列島最大の豪族、蘇我氏をめぐっては、現在でも活発に議論が行われ、研究が進展しています。しかし古代国家ができあがってくるこの段階で、蘇我氏がどのような役割を果たしたのかについては、まだ検討の余地が残されているように思います。今回の講義では、6世紀前半から7世紀前半の約1世紀を、「蘇我氏の世紀」と捉え、その出自、蘇我稲目、馬子、蝦夷、入鹿の事跡を追います。その過程を通じて、蘇我氏の権力基盤、あらたな支配論理としての仏教の導入、王族との関係など、国家形成の中での蘇我氏の位置づけについて検討を行います。
各回の講義予定
| 回 | 講座内容 | |
|---|---|---|
| 1 | 蘇我氏の登場 | 蘇我氏の出自と拠点、また興隆の時期を検討し、蘇我氏が6世紀初頭に台頭する継体、安閑、宣化の王統と密接な関係にあったことを明らかにします。 |
| 2 | 蘇我稲目 | 蘇我氏の実質上の始祖にあたる稲目の事跡について、その娘達と王族との婚姻関係、ミヤケの開発、渡来人の配置と仏教の受容などを中心に検討します。 |
| 3 | 稲目から馬子へ | 稲目の地位を継承した馬子について、稲目の事跡をどのように継承したか、また初の本格的な寺院、飛鳥寺の造立など、仏教興隆との関係、王族との婚姻関係の推進など、蘇我氏の黄金時代を築いたその役割について検討します。 |
| 4 | 蘇我氏の権力基盤 | 蘇我氏の権力基盤について、これまで重視されてきた渡来人の招来やミヤケ開発に加え、王族の資財への吸着など、あらたな論点を加え、あわせて蘇我氏の同族関係が果たした役割についても検討します。 |
| 5 | 蝦夷と入鹿 | 蘇我氏が、蝦夷・入鹿父子の悪逆によって滅亡したという『日本書紀』の歴史観を再検討し、非蘇我系の舒明天皇の統治と蘇我氏がどのような関係にあったのかを明らかにしたうえで、7世紀前半におけるあらたな統治体制の模索について検討します。 |
| 6 | 蘇我氏の滅亡とその遺産 | 蘇我氏本宗家が滅亡する過程を、あらためて『日本書紀』の記述から再検討し、皇極天皇との関係、上宮王家滅亡事件と蘇我氏との関係を整理しつつ、乙巳の変の真相を検討します。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆視聴期間は一般申込開始(2025/8/26)から学期終了翌月末(2026/01/31)までになります。一般申込開始(2025/08/26)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
2025年度 春期 「蘇我氏の世紀」 (04/07〜05/26 月曜日、全6回)
で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。
講師紹介
- 古市 晃
- 神戸大学大学院教授
- 岡山県生まれ。博士(文学、大阪市立大学)。大阪歴史博物館、花園大学を経て現職。日本古代史を専攻。国家形成史や地域社会史に関心を持つ。著書に、『倭国 古代国家への道』(講談社現代新書)、『国家形成期の王宮と地域社会』(塙書房)などがある。




