ジャンル 世界を知る

早稲田校

ロシア・ウクライナの現代美術・文学

  • 夏講座

鴻野 わか菜(早稲田大学教授)

曜日 水曜日
時間 13:10~14:40
日程 全3回 ・07月02日 ~ 07月16日
(日程詳細)
07/02, 07/09, 07/16
コード 120316
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 8,910
ビジター価格 受講料 ¥ 10,246

目標

・ロシア、ウクライナの現代美術、文学、映画(アートフィルム、アニメーション)などに親しむ。
・ロシア、ウクライナの現代文化を通じて、社会や歴史について考える。
・日本国内で鑑賞できるロシア、ウクライナの美術作品や、日本語訳が出版されている文学作品についても学び、講義後に関心に応じて、美術や文学作品を楽しむきっかけとする。

講義概要

ロシアとウクライナの現代美術、文学、アートフィルムなどの多様な文化に触れ、その背景にある社会、現在の状況について考えます。
生きのびることも困難だった状況において美術や文学を必要としてきた人々は、文化に何を求め、そこにどのような可能性を見出してきたのでしょうか。作家たちの作品を鑑賞しながら、彼らが何を願い、芸術を通じて世界とどのように関わろうとしているのかを知り、生活や歴史についても考察します。魅力的なアートや文学などに親しみ、講座の後にも作品を長く楽しむきっかけになればと願っています。ご一緒に文化の旅を楽しみ、文化がいかに地域を開いて世界との架け橋となってきたかを体験していただければ幸いです。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/02 ウクライナの現代美術とアートフィルム ウクライナの現代アートの様々な作家や作品を紹介します。
ウクライナ現代美術を代表するニキータ・カダンは、ソ連やウクライナという主題に作品を通じて向きあうと同時に、現在の戦争を歴史的な視点で描くことによって、人間の争いの系譜を考察してきました。またカダンは「瀬戸内国際芸術祭2025」では、ハンセン病の療養所である国立療養所大島青松園の住民に捧げる彫刻を設置します。機会があれば、講座の後に美術をめぐる旅も楽しんでいただければ幸いです。
一方、ダナ・カヴェリナは、愛らしい人形劇のアニメーションなどを制作してきましたが、そこには作家の独自の人生観や戦争への思いがこめられており、それらを知ると作品をいっそう深く味わうことができます。
旧ソ連(現ウクライナ)出身のイリヤ・カバコフの今までほとんど知られてこなかった作品も含め、この他にも様々な作家を取りあげます。
(2022年度に実施した「ロシア・ウクライナの現代文化」とは異なる作家や作品を主に扱いますので、前回受講された方もよろしければぜひご参加ください)
2 07/09 ロシアの現代美術 ロシアの美術、文学、哲学、文化は、様々な困難な社会状況のもとで、時代を超えてつねに「ここではないどこか」をめざし、宇宙への憧憬、ユートピアの創造、彼方への探検の夢を追い求めてきました。現代ロシアアートにその流れはどのように継承されているのでしょうか。
宇宙を主題にする作品を作り続けるレオニート・チシコフが「瀬戸内国際芸術祭2025」で制作する新作なども扱い、日本で鑑賞できるロシア現代アート作品にも多数言及します。戦争をうけてロシア国外に移住した作家たちの作品、検閲が強まる中でロシア国内で表現活動を続ける若手作家のみずみずしい作品、日本に関心を持ち、日本の文化を主題に制作してきた作家の作品なども紹介します。現在の社会におけるロシアの美術や文化の状況についても幅広く考察します。
3 07/16 ロシアとウクライナの現代文学・歌謡 ロシアとウクライナの現代文学の中から選りすぐりの作品を選び、その一部をともに鑑賞し、内容や背景について学びます。
ウクライナの作家アンドレイ・クルコフの小説『灰色のミツバチ』、ウクライナのジャーナリスト、ヴィクトリア・ベリムによる隠された歴史に迫る興味深いルポルタージュ『雄鶏の家 ウクライナのある家族の回想録』、ロシアの人気童話作家マリーナ・モスクヴィナが香川県東かがわ市の手袋の歴史に捧げた夢のある新作童話など、日本語の翻訳がある作品も取りあげますので、講座の前後に鑑賞を楽しんでいただければ幸いです。また、ロシアとウクライナの現代の歌謡を鑑賞し、その歌詞が表す世界について考えます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は7月23日(水)を予定しております。

講師紹介

鴻野 わか菜
早稲田大学教授
ロシア東欧文学・美術研究。単著に『生きのびるためのアート 現代ロシア美術』(五柳書院)、共編著に『カバコフの夢』(現代企画室)、『現代ロシア文学入門』(東洋書店新社)、『ロシア文化事典』(丸善出版)、共著に『イリヤ・カバコフ『世界図鑑』絵本と原画』(東京新聞)、『幻のロシア絵本 1920‒30年代』(淡交社)等。訳書にレオニート・チシコフ『かぜをひいたおつきさま』(徳間書店)、マリーナ・モスクヴィナ『ぼくの犬はジャズが好き』(小学館)、イリヤ&エミリア・カバコフ『プロジェクト宮殿』(共訳、国書刊行会)、『極東ロシアのモダニズム 1918‒1928 ロシア・アヴァンギャルドと出会った日本』(共訳、東京新聞)など。「カバコフの夢」(大地の芸術祭)等、展覧会の企画や監修にも関わる。

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