ジャンル 芸術の世界

早稲田校

技法で読み解く日本画の名作たち

  • 夏講座

荒井 経(東京芸術大学大学院教授)

曜日 月曜日
時間 10:40~12:10
日程 全7回 ・06月30日 ~ 08月25日
(日程詳細)
06/30, 07/07, 07/14, 07/28, 08/04, 08/18, 08/25
コード 120416
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 20,790
ビジター価格 受講料 ¥ 23,908

目標

・近現代の日本画について、材料や技法の視点から鑑賞を深める。
・近現代の日本画を日本の近現代史や東アジアの国際関係の中で捉える。

講義概要

明治以降に誕生した近代日本画の歩みについて、特定の作家や作品を取り上げて、そこに使われている画材や技法の新規性について解説し、新しい画材が新しい表現を創り出してきた様子を理解する。日本画の材料として重要視されている岩絵具や和紙はいつ開発されたものなのか、水墨画と日本画はどのような関係にあるのかといった問題を解き明かしながら、日本画を近現代史という時間軸から、東アジアの国際関係という空間軸から眺望する。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 06/30 プロローグ 日本画の誕生と歩み 明治以降、近代美術の一つとして誕生した日本画について、黎明期から戦前の状況、戦後の再生から現代にいたる歩みを概観する。
2 07/07 狩野芳崖《仁王捉鬼図》と西洋顔料 日本画の祖とされる狩野芳崖が奇作《仁王捉鬼図》で試みた実験から名作《悲母観音》の誕生を読み解く。
3 07/14 菱田春草の名作たち 重要文化財に指定されている名作《落葉》や《黒き猫》をはじめとした菱田春草作品を画材や技法の視点から通覧し、菱田春草の画業を意義付ける。
4 07/28 横山大観《山路》と岩絵具 伝統材料から近代材料に変化し、日本画に必須の材料となっていった岩絵具について、その起点となった横山大観《山路》を通して読み解く。
5 08/04 横山大観・下村観山《明暗》と和紙 伝統材料から近代材料に変化し、日本画に必須の材料となっていった和紙について、その起点となった聖徳記念絵画館壁画ならびに早稲田大学図書館壁画《明暗》を通して読み解く。
6 08/18 戦後日本画と中国岩彩画 日中国交正常化と留学生10万人計画によって来日した中国人留学生が戦後日本画から学んだものは何か。中国岩彩画の誕生を戦後日本画と敦煌壁画との関係から読み解く。
7 08/25 エピローグ 現代日本画への視座 1990年代以降、現在にいたる日本画の状況を紹介しつつ、近現代史や東アジアの国際関係のなかにおける日本画の位置を考える。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考図書として、『日本画と材料 近代に創られた伝統』(武蔵野美術大学出版局、ISBN: 978-4864630344)をお読みいただくと講座への理解が深まります。

講師紹介

荒井 経
東京芸術大学大学院教授
日本画家。筑波大学芸術専門学群日本画卒業、同大学院修了。東京芸術大学大学院文化財保存学専攻修了、博士(文化財)。東京学芸大学准教授、東京芸術大学大学院准教授を経て同大学院教授。荒井経『日本画と材料 近代に創られた伝統』武蔵野美術大学出版局2015年で倫雅美術奨励賞受賞。
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