ジャンル 人間の探求

中野校

対話の哲学とオープンダイアローグの思想的基盤

  • 夏講座

石原 孝二(東京大学教授)

曜日 水曜日
時間 15:05~16:35
日程 全4回 ・08月06日 ~ 09月03日
(日程詳細)
08/06, 08/20, 08/27, 09/03
コード 320510
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・哲学史における「対話」の位置づけを学ぶ。
・社会構築主義の考え方を学び、「現実」がどのように作られていくのかを考える。
・オープンダイアローグの思想的基盤を学び、対話実践と対話の哲学の可能性を検討する。

講義概要

対話は、予め定まった結論へと導くものではなく、誰も当初思いつかなかった地点へと連れ出してくれるものである。対話は哲学の実践そのものであるが、不確実性が強く意識される現代においては、ビジネスや対人支援などの領域においても重視されてきた。この講義では、哲学者たちが対話的なプロセスをどのように捉えてきたのかを検討するとともに、社会構築主義などの考え方を学びながら、言語と日常的な相互作用によって、現実がどのように作られていくのかを考えていく。また、近年世界的な注目を集めてきたメンタルヘルスケアの包括的なアプローチであるオープンダイアローグの思想的基盤を探り、現代社会における対話実践の可能性を検討する。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 08/06 対話と弁証法:ソクラテス、カント、ヘーゲル ソクラテス、カント、ヘーゲルなどの哲学者たちが対話や弁証法についてどのように考えてきたのかを学び、哲学史における対話の位置づけを考える。
2 08/20 現象学的社会学、シンボリック相互作用論と社会構築主義 シュッツ現象学(現象学的社会学)、シンボリック相互作用論、社会構築主義を学び、言語を介したやりとりや日常的な相互作用がどのようにして私たちの「現実」を生み出しているのかを考える。
3 08/27 ヴィゴツキー、バフチンとナラティヴセラピー オープンダイアローグに影響を与えたヴィゴツキー・バフチンとナラティヴセラピーの思想を学び、対話や治療の哲学について考える。
4 09/03 オープンダイアローグと対話の哲学 オープンダイアローグの概要と思想的基盤を学び、現代社会における対話の実践と哲学の可能性について考える。

講師紹介

石原 孝二
東京大学教授
早稲田大学第一文学部哲学科卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。北海道大学准教授などを経て、現在東京大学大学院総合文化研究科教授。精神医学(精神医療)の哲学を専門とする。著書に『精神障害を哲学する:分類から対話へ(東京大学出版会、2018年)、(共)編著に『オープンダイアローグ 思想と哲学』(東京大学出版会、2022年)、『当事者研究の研究』(医学書院、2013年)、『精神医学の科学と哲学』(東京大学出版会、2016年)などがある。

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