ジャンル 日本の歴史と文化

中野校

戦争と映画―映画でたどる体験と記憶、想起

  • 秋講座

川崎 賢子(清華大学日本研究センター客員研究員、日本大学芸術学部研究員)

曜日 金曜日
時間 13:10~14:40
日程 全10回 ・09月26日 ~ 12月05日
(日程詳細)
09/26, 10/03, 10/10, 10/17, 10/24, 11/07, 11/14, 11/21, 11/28, 12/05
コード 330212
定員 24名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・日中戦争、太平洋戦争、朝鮮戦争、冷戦など、20世紀の戦争と映画の関係について理解を深める。
・戦争の時代の映画とプロパガンダについて理解を深める。建前と隠れたメッセージの重層性を読む。
・海外の「戦争映画」の表現と日本の「戦争映画」の表現を比較してみる。

講義概要

20世紀は映画の全盛時代であったが、同時に戦争の時代でもあった。日本人が体験した日中戦争、太平洋戦争、冷戦期を映画はどのように描いただろうか。映画はその時代にどのようなプロパガンダのはたらきをしたのだろうか。そして、綺羅星の如きスターたちは、その映画の中でどのような役割を果たしたのだろうか。また冷戦期、高度経済成長期の日本映画は、戦争体験をどのように想い起こしたのだろうか。映画には何が表し出され(隠されて)いるのだろうか。映画論を紹介しつつ鑑賞と読解を試みたい。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/26 土と兵隊 田坂具隆監督。1939年。原作は『麦と兵隊』でベストセラー作家になった火野葦平。文学と映画とのアダプテーション(翻案)という観点からも考えてみたい。
2 10/03 独裁者 チャーリー・チャップリン主演・監督。1940年。同時代の日本人観客は見ることのできなかったチャップリン映画である。
3 10/10 陸軍 木下恵介監督。1944年。田中絹代主演。「銃後」の女性の心情はどのように表現されているのか考えてみたい。
4 10/17 あの旗を撃て コレヒドールの最後 阿部豊監督。1944年。戦争末期、日本軍占領地における製作。フィリピン島が舞台である。
5 10/24 麦秋 小津安二郎監督。1951年。原節子主演。戦後の家族の日常の中に、風景の中に、染み通っている戦争の記憶と想い起こしとは? 火野葦平『麦と兵隊』も引用される。
6 11/07 ゴジラ 本多猪四郎監督。1954年。冷戦期、核実験のために巨大化し凶暴化した怪獣ゴジラ。戦争の傷跡と現在進行形の危機を表現する。
7 11/14 拝啓天皇陛下様 野村芳太郎監督。1963年。渥美清主演。喜劇のスタイルで描かれた貧困層出身の兵士の哀歓と軍隊の矛盾。寅さんの渥美清とは一味違うが、通底するペーソスがある。
8 11/21 ミツバチのささやき ビクトル・エリセ監督。スペイン映画。1973年。1940年前後のスペインを少女の眼差しからとらえなおす映画は、フランコ将軍の長い独裁政治が終わる数年前に製作されている。
9 11/28 地獄の黙示録 フランシス・フォード・コッポラ監督。アメリカ映画。1979年。マーロン・ブランド主演。コンラッド「闇の奥」(アフリカが舞台)をヴェトナム戦争に置き換えて、「王国」に君臨するカーツ大佐(マーロン・ブランド)の狂気と暴力を描き出した。
10 12/05 黒澤明監督。1990年。日米合作映画。スティーヴン・スピルバーグとジョージ・ルーカスが協力。オムニバスの形式で、死にきれず生きることも叶わない戦争の死者たち、爆発する原子力発電所など、終末感のあふれる幻想風景が描き出される。

講師紹介

川崎 賢子
清華大学日本研究センター客員研究員、日本大学芸術学部研究員
専門は日本近代文学・文化・映画・演劇。主著に『キネマと文人 『カリガリ博士』で読む日本近代文学』(国書刊行会、2024)、『左川ちか 青空に指跡をつけて』(岩波書店、2025)、『もう一人の彼女 李香蘭 / 山口淑子 / シャーリー・ヤマグチ』(岩波書店、2019)、『彼等の昭和 長谷川海太郎・潾二郎・濬・四郎』(白水社、1994年)、『尾崎翠 砂丘の彼方へ』(岩波書店、2010年)、『宝塚 変容を続ける「日本モダニズム」』(岩波現代文庫、2022年)など。

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