ジャンル 日本の歴史と文化

中野校

日本の氏姓 氏と姓の歴史から古代から現代につながる歴史を読み解く

  • 夏講座

中村 友一(明治大学准教授)

曜日 水曜日
時間 15:05~16:35
日程 全4回 ・07月30日 ~ 09月03日
(日程詳細)
07/30, 08/20, 08/27, 09/03
コード 320208
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・日本古代史の重要史料(活字による)を読解する基礎力を養う。
・日本古代における氏姓や天皇制の理解を深める。
・氏姓と名字の歴史から現代までを俯瞰する力を養う。

講義概要

日本古代における氏姓や部の成立は、天皇制に密接に関わる王権初期の重要な制度である。日本を取り巻く古代東アジアとの関係性とその影響から、氏姓と部の成立を読み解く。氏姓の毀誉褒貶による改賜氏姓は、身分制や、天皇の恣意性と関わる政治行為であり、かつ重要な政策の一つであった事を様々な事例から講義する。氏姓が日本の独特なものであることを理解した上で、世界でも一般的な名字と同様に、日本でも名字や家名が発生し、それらが混在して現在に至る歴史的背景を理解することを目的とする。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/30 日本の氏姓・部の成立と特徴 個人名しかなかった時代から中国への遣使などを通じ、どのようにして日本独自の氏姓や部という呼称と制度が成立したのかを明らかにします。また、氏姓と部は日本独自の特徴を持っており、その意義について講義します。
2 08/20 帰化渡来系の人々と氏姓 何度かの波をもって日本にやってきた帰化渡来系の人々は、氏姓の面では厳然と区別が続きます。一方、日本人の朝鮮半島における混血の官人もおり、意外に活発だった古代の人々の通交にも視野を広げて講義します。
3 08/27 改賜氏姓と古代の政策 奈良時代以降、氏姓を改める行為が天皇側から、あるいは氏族の側から多様な契機により行われるが、それらの類型と意義を多くの事例を挙げ、天皇の意思そのものも反映される政治政策であることを講義します。
4 09/03 名字の発生とその後 平安時代以降、氏姓だけではなく名字・家名が発生する意義を明らかにします。さらに、その後の歴史において、氏姓と名字の混在と戦後の華族制度廃止に至るまで意味を持ち続けた氏姓制の歴史を概観し、日本通史的な理解に向けた講義をします。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考図書:中村友一著『日本古代の氏姓制』(八木書店)、佐藤信監修・新古代史の会編『テーマで学ぶ日本古代史 政治・外交編』(吉川弘文館)

講師紹介

中村 友一
明治大学准教授
埼玉県生まれ。博士(史学、明治大学)。専門分野は日本古代史全般。とりわけ政治史・制度史や律令法、出土文字史料など。個別には氏族・部・系譜や地域史・古代中世食物学など。専門的な論文の他、近年では一般向け新書・選書の部分執筆も多く刊行されている。

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