ジャンル 現代社会と科学

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土と植物をつなぐ菌根―地中をめぐる共生の不思議を探る

  • 冬講座

山田 明義(信州大学教授)

曜日 木曜日
時間 15:30~17:00
日程 全4回 ・01月22日 ~ 02月12日
(日程詳細)
01/22, 01/29, 02/05, 02/12
コード 740768
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・植物が土から養分を吸収する菌根共生の仕組みを説明できる。
・自然界における菌根の重要性について説明できる。
・菌根共生の産業利用について理解を深める。

講義概要

「植物は土から養水分を吸収して成長する」という一見普通のことが、実は微生物である菌根菌の菌糸を介して行われています。すなわち、植物は菌根菌との共生を抜きには、自然界では生きていけません。本講義では、我々が普段は目にすることのない、こうした土の中で起こっている生命の不思議な営みの一端である「菌根」について概説します。菌根共生の仕組み、自然界での役割、進化、産業利用についても、具体的な事例を挙げて説明します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/22 植物は菌との共生で生きている:共生の基本的な仕組み 現在陸上で繁茂する植物の大部分が菌との共生体である菌根を形成し、土壌養分を吸収しています。この端的な背景理由は、植物が陸上進出する進化のきっかけが菌との共生だったからです。菌と共生することで水辺から陸に進出した植物は、その後にさまざまな環境に適応すべく多様な進化をとげ、様々なタイプの菌根共生を生み出し現在に至ったと考えられています。こうした菌根共生の進化史と、共生の基本的な仕組み(栄養交換の仕組み)について説明します.
2 01/29 アーバスキュラー菌根:その始まりと広がり 菌根共生のなかでも最も普遍的なタイプであるアーバスキュラー菌根は、世界中、植物が生えていれば必ず観察できると言えます。森林や草原のなどの自然生態系のみならず、耕作地でも普通に見られる菌根です。また、陸上植物の起源的性質をもつコケ類にもアーバスキュラー菌根菌が定着するため、アーバスキュラー菌根は菌根共生のプロトタイプと言えます。今日、砂漠や荒地の緑化、作物の生産性向上、低肥料農業などの実社会の場面でも、アーバスキュラー菌根の利用が一般的になりつつあります。こうした現実問題とともに、まだわかっていない謎の部分も交えて説明します。
3 02/05 森林樹木ときのこの共生:外生菌根 「脱炭素社会」が声高に叫ばれている今日、生態系における炭素循環の仕組みは十分に解明されているのでしょうか? 樹木が森を形成すれば当然その分の炭素は有機物として蓄積されます。一方、樹木や落葉は腐生性きのこによる分解を受けて、再び二酸化炭素へと戻っていきます。こうしたサイクルの中で、樹木ときのこの共生である外生菌根は、どのような役目を果たしているのでしょうか。森林における樹木ときのこの関係について、菌根共生の生理生態学的な側面を中心に説明します。
4 02/12 我々の食生活と菌根菌:マツタケとトリュフ 樹木ときのこの共生である外生菌根の役割とは別の側面として、そこから生ずるマツタケやトリュフの子実体は我々の食生活を豊かにしてくれます。ヨーロッパで広まったトリュフ食文化と我が国のマツタケ食文化は、外生菌根共生という共通のキーワードでくくれます。こうした食材を沢山収穫するためには、菌根共生の仕組みを理解し、それを人為的に制御する手法を確立しなければなりません、今世紀に入ってから次第にわかってきたマツタケやトリュフの生態について、人工栽培技術の開発の側面も含めて説明します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は2月19日(木)を予定しております。
◆Zoom ウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず
「オンラインでのご受講にあたって」
をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インターネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)

講師紹介

山田 明義
信州大学教授
博士号取得後、林業系の研究機関でマツタケの人工栽培研究に従事。1999年より信州大学農学部にて、マツタケを中心に外生菌根菌(菌根性きのこ)の生態解明とその産業利用に関する研究を行い現在に至る。対象とするきのこは多岐に渡り、アンズタケ、タマゴタケ、ホンシメジ、ハナイグチ、ヤマドリタケなどの食用きのことともに、毒きのこのカキシメジなども含む.2020年、それまでの研究成果が認められ、日本菌学会賞を受賞。著書は、菌根の世界(共著、築地書館)、菌類の不思議(共著、東海大学出版)など。近年は、高山帯を含む山岳域の菌類(きのこ)の多様性解明についても研究を展開。

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