ジャンル 現代社会と科学
中野校
誰にウクライナが救えるか 「はざまの国」の戦争と平和について考える
西谷 公明(エコノミスト、元ロシアトヨタ社長)
曜日 | 金曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全5回
・11月07日 ~
12月05日 (日程詳細) 11/07, 11/14, 11/21, 11/28, 12/05 |
コード | 330708 |
定員 | 24名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 14,850 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 17,077 |
目標
・ロシアと「プーチンのロシア」について知る。
・ウクライナの来歴と、ロシア・ウクライナ戦争の「根っ子にあるもの」を複眼的に理解する。
・現場主義と統計アプローチに基づく視点を習得する。
講義概要
ロシアとウクライナは、どうしてこんなことになってしまったのか? あるいは、そもそもウクライナとはどういう国なのか? 果たしてウクライナの人々のもとに平和な日々は戻るのか? その先に復興と繁栄への道は開かれるのか?「はざまの国」の地政学をタテ糸に、私自身の経験とエコノミストとしての視点をヨコ糸に、この戦争の終わり方が問う意味とその奥行きを照らしてみたい。それはまた、日本の「戦後80年」に寄せて、変わりゆく世界の「現在地」を直視することでもある。私が知るロシアとウクライナの30有余年をふり返りつつ、ときに異国での生活や仕事上の苦労談・失敗談などもまじえながら、わかりやすくひも解く。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 11/07 | 原形はいかにしてつくられたか | はじめに〜自己紹介と問題意識〜現場主義と統計アプローチ。 “はざまの国"〜平穏なる独立とその意味〜ロシアにとってウクライナとは。 豊かな産業基盤〜経済混乱と政治危機〜独立ウクライナと明治維新〜憲法に「中立」を明記せず。 |
2 | 11/14 | ガリツィア、「不寛容」という伝説 | キエフルーシ、過ぎ去りし時の記憶〜ロシア帝国とコサック国家。 内なるロシアvs内なるヨーロッパ〜ガリツィアとは何か〜ユニエイト(東方典礼カトリック教会)について。 ヤジロベエの如く〜進まない構造改革〜マイダン政変、その後〜将来におけるEUおよびNATO加盟を憲法に追記。 |
3 | 11/21 | ロシア、北方のフロンティア国家 | プーチンがロシア国民の心をつかんだ日〜ロシア史におけるソ連崩壊。 700年来の古層〜広大なる多民族・境域国家〜要衝クリミアと黒海。 オレンジ革命とロシア社会〜ロシアトヨタ時代、社会の鼓動を聴きながら〜ジョージア内戦、遠ざかる冷戦終結後。 |
4 | 11/28 | ロシア経済は持ち堪えるか | ロシア現地調査(9月初旬予定)、ロシア有識者インタビュー(11月中旬予定)から。 石油とロシア〜石油余剰(レント)に依拠した専制国家〜リーマンショックに学ぶ〜外圧に耐え得る経済へ。 ロシアと中国、戦略的結束〜もうひとつの世界、BRICSとグローバルサウス。 |
5 | 12/05 | コウノトリは見ている | 歴史は繰り返す〜問題の根っ子はどこにあるか〜米ロ代理戦争という側面。 変わりゆく世界〜平和の配当はいつ、避難民のいまは〜遠いヨーロッパ〜行政の汚職と社会の腐敗。 緩衝地帯〜“主体的中立”という選択肢〜ウクライナの安定はウクライナ人にしかできない。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆世界地図帳と年表の持参をお勧めする。
◆情勢によって一部内容変更の可能性あり。
講師紹介
- 西谷 公明
- エコノミスト、元ロシアトヨタ社長
- 早稲田大学大学院経済学研究科修了。87年長銀総合研究所入社。92年ウクライナ最高会議経済改革管理委員会メンバー、96年在ウクライナ日本大使館専門調査員。99年長銀破綻、トヨタ自動車入社。2004‐09年ロシアトヨタ社長、兼モスクワ駐在員室長。帰任後、欧州本部BRロシア室長などを歴任。12年より国際経済研究所取締役・理事。18年7月、独立。著書に『ユーラシア・ダイナミズム-大陸の胎動を読み解く地政学』『ロシアトヨタ戦記』『ウクライナ 通貨誕生-独立の命運を賭けた闘い』など。時事通信社内外情勢調査会講師。公式HP:https://n-relations.com/