ジャンル 人間の探求
中野校
行動意思決定論
竹村 和久(早稲田大学教授)

曜日 | 水曜日 |
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時間 | 15:05~16:35 |
日程 |
全8回
・09月24日 ~
11月26日 (日程詳細) 09/24, 10/01, 10/08, 10/22, 10/29, 11/05, 11/12, 11/26 |
コード | 330526 |
定員 | 24名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 23,760 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 27,324 |
目標
人間行動の意思決定現象を数理的および心理学的に説明する「行動意思決定論」についての知識を得ることによって、人間の意思決定についての理解を深める。
講義概要
人間行動の意思決定現象はどのように記述されるかを問う「行動意思決定論」について解説を行う。行動意思決定論の歴史的経緯や経済学やマーケティングとの関係を説明しながら、意思決定現象の数理的理論および心理学的理論、プロスペクト理論を代表とする非線形効用理論、多属性意思決定理論、意思決定支援としてのナッジやブースティングについての解説を行う。講義では理論解説のほか、受講生とのディスカッションも重んじる。また受講生には、理論で用いる数式の展開や証明を授業時に求めることもある。受講生の理解度に応じて予定講義回と必ずしも一致しないことがある。時間的余裕があれば意思決定についての関連動画視聴も行う。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 09/24 | 行動意思決定論とその考え方および前提となる数学的知識 | 意思決定現象の理解のための論理、集合、関数の復習と説明を行う。また、行動意思決定論の応用範囲について説明する。 |
2 | 10/01 | 意思決定現象と行動意思決定論 | 意思決定現象にはどのようなものがあるかを説明し、行動意思決定論の説明を行う。また、規範的意思決定論、記述的意思決定論、処方的意思決定論との関係を説明し、歴史的経緯についても解説する。 |
3 | 10/08 | 序数効用と選好逆転現象 | 序数効用について説明し、序数効用の表現定理の説明と順序尺度としての数理的説明を行う。ここでは論理、集合、関数の知識が必要である。また、選好逆転現象について説明し、序数効用の前提になる弱順序との関係について説明する。 |
4 | 10/22 | 選好逆転現象とその説明 | 選好逆転現象とは何かについて説明し、その現象を説明するための数理的説明や理論の検証のための実験法について解説する。選好逆転現象の説明原理についての解説と選好逆転の心理とそれを表現する顕著性仮説についての数理モデルについて解説する。ここでは確率・統計の知識が必要である。 |
5 | 10/29 | 期待効用理論と心理学 | 期待効用理論について数理的に説明する。またその理論についての歴史的経緯や期待効用理論の公理、反例について説明する。ここでは、関数、微分、対数と指数関数の知識が必要である。 |
6 | 11/05 | プロスペクト理論と意思決定現象 | ノーベル経済学賞の対象にもなったプロスペクト理論について、定性的および数理的に解説する。ここでは、関数、微積分の知識が必要である。 |
7 | 11/12 | フレーミング効果とその説明について | 意思決定の言語表現の違いによって意思決定結果が異なるフレーミング効果について説明し、その数理的モデルや経営等への応用について解説する。 |
8 | 11/26 | 多属性意思決定と意思決定支援 | 多属性意思決定について説明し、完全最適、パレート最適などの概念について説明する。また、意思決定支援の在り方としてナッジやブースティングについて解説する。ここでは、高校数学の論理、集合、証明などの知識が必要である。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆受講に際して、高校数学の理解力(論理、集合、関数、微分、積分、確率論、統計についての初等的知識)、および中学英語の理解力と国語の理解力があることが望ましい。受講生の理解度に応じて、高校数学の復習を授業時に行う予定である。
◆受講の際の録音・録画・撮影を禁止します。
講師紹介
- 竹村 和久
- 早稲田大学教授
- 現職 早稲田大学文学学術院教授,同大学意思決定研究所所長、同大学理工総研兼任研究員、同大学データ科学センター兼任所員、静岡県立大学経営情報学部客員共同研究員、社団法人 医療安全推進機構, 国際学術理事・客員教授、IAAP(国際応用心理学会フェロー)、感性工学会理事・編集委員、 日本理論心理学会副理事長・編集委員長、行動計量学会理事・編集委員、Scientific Reports (Springerer Nature) 編集委員、 学歴:1994 年 東京工業大学大学院総合理工学研究科 博士(学術)、 2013 年 北里大学大学院医療系研究科 博士(医学)、 職歴: 1989 年 光華女子短期大学講師 1992 年 筑波大学社会工学系講師 1995 年 筑波大学社会工学系助教授、同大学院システム情報工学科助教授 1999 年 カーネギーメロン大学社会意思決定学部フルブライト上級研究員 2002 年 早稲田大学教授(現在に至る),2024年 科学技術分野(研究部門)における文部科学大臣賞、 研究分野: 行動意思決定論、 経済心理学、行動計量学