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宗教と暴力 なぜ宗教は暴力を生み出すのか
正木 晃(宗教学者)
| 曜日 | 土曜日 |
|---|---|
| 時間 | 10:30~12:00 |
| 日程 |
全8回
・01月10日 ~
02月28日 (日程詳細) 01/10, 01/17, 01/24, 01/31, 02/07, 02/14, 02/21, 02/28 |
| コード | 740505 |
| 定員 | 30名 |
| 単位数 | 1 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 23,760 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 27,324 |
目標
・歴史上、暴力と全く無縁の宗教が存在しないのはなぜか、という視点を中心に宗教の本質を考察します。
・宗教が求める「平和」とは何か、あらためて考察します。
・暴力の行使に積極的な宗教と消極的な宗教の違いはどこから生まれるのか、考察します。
講義概要
宗教に対して日本人の多くがいだいているイメージは、ひたすら平和を目指し、政治とは別で、暴力に否定的といったあたりではないでしょうか。しかし宗教を対象に長らく研究してきた結果、いま私はそういったイメージは間違っていると感じています。そもそも平和の定義は宗教によって異なります。宗教と政治とは別というのも極めて最近の発想です。そして宗教は暴力の行使に必ずしも否定的ではなく、むしろ積極的だった事実すら指摘できるからです。もちろん宗教によって対応は様々ですが、歴史上、暴力と全く縁がなかった宗教は存在しません。本講座では宗教の歴史と教義を冷静かつ客観的に見据え、宗教とは何かを考えてみたいと思います。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 01/10 | セム型一神教の暴力肯定論 | ユダヤ教・キリスト教・イスラム教にとって共通の聖典となってきた「モーセ五書」、つまり旧約聖書の冒頭部分には暴力の行使が肯定的に主張されています。しかもその暴力は敵に対する戦闘行為にとどまらず、極めて非人道的な略樽や強姦までを含んでいます。 |
| 2 | 01/17 | イスラム教の聖戦思想 | イスラム教の聖典として知られるコーランやハディースには、「聖戦(ジハード)」の思想が述べられています。そして平和は、聖典の言葉をそのまま受け取るならば、全世界がすべてイスラム教に帰依しなければ実現しません。現実のイスラム教は、ユダヤ教やキリスト教よりも柔軟な傾向がありますが、いわゆる原理主義が台頭する余地もまた、ユダヤ教やキリスト教よりも大きいようです。 |
| 3 | 01/24 | キリスト教の十字軍 | イエス・キリストは暴力を徹底的に否定しました。しかしキリスト教の歴史はイエスの言葉とは裏腹に、非常に暴力的な側面が見られます。その典型例が中世の十字軍であり、近世の宗教戦争(カトリックVS.プロテスタント)です。では、なぜ、このような事態が生じたのでしょうか。 |
| 4 | 01/31 | 弥勒信仰と革命運動 | 仏教の開祖ゴータマ・ブッダは暴力を徹底的に否定しました。しかし中国や朝鮮半島では、未来仏として登場するという弥勒に対する信仰が革命運動と結びついて、暴力の行使に至りました。隋末の叛乱と唐初の革命、明の建国、古代新羅の花郎がその典型例です。ちなみに日本では弥勒信仰に基づく革命運動は起こりませんでした。 |
| 5 | 02/07 | 一向一揆VS.法華一揆 | 室町時代の末期、浄土真宗と法華宗(日蓮宗)は鋭く敵対し、戦闘を繰り返しました。また両者とも当時としては最新かつ最強力の武器であった鉄砲の採用にすこぶる熱心でした。とりわけ一向一揆の勢力は絶大で、織田信長と長期にわたり戦闘を展開した事実は注目にあたいします。 |
| 6 | 02/14 | 島原の乱 | 江戸時代の初期、九州の島原を中心に、キリシタンたちが叛乱を起こしました。叛乱の原因については、かつては貧窮した人々が止むを得ず立ち上がったと説明されていましたが、最近はキリスト教の教えこそ真の原因だったという説が提出されています。そもそもキリシタンたちは非常に暴力的だった事実も指摘されているのです。 |
| 7 | 02/21 | 太平天国の乱 | 一九世紀の中頃、急速に衰退しつつあった清帝国において、キリスト教徒たちが武装蜂起しました。これが太平天国の乱です。乱は14年もの長期に及び、2000万以上の人命が失われたといわれます。乱の実態はキリスト教的な思想と中国の伝統的な観念が入り交じった独特の傾向が見られ、極めて複雑な様相を示しています。 |
| 8 | 02/28 | 近現代仏教の戦争協力 | 日本の仏教界は仏教に否定的な明治維新政府によって甚大な打撃を受けました。そのせいもあってか、その後は10年ごとに勃発した戦争に協力的な対応をとりました。ことに太平洋戦争ではほとんど全ての宗派がこぞって戦争に協力したのです。その中には、伝統的な教義を拡大解釈して協力した事例もあれば、教義そのものを根本的に変換してまで協力した事例すらもありました。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講日は3月14日(土)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インタ
ーネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)
講師紹介
- 正木 晃
- 宗教学者
- 1953年、神奈川県小田原市生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。専門は宗教学(日本仏教・チベット仏教)。文献研究に留まらず、現地調査を実施しチベット・ヒマラヤ地域の調査は20回に及ぶ。高度でありながら誰でも理解できる仏教学を志向。著作は『「ほとけ」論』『現代日本語訳 法華経』など多数。




