ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

日本の近世 18世紀前半吉宗政権の後から19世紀後半幕末維新期まで

  • 秋講座

深谷 克己(早稲田大学名誉教授)

曜日 水曜日
時間 10:40~12:10
日程 全10回 ・09月24日 ~ 11月26日
(日程詳細)
09/24, 10/01, 10/08, 10/15, 10/22, 10/29, 11/05, 11/12, 11/19, 11/26
コード 130203
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・江戸時代の生活、政治や文化はどういうものだったのか。人々の活動を広い視野から学べるように講義を進めたい。
・この学期では、18世紀中頃の田沼時代から幕末維新期までの変化を、国内状況と対外関係とを合わせながら確かめていきたい。

講義概要

江戸時代については、テレビの「大河ドラマ」をはじめ、映画・小説・アニメなどのかたちで、それぞれの見方に立った社会像・人物像が提供されています。この講座では、時期や問題を分けて、江戸時代の18世紀後半以降を、通史のスタイルでお話しします。この時期、しだいに民間社会の内部で貧富・格差が表面化して種々の紛争が生まれ、それが遠因となって、幕府・諸藩ともに民政が行き詰まり、財政危機に直面していきます。その状況を乗り切るために幕藩ともに、さまざまな「改革」に取り組みます。「海防」も「改革」の課題として浮上してきます。幕末維新へ向けて、支配・非支配の両方の側で取り組まれた多くの活動をお話しします。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/24 「和風」の衣食住と暮らし 昭和時代まで「和風」とされた衣食住の慣行の多くは江戸時代半ば以降に形が生まれて広まったものである。秋講座の最初に「和風」とされる暮らしの標準的な内容を取り上げたい。
2 10/01 田沼時代ー政治の方向と社会の活力 8代将軍吉宗の政治を引き継いだ老中田沼意次の政治は、賄賂政治のイメージが強いが、経済政策、対外関係の構想ともに先端性を帯びていた。その実像を見てみたい。
3 10/08 主従・親子・男女の身分とそれぞれの身分的文化 江戸時代の人々は、制度・慣習によって言葉づかいも座席も違う分ける、「上下」の関係にあった。「上下」とは異なる「良賤」の関係も持続した。それらについて考えたい。
4 10/15 18世紀後半に諸藩が取り組んだ改革政治 「改革」は財政改革が中心におかれたが、その中で「名君」や「賢宰」が輩出した。積極策や失敗策の実際を見ていく。
5 10/22 武士の学校、庶民の学校 政治や生活の課題が増えて教育的欲求が高まった。武士の教育も庶民の学習もこの期間に飛躍的に伸張した。その状況を具体的に見たい。
6 10/29 民間社会の変容と国訴・百姓一揆・村方騒動 農村で地主と小作という階層分化が進み、都市でも貧富の生活格差が進んだ。そういう社会の実相とさまざまな抵抗運動を見ていきたい。
7 11/05 幕府の寛政の改革と幕末での「祖法」化 田沼一派を排除した松平定信が多様な政策を試みたが、その試みが幕末維新期に、あたかも幕初以来の祖法と見なされていく。この流れについて考えたい。
8 11/12 「大塩の乱」と公儀権能の弱体化 治者と被治者の分断が進み、民衆運動ではない「大塩の乱」が起こるなど、「公儀」の威信が低下した。この流れについて理解を進めたい。
9 11/19 幕府・諸藩の復興をめざした天保の改革 19世紀30年代になると幕藩領主の復興をめざす天保の改革や、報徳仕法のような民間の生活復興運動が表面化する。その動きについて見ていきたい。
10 11/26 幕末維新期の内憂外患と、社会に広がる世直し願望 いわゆる「ウエスタン・インパクト」に徳川王朝が直面するなかで、様々な国内諸力が噴き出て、新たな政争が生まれる。開国前後の日本について理解を深めたい。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆2024年度秋学期の同名講座と一部内容が重複するところがあります。
◆2025年度春期から継続する内容を取り扱い、適宜、春学期の内容につなげて解説しますので、新規の方でもご受講いただけます。

講師紹介

深谷 克己
早稲田大学名誉教授
早稲田大学文学部助手から教授まで歴任。専門は日本近世史。著書に『士農工商の世』(小学館)、『江戸時代』(岩波書店)、『江戸時代の身分願望』(吉川弘文館)、『田沼意次』(山川出版社)、『東アジア法文明圏の中の日本史』(岩波書店)、『民間社会の天と神仏』(敬文舎)。
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