ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

信仰の原型を探して―奄美・沖縄の巫俗

  • 夏講座

齋藤 正憲(白鷗大学准教授、早稲田大学講師)

曜日 火曜日
時間 13:10~14:40
日程 全4回 ・07月01日 ~ 07月22日
(日程詳細)
07/01, 07/08, 07/15, 07/22
コード 120279
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・奄美・沖縄の巫俗についての理解を深める。
・関連する文化人類学/民俗学の理論について、理解する。
・「信仰の原型」に思いを馳せてほしい。

講義概要

禍転じて福となす─
バングラデシュでシャーマンに出会い、海外調査に勤しんでいたところ、コロナという禍のせいで、奄美・沖縄を新たなフィールドに選びました。そうしたところ...?これがまた、めっぽう、楽しくて、楽しくて! すっかり琉球に魅了された私の巫俗調査は、石垣島を皮切りに、宮古島、沖縄本島をへて、奄美大島にいたりました。まだまだ、フィールドワークをつづける所存ですが、ここらで、省察をさせてください。ユタ30名、ノロ12名の語りから、朧げに浮かび上がってくる「信仰の原型」について、お話しさせていただきたいと思います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/01 石垣島の巫俗 石垣島の巫者(ユタ)と司祭(ツカサ)の語りに耳を傾けます。私はそこに、「二重主権」の残滓を嗅ぎ分けたのです。みなさんのご意見をお聞かせください。
2 07/08 宮古島の巫俗 宮古島では巫者を「カンカカリャ」とよびます。これは、「神が憑かるひと」という意味で、ひとびとが憑霊に希望を託していることが分かります。
3 07/15 沖縄本島の巫俗 那覇周辺と国頭村を訪ねました。とくに「火の神」に焦点をあて、市井の信仰に目を凝らしました。そこには、象徴(シンボル)の置換という現象が見えてきました。
4 07/22 奄美大島の巫俗 奄美の巫者はカミサマとよばれ、宮古島同様、憑霊に期待する風潮が見受けられました。また、山に抱かれて、神と向き合う世界観・他界観が浮かび上がってきたのです。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は7月29日(火)を予定しています。

講師紹介

齋藤 正憲
白鷗大学准教授、早稲田大学講師
バングラデシュのとある農村で、呪医と出会ってしまいました。期せずして、信仰の真髄に触れ、すっかり心を奪われました。以来、スリランカや台湾でシャーマニズムを取材してきましたが、コロナ禍によって、海外に行けなくなりました。とても落ち込みました。でも、くよくよしていても、仕方がありません。ピンチをチャンスととらえ、琉球シャーマニズムの研究に着手し、石垣島、宮古島、沖縄本島、奄美大島でフィールドワークを実施して参りました。もちろん違いはありますが、神霊を憑依させるユタの信仰実践は、海外と一緒でした。そして、日本について、ひいてはアジアについて、深く思いをめぐらせるようになりました。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学本庄高等学院教諭、早稲田大学教職大学院客員准教授、埼玉学園大学非常勤講師を経て、現職。
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