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西洋における日本のイメージ 歴史はどのように形づくられるのか?

  • 夏講座

小俣ラポー 日登美(奈良県立大学准教授)

曜日 火曜日
時間 13:00~14:30
日程 全6回 ・07月01日 ~ 08月05日
(日程詳細)
07/01, 07/08, 07/15, 07/22, 07/29, 08/05
コード 720360
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・外から見た日本について深く知る。
・歴史の中のイメージや言説が、時間をかけてつくられていくことを実感する。
・他者理解・異文化理解の複雑さを把握する。

講義概要

この講義では、いわゆる大航海時代前(14世紀)から近世まで、西欧文明において日本文化や社会がどのように表現され、図像等で表されてきたのかを学びます。「日本」は、14世紀には半ば伝説的な存在であり、大航海時代にイベリア半島の商人とカトリック・キリスト教の宣教師がたどりついた後も、限られた断片的な情報から、時には想像で補いながら新たな日本像が構築されていきました。鎖国時代を経てその日本像は、類型化され一つのステレオタイプすら形成するようになり、これは西欧においては現代へも影響を残しています。これら一連の日本イメージの歴史をたどって、異文化圏における「他者」像構築のメカニズムを理解していきましょう。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/01 他者像の桃源郷──中世ヨーロッパの日本観 まだ日本が、地理的にヨーロッパに「発見」されていなかった時、伝説として認識されていた日本はどのような場所だったかを見ていきます。
2 07/08 逆さまの世界──ヨーロッパ近世の比較文化論 ヨーロッパ人が日本を「発見」後、さまざまな本が日本を取り上げます。そのような書籍を紹介しながら、どのようなレトリックで日本がヨーロッパに理解されていったのかを知ります。それは、比較文化の初歩的なアプローチでもありました。
3 07/15 残酷な東洋というオリエンタリズム──キリスト教迫害とキリシタンの殉教 ヨーロッパ人による日本「発見」後、日本にはキリスト教が宣教されます。しかし、日本列島に統一政権が登場すると、キリスト教は迫害されていきます。この情報は、ヨーロッパに既存の「残酷な東洋」というイメージと相まって広まっていきました。こうしたオリエンタリズムの視点から日本情報の普及を考えます。
4 07/22 グローバル・セイント「国際的聖人」の誕生──キリスト教の全球的宣教と日本 日本でキリスト教が迫害されることで、殉教者が多数日本で出るようになりました。この中から、世界中で崇敬されるようになった聖人も輩出します。なぜキリスト教文化圏からこんなに遠い日本から、グローバルな聖人が登場することになったのか?その歴史的背景を探ります。
5 07/29 他者観と人種的思想 近世には、まだ「人種」のような人間を差別化する思想や概念は、はっきりとありませんでした。日本人はどのようにヨーロッパの人にとらえられたのでしょうか?そしてそれは、どのような社会的背景や文化的文脈によってひき起こされたのかを考えます。
6 08/05 想像上の日本──前近代ヨーロッパの日本関連文芸書 日本がいわゆる「鎖国」をすることで、直接的な日本情報はヨーロッパに限定的にしか伝わらなくなりました。それでも、ヨーロッパでは各地で日本関連の書籍がずっと刊行され続けたのです。それはどのような内容だったのでしょうか?必ずしも現地の情報に依拠しない「想像上の日本」イメージを見ていきます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は9月9日(火)を予定しています。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インタ
ーネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)

講師紹介

小俣ラポー 日登美
奈良県立大学准教授
2003年東京大学文学部卒業。2016年パリ国立高等研究院(EPHE)にて博士号取得。ハーバード大学歴史学部客員研究員、日本学術振興会特別研究員などを経て現職。著書に、『岩波講座世界歴史 第15巻 主権国家と革命 15-18世紀』共著、岩波書店、2023年。 『殉教の日本──近世ヨーロッパにおける宣教のレトリック』単著、名古屋大学出版会、2023年(第45回サントリー学芸賞受賞)など。フランス語で刊行した本は『アナール』誌で取り上げられた。第21回日本学術振興会賞(2024年)、第21回日本学士院学術奨励賞(2025年)受賞。
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