ジャンル 世界を知る

中野校

イタリア史を知る―イタリア移民の世界

  • 夏講座

北村 暁夫(日本女子大学教授)

曜日 金曜日
時間 15:05~16:35
日程 全5回 ・07月25日 ~ 09月05日
(日程詳細)
07/25, 08/01, 08/22, 08/29, 09/05
コード 320303
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・19〜20世紀におけるヨーロッパからの移民に関する知識を身につける
・イタリア統一以後の、移民を生み出す社会経済的な状況に対する理解を深める
・ヨーロッパや南北アメリカの文化に対する、イタリア移民の貢献に関する理解を深める

講義概要

イタリアは、1861年の国家統一以降、100年あまりにわたって、ヨーロッパ諸国やアメリカ、オセアニアに、2700万人にも及ぶ移民を送り出しました。多くの国でマイノリティという位置ながら、イタリア移民は存在感を発揮し、移民先の国々においてさまざまな貢献を行ってきました。この講座では、食文化、モード、映画、音楽、スポーツという五つの分野を取り上げ、さまざまな文化事象においてイタリア移民が移民先の社会にどのように寄与したのか、またそれによっていかなるイタリア移民像を形成していったのかを、論じていきます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/25 食文化:移民と「イタリア料理」の成立 もともとローカルな食文化の集まりにすぎなかったイタリアの食文化が、世界中で「イタリア料理」として認知されるようになるうえで、イタリア移民が果たした役割はとても大きいものがあります。この回では南北アメリカを中心に、「イタリア料理」が成立し、世界中に普及していく過程を、論じていきます。
2 08/01 モード:フランスへの追随から世界的地位の確立へ イタリア移民の中には、移民先で繊維産業に従事する人々も多く、それぞれの国でこの産業の発展に貢献しました。また、グッチやフェラガモといった今日では高級ブランドとして知られるものも、その創業者たちは自ら移民することによって企業の基礎を築いていきました。この回では、モードとイタリア移民の密接な関連について論じていきます。
3 08/22 映画:イタリア映画と「イタリア系映画」 イタリアが大量の移民を送り出した時代は、映画という産業が生まれ発展していった時代でもありました。この回ではアメリカ合衆国を中心に、俳優、監督、製作スタッフとして活躍したイタリア系の人々を紹介する一方で、アメリカ映画においてイタリア系の人々が時代とともにどのように描かれていったのかを、論じていきます。
4 08/29 音楽:タンゴ・シャンソン・ジャズ イタリア移民の中には楽師として生計を立てる人々も一定数存在し、楽器を奏でる姿はしばしばイタリア移民を表象するものとみなされてきました。この回では、タンゴ・シャンソン・ジャズといったポピュラー音楽の形成と発展において、イタリア移民が果たした貢献について、論じていきます。
5 09/05 スポーツ:サッカー・野球・モータースポーツ スポーツは、芸能分野と並び、若くして大きな富を得られる手段として、多くの移民を惹きつけてきました。イタリア移民も、その例外ではありません。この回では、サッカー、野球、モータースポーツといった競技を取り上げて、イタリア移民がそれぞれの分野でどのように活躍し、それがイタリア移民のイメージ形成に寄与してきたのかを、論じていきます。

講師紹介

北村 暁夫
日本女子大学教授
1959年東京生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業、同大学院人文科学研究科西洋史学専攻博士課程中退。専門分野は、イタリア近現代史、ヨーロッパ移民史。著書・編著に、『ナポリのマラドーナ』(山川出版社)、『イタリア史10講』(岩波新書)、『近代ヨーロッパと人の移動』(共編著、山川出版社)、『近現代ヨーロッパの歴史』(共編著、放送大学教育振興会)などがある。

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