ジャンル ビジネス・資格
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基礎から学ぶ管理会計
伊藤 嘉博(早稲田大学名誉教授、千葉商科大学客員教授)

曜日 | 火曜日 |
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時間 | 19:00~20:30 |
日程 |
全8回
・10月14日 ~
12月02日 (日程詳細) 10/14, 10/21, 10/28, 11/04, 11/11, 11/18, 11/25, 12/02 |
コード | 730801 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 31,680 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 36,432 |
目標
・管理会計の基本的な特徴と固有の役割を理解する
・管理会計の概念および手法の効果的な活用方法を習得する
講義概要
管理会計は、企業の経営意思決定を支援する各種の情報の作成とその伝達だけでなく、そのことを通じて経営者の意識と行動を組織の共通目標である利益の獲得に向け動機づけるという役割を演じている。それは企業の財務情報を背景に持つ管理会計でなければ成し得ない固有の貢献であるといえる。本講義では、管理会計情報の基本的な特徴を分りやすく解説するととともに、その主要な貢献領域に絡めて各種の経営問題の分析方法を中心に管理会計情報の作成プロセスを概観し、あわせて分析した情報をどのように活用していくのかを具体的に考察していく。また、それらの各場面において、いかなる諸点に留意すべきかについても詳しく論じていく。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 10/14 | 管理会計の意義とその特徴 | 財務会計との基本的な違いを中心に、管理会計の固有の役割について考察する。また、組織における管理会計の貢献領域は多岐にわたるため、具体的な問題領域を明示するとともに、とくに伝統的な領域に焦点を合わせながら本講義の全体像について解説していく。 |
2 | 10/21 | 短期利益計画の策定 | 管理会計の伝統的かつ主要な貢献領域とされる予算管理、とりわけ年次予算の編成の初歩的プロセスである短期利益計画の設定について考察する。そこでは原価・営業量・利益関係(CVP)分析を中心に、戦略的計画を期間計画、さらに短期の利益計画へと絞り込んでいくプロセスについて解説する。 |
3 | 10/28 | 企業予算の編成 | 短期利益計画を次年度における具体的な行動指針としてモデル化する予算編成の進め方を学習する。そこでの焦点は、予定損益計算書に集約される損益予算と予定貸借対照表に集約される資金予算との密接不可分の関係を理解することにある。講義では、とくにその点に注目した考察を演習を活用しながら解説していく。 |
4 | 11/04 | 予算統制と原価管理 | 予算編成後の予算執行場面では、いわゆる予算統制といわれるプロセスへと移行する。製品の製造および商品の販売などに携わる現業部門にとっては原価(費用)と売上高が経常的な管理項目となるため、予算と実績との比較・分析がリアルタイムで実施される。ただし、原価の管理と収益および利益に関する管理とではアプローチのあり方が異なってくる。講義では、標準原価管理を中心とする経常的・日常的な原価管理と、売上高予算差異の分析を中心に解説していく。 |
5 | 11/11 | 資金繰りと運転資金の管理 | 予算の執行期間においては、資金繰りの分析と運転資金の管理が、経営業績のみならず企業の命運をも左右する重要な検討事項となる。とくに、中小企業にあっては日常的にその重要性はきわめて高いといえるであろう。講義では、資金繰り表および資金運用表を用いた分析の仕方を中心に解説していく。 |
6 | 11/18 | 原価企画と原価改善 | 製品の企画・開発といった長期を見据えた意思決定が必要となる場面では、経常的な原価管理を越えたより戦略的な思考が必要となる。とくに、わが国の基幹製造業では原価企画と称されるアプローチが広く活用され、世界的にも注目されてきた。これは、目標利益の実現に繋がる目標原価の作り込みを支援する管理会計実践であり、近年では製造業・サービス業を問わずその適用例が報告されている。講義では、この原価企画を中心に原価管理を総合的に解説する。 |
7 | 11/25 | 差額原価収益分析 | 企業の経営管理者は、戦略的な場面のみならず、日常的にも様々な意思決定問題に晒されている。それは追加受注の引受や部品ないし作業工程のアウトソーシングの可否など様々なタイプが識別できるが、分析を軽視すると企業の業績に大きな影響を及ぼすことも稀ではない。講義では、意思決定によって差額原価や収益のみに着目するアプローチを中心に、その特徴と問題点を浮き彫りにしていく。 |
8 | 12/02 | 設備投資の採算性評価 | 戦略的もしくは構造的な意思決定問題を支援する管理会計的アプローチの代表格は、設備投資の採算性の評価であろう。そこでは、投資資金の調達手段や投資期間全般を展望したリターン(収益)の変動などを折り込んだ分析が不可欠となってくる。講義では、こうした設備投資の採算性の評価に関わる分析の進め方とその留意点について解説していく。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講は、12月9日(火)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆ご受講にあたり予備知識は必要としません。本テーマに興味をお持ちいただき、基礎知識を身につけ、業績管理や採算管理ができるようになりたい方を歓迎いたします。
◆電卓をご用意いただくことをおすすめいたします(スマートフォンのアプリでも問題ありません)。
◆本講座は2024年度秋学期にオンラインで実施した同名講座をベースに、新たな事例等を入れて再編成したものとなります。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インターネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)
講師紹介
- 伊藤 嘉博
- 早稲田大学名誉教授、千葉商科大学客員教授
- 博士(商学)、早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程単位習得任意退学、城西大学経済学部専任講師、成蹊大学経済学部助教授・同教授、上智大学経済学部教授、神戸大学大学院経営学研究科教授を経て早稲田大学教授となり、2024年定年退職。現在は千葉商科大学大学院会計ファイナンス研究科客員教授。日本会計研究学会理事、日本管理会計学会副会長、日本原価計算研究学会常任理事、公認会計士試験委員などを歴任。主要著書は『品質コストマネジメント・品質管理と原価管理の融合』(中央経済社、日経品質管理文献賞、日本原価計算研究学会賞受賞)、『管理会計のパースペクティブ』(上智大学出版会)、『バランスト・スコアカード・理論と導入』(共著、ダイヤモンド社)、『コストマネジメント入門』(日本経済新聞社)など。