ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

歴史的町並み景観の魅力 蔵の町・城下町・天空の町

  • 秋講座

藤島 幸彦(早稲田大学講師、世田谷区生涯大学副学長)

曜日 金曜日
時間 15:05~16:35
日程 全4回 ・11月07日 ~ 11月28日
(日程詳細)
11/07, 11/14, 11/21, 11/28
コード 130261
定員 41名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・各地に残る古い歴史的町並みの魅力と保存制度を理解する
・伝統的な町家建築や、地域環境と調和した町並み景観を味わう歩き方、町並み景観への眼の付け所、楽しみ方を入門的に学ぶ
・国の町並み保存地区だけでなく、地方自治体などで保存整備が進む町並み、文化財建築にも関心を持つ

講義概要

開発と近代化の中で失われて行く古い町並みが見直され、歴史的町並みを保存・再生・活用する動きが広まっています。本講座では、国の町並み保存制度や地方自治体の条例、地域住民の努力等で保存・整備されている「歴史的町並み」の景観的魅力をお伝えします。今期は景観整備が進みつつある国の町並み保存地区から、今後保存地区に選定される可能性があると講師が注目している町並み、そして、社寺信仰の形態の一つとして高い山の上に社寺に付属して形成された、言わば「天空の町並み」を紹介致します。各回、映像を通して、町を散策しながら歴史や文化の面影を発見する楽しみをお伝えします。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 11/07 「蔵の町」 福島県喜多方市小田付 福島県喜多方市は会津盆地の北部にあり、人口4万人弱の町に蔵が約2,600棟もある、全国的にも有数の「蔵の町」です。江戸時代から漆器製造業と味噌・酒醸造業が盛んで蔵が増え、また、周辺農村部の物資の集散地として物資の保管蔵も発達し、大小さまざまな蔵が造られました。喜多方でも特に古い時期の中心地だった小田付地区が2018年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。保存と景観整備が進みつつある同地区を中心に喜多方の蔵文化をご紹介します。
2 11/14 北国街道の城下町・商人町 石川県小松市 小松市は、古くは歌舞伎の「勧進帳」で有名な安宅関で知られ、江戸時代は加賀藩の藩主の隠居所としての城下町整備が進み、北国街道の主要都市のひとつとして、金沢に劣らないほどの繁栄をしていました。その中心部の中町は、絹織物や茣蓙(ござ)の問屋が立ち並ぶ商人町で、天明5年(1785)には152軒あったと記録されています。そして、今も歴史的な古い町家建築が多数残っており、往時の繁栄を伝えています。
3 11/21 「天空の町並み」(1) 東京都青梅市御岳 青梅市の御岳山山頂付近には盗難除けや魔除けの神として知られる大口真神(おおくちまがみ)を祀る武蔵御嶽神社が鎮座し、その門前には御師(おし)と呼ばれる宿坊を兼ねた神官の住宅などの町並みが広がっています。標高929mの山頂までは全368段の石段で神社に上がる高地で、この石段下の急坂地の町並みは、まさに天空の町並みです。現在も茅葺屋根の重厚な外観を見せる馬場家住宅は東京都指定有形文化財です。御師の役割や宿坊建築の特色等をご紹介します。
4 11/28 「天空の町並み」(2) 奈良県吉野町 古来、桜の名所として知られている奈良県の吉野山を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が、は2004年7月にユネスコの世界遺産に認定されました。その中心は、かつての修験道の伝統を伝える金峯山寺蔵王堂で、その周囲の標高365m吉野山中千本地区の尾根上には土産物店から旅館まで、多くの町家が立ち並んでおり、これも壮大な天空の町並みです。その特色をご紹介すると共に、山の下近くの吉野町上市に残る古い町並みも取り上げます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は12月5日金曜日を予定しています。

講師紹介

藤島 幸彦
早稲田大学講師、世田谷区生涯大学副学長
東京都出身。1988年早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学、1985年同教育学部助手。現在同学部講師。世田谷区生涯大学副学長。自営の綜芸文化研究所にて文化財調査・研究に従事。日本建築文化史専攻。日本建築学会・日本民俗建築学会会員。著書に『京都の町家』(風土デザイン研究所)、『町家点描』(共著)(学芸出版社)など。
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