ジャンル 日本の歴史と文化
早稲田校
ヤマト王権の列島支配
森田 喜久男(淑徳大学教授)
曜日 | 水曜日 |
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時間 | 15:05~16:35 |
日程 |
全8回
・10月01日 ~
12月03日 (日程詳細) 10/01, 10/08, 10/15, 10/29, 11/05, 11/12, 11/19, 12/03 |
コード | 130212 |
定員 | 70名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 23,760 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 27,324 |
目標
・古代国家形成途上におけるヤマト王権の列島支配の実像について、より具体的な知識が深まることを目指します。
・この講座を終えた後、受講の皆様がご自身の手で『古事記』・『日本書紀』(以下、記・紀と略称)の原文を読むことができるような気持ちになっていただくことを目指します。
・この講座を終えた後、受講の皆様が全国各地の大型古墳や古代にさかのぼる神社や寺院などに興味を持ち、自分自身で史跡を旅するような気持ちになっていただくことを目指します。
講義概要
ヤマト王権はどのような形で列島各地に支配を及ぼし、国家の枠組みが形成されていくのか、これは古代史研究において重要なテーマです。最近では、考古学者からの積極的な発言が相次いでいます。その成果を整理しつつ、文献史料と対比することで、どのような国家形成史を描くことができるのでしょうか。この講義では、地域社会の実像から出発したいと思います。果たして出雲王国や吉備王国は存在したのでしょうか?ヤマト王権は、それらの王国と戦って国土を統一したと言えるのか?こういった点についてご一緒に解明していきましょう。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 10/01 | 四道(三道)将軍伝承は何を物語っているのか? | 記・紀に見える崇神天皇の四道将軍派遣伝承(正確には、記は三道。紀は四道)については、机上の述作であるという見解がかつては有力でした。ところが前方後円墳の分布を見ていくと、何らかの歴史的背景があるように思えてきます。 |
2 | 10/08 | ヤマト王権とアヅマ(東、吾妻) | ヤマト王権や律令制国家にとって、東国は軍事的に重要な位置を占めていました。8世紀には東国の農民が防人として太宰府まではるばるおもむいていますよね。ヤマト王権にとって東国とはどのような場所であったのか。いかにして東国を支配しようとしたのでしょうか。 |
3 | 10/15 | ヤマト王権とコシ(越、高志) | コシと呼ばれた北陸地方は、古代史上では他の地域に比べて少しマイナーなイメージでとらえられることが多いですよね。しかし、この地の豪族である道君という氏族は、自身を王と偽って高句麗の使節と会ったりしていました。 |
4 | 10/29 | ヤマト王権とタニハ(丹波) | 記・紀の垂仁天皇の記述を見ていくと、丹波から四人もの妃を迎えています。なぜ、丹波なのでしょうか?実は古墳時代前期は、丹後半島に大きな前方後円墳が造営される時期に当たっているのです。これは単なる偶然なのでしょうか? |
5 | 11/05 | ヤマト王権とキビ(吉備) | 記・紀や『播磨国風土記』を見ていくと、景行天皇の妻でヤマトタケルの母は吉備出身の姫でした。ある時期、ヤマト王権と吉備とが深く結びついていたことを意味するのでしょうか。その一方で雄略天皇の頃、吉備は天皇と激しく戦っています。 |
6 | 11/12 | ヤマト王権とイヅモ(出雲) | 出雲は、記・紀神話において重要な位置を占める場所です。国譲り神話の舞台とされたことから、出雲に王国があったと考える人もいます。ところが、実は出雲は律令制下における古代王権にとって重要な役割を果たす場所でした。その真相に迫ります。 |
7 | 11/19 | ヤマト王権とハハキ(伯耆) | 山陰地方と言えば、とかく神々の国、出雲がクローズアップされますが、伯耆国も負けてはいません。ここで注目すべきは、かつて鳥取県倉吉市に存在した古代寺院です。その造営の事情を考察することで、国家形成期における伯耆国の果たした役割が見えてくるのです。 |
8 | 12/03 | ヤマト王権とツクシ(筑紫) | 筑紫国と言えば、継体朝において九州北部全域に及んだ磐井の乱を思い出します。実はその反乱を鎮圧した後、古代国家の形成は一気に加速化するのです。太宰府成立前夜の九州はどのような状況下にあったのでしょうか。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆可能であれば『古事記』や『日本書紀』をご持参いただけたらと思います。出版社は特に問いません。
講師紹介
- 森田 喜久男
- 淑徳大学教授
- 石川県生まれ。博士(歴史学・駒澤大学)専門分野は、日本古代史および神話学。前職の島根県立古代出雲歴史博物館で、出雲の神話や出雲国風土記の展示を担当。著書として『やさしく学べる古事記講座』(ハーベスト出版)・『古代王権と出雲』(同成社)などがある。