ジャンル 人間の探求

早稲田校

「聖戦」論の思想史―近代日本の宿命

  • 秋講座

田中 久文(日本女子大学名誉教授)

曜日 水曜日
時間 13:10~14:40
日程 全5回 ・09月24日 ~ 11月26日
(日程詳細)
09/24, 10/08, 10/22, 11/05, 11/26
コード 130508
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・近代日本における戦争の思想的意味について理解を深める。

講義概要

近代日本は、西洋列強の圧力の前で「国防国家」として早急に作り上げられたものであり、戦争はある意味で「宿命」ともいえるものであった。戦前の日本は戦争の連続であり、それを「聖戦」とする思想がつねに存在した。戦後の絶対平和主義はただそれを否定するばかりであったが、そこから本当に戦争を克服する思想は生まれるのであろうか。昭和100年、戦後80年を迎えた今、戦争のもつ意味を曇りない眼で総体的にとらえることが必要なのではなかろうか。そうした観点から、近代日本における思想家・哲学者たちの「聖戦」論を振り返る。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/24 日清・日露戦争−「文明」対「野蛮」の闘い 福沢諭吉や内村鑑三は日清・日露戦争を「文明」対「野蛮」の戦争として正当化した。その意味について考えてみる。
2 10/08 第一次大戦後の変化−「国家改造」案の叢生 第一次大戦後、一等国となった日本では、新たな「国家改造」案が続々と登場した。なかでも戦争につながる「復古革新」派の思想を考えてみる。
3 10/22 「満州事変」をどうみるか−「生命線」とはなにか 「満蒙は日本の生命線」といわれたが、その意味するところはなにか。石原莞爾の戦争観を中心に考えてみる。
4 11/05 「支那事変」のもたらしたもの−東洋平和という名の戦争 日中戦争を機に、対外的には「東亜協同体論」が盛んになり、対内的には「新体制運動」が起こってくる。その内容について考えてみる。
5 11/26 「大東亜共栄圏」という構想−アジア解放という理想の実態 「大東亜共栄圏」とは、当時どのように考えられていたのであろうか。京都学派の「近代の超克」論を中心に考えてみる。

講師紹介

田中 久文
日本女子大学名誉教授
1952年生まれ。1976年東京大学文学部倫理学科卒業。1983年同大学院人文科学研究科倫理学専攻博士課程修了。文学博士(東京大学)。専門分野は日本近代哲学。主な著書に『日本の哲学をよむ』(ちくま学芸文庫)、『丸山眞男をよみなおす』(講談社選書メチエ)、『象徴天皇を哲学する』(青土社)、『近代日本思想選 九鬼周造』(ちくま学芸文庫)、『西田幾多郎』(作品社)、『九鬼周造』(講談社学術文庫)
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