ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

『日本書紀』から見る古代の日本

  • 秋講座

瀧音 能之(駒澤大学名誉教授)

曜日 火曜日
時間 15:05~16:35
日程 全10回 ・09月30日 ~ 12月02日
(日程詳細)
09/30, 10/07, 10/14, 10/21, 10/28, 11/04, 11/11, 11/18, 11/25, 12/02
コード 130210
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・『日本書紀』とはどのような史料か、実際に読んで確かめる。
・史料を通して、そこから古代の日本を考える。
・史料の読み方を学習する。

講義概要

2020年に成立1300年を迎えた『日本書紀』は、720年、つまり、8世紀の初めに作られました。その8年前には、『古事記』が成立しています。本講座では、日本の正史のトップをかざる書物の1つである『日本書紀』とはどのような歴史書なのかを改めて問い直し、そのうえで、そこから見えてくる古代史像を考えてみたいと思います。『日本書紀』だけからしか、わからないことも多くあり、それらについても解説します。今回は、壬申の乱に勝利し、即位した天武天皇の政治とそれを受け継いだ持統天皇について、読み進めて行きます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/30 天武天皇の政治(1) 壬申の乱に勝利した天武天皇の諸政策をみたいと思います。大豪族を倒して、天皇に就いた天武は、大胆な政治を行います。貴族や豪族に対してもかなり厳しい処罰を行っています。これなども壬申の乱で天皇になったことの証といえます。これらの内容を『日本書紀』にそくしてみていきます。
2 10/07 天武天皇の政治(2) 天武天皇の政策の1つに神祇信仰の再編があげられます。しかし、神祇信仰とともに仏教信仰についてもさまざまな政策を行っています。ここでは、仏教を中心にした天武の政策について見ていきます。
3 10/14 天武天皇の政治(3) ここでは、天武朝における朝鮮半島との関係について見てみたいと思います。壬申の乱以後も、新羅や高句麗から使節がやってきています。これらに対して、天武がどのように応じたのか、見てみたいと思います。
4 10/21 天武天皇の政治(4) 天武天皇は、その後継者について、悩んだ天皇のように思います。皇后である持統の思惑をも含めて天武朝末期の政治について目をやりたいと思います。
5 10/28 持統天皇の政治(1) 天武天皇の死後、草壁皇子に位を譲りたかった持統ですが、草壁皇子が死去したため、それが叶わなくなりました。そのため、持統は称制という立場で政治を行いますが、そこにいたる過程を読み込んでみたいと思います。
6 11/04 持統天皇の政治(2) 持統天皇は、従来、天武天皇を後を継いだため、オリジナルな政策はあまりないと言われていますが、その点について、『日本書紀』を通じて検証したいと思います。
7 11/11 持統天皇の政治(3) 持統天皇時代は、律令制度がすすめられた時代でもあります。天武天皇が作ったとされる飛鳥浄御原令を実施したのも、持統天皇です。飛鳥浄御原令は残念ながら現存しておりませんが、律令制への一環として、評価されています。ここでは、飛鳥浄御原令を含めて、律令について考えていきます。
8 11/18 持統天皇の政治(4) 藤原京について、考えていきます。藤原京は、天武が作り始め、持統の時に完成し、遷都した都として知られています。かつては、藤原京は小さな都と言われていましたが、最近は平城京や平安京よりも大きな都であったと考えられています。このことについて、具体的に解説していきます。
9 11/25 持統天皇の政治(5) ここでは、孫である文武天皇について、その譲位の過程を見ていきます。特に天孫降臨神話との関係があるのか否か、という点にも留意して、考えてみたいと思います。
10 12/02 持統天皇の政治(6) 天武・持統朝の性格について、総括していきます。7世紀後半から8世紀の初めにかけて、日本の政治はどのように変化し、奈良時代になっていったかについて、全体的に見通してみたいと思います。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆2025年度春期の同名講座の続編ですが、史料は講師が読んで、解説していきますので、初めての方もご受講いただけます。必要な所は、プリントを配付して補います。

テキスト

テキスト
坂本 太郎, 井上 光貞, 家永 三郎, 大野 晋『日本書紀 (五)』(岩波書店)(ISBN:978-4003000458)

講師紹介

瀧音 能之
駒澤大学名誉教授
1953年北海道生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、明治大学大学院文学研究科博士課程中退。博士(文学)。専門分野は、日本古代史。著書に『出雲古代史論攷』(岩田書院)などがある。

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