ジャンル 芸術の世界

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東アジア現代美術史―日本、中国、台湾美術の潮流の交差を辿る

  • 夏講座

呉 孟晋(京都大学准教授)

曜日 月曜日
時間 13:00~14:30
日程 全6回 ・07月07日 ~ 08月25日
(日程詳細)
07/07, 07/14, 07/28, 08/04, 08/18, 08/25
コード 720409
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・なじみの薄い近隣諸国・地域の美術への関心を高める。
・日本を相対化する視点を得ることで、日本文化に対する理解を深める。
・現代美術に親しむようになる。

講義概要

日本、中国、台湾を中心とする20世紀の東アジア地域において、欧米の芸術に影響を受けた絵画などの美術の流れを紹介したい。あまり知られていないが、戦前には中国や台湾の美術留学生が東京の画壇で活躍するなど、時に韓国もふくめたこの地域の画家たちの連携は密接であり、ともに欧米の「モダン」にたいしてみずからの「伝統」との向きあい方を模索していた。戦前から日中戦争期を経て、戦後の東西冷戦やその後のグローバル化という政治や社会の変化のなかで展開された美術創作はいかなるものであったのか。欧米中心の美術史からはみえてこない、20世紀東アジアにおけるもうひとつの美術のあり方を考えてみたい。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/07 東アジアの「現代絵画」とは 20世紀前半の東アジアのなかでいち早く近代化して「美術」という制度を導入した日本と、「書画」の伝統が色濃く残る中国、そして日本の植民地であった台湾、それぞれの国と地域では、ポスト印象派以降のモダニズムにもとづく絵画をどのように理解したのか。本講座の導入部として、中国で「現代絵画」と訳されるモダニズム絵画を例にして、欧米の美術を受容する枠組みをみてゆきたい。
2 07/14 20世紀前半の中国の絵画について 日中戦争までの中華民国期の中国の絵画の流れを紹介する。とくに「現代絵画」の名のもとで西欧の美術表現を受容した中国の洋画についてみてゆく。現存する作例が少ないなかで、当時の美術雑誌の図版なども交えて、あまり知られていない中国の洋画の流れを再現したい。
3 07/28 日本と中国、台湾の美術交流について 戦前、戦後をとおして日本には中国や台湾、韓国からの美術留学生が数多く在籍した。ここでは、とくに1930年代の藤田嗣治や東郷青児らがいた東京画壇で繰り広げられた中国との美術交流について紹介したい。
4 08/04 日本の前衛絵画を中心に 中国や台湾に影響を与えた日本の前衛絵画の流れを紹介する。戦前の幻想的なシュルレアリスム絵画や戦後の抽象絵画まで、日本の画壇のなかでどのように日本的な要素に向きあっていったのかをみてみる。あわせて、植民地期の朝鮮や戦後の韓国美術の流れにもふれてみたい。
5 08/18 20世紀後半の台湾での前衛絵画について 第2次大戦後の東西冷戦下の台湾で、前衛的な抽象絵画の表現のなかに伝統的な水墨画につながる要素をみいだそうとした動きを紹介する。台湾が「中華民国」として、大陸の「中華人民共和国」と向きあうなかで、欧米の美術に伍していく政治的な背景にも注意を向けたい。
6 08/25 東アジアの現代アートについて 1980年代以降、中国の改革開放政策や台湾の民主化にあわせて活発になったインスタレーションやパフォーマンスなど、東アジアにおける新たな美術表現に注目する。あわせて、今日さかんな国際芸術祭につながる美術家たちの国際的な連携も紹介したい。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆6/6(金) 11:30より本講座の無料体験講座を実施します。
◆無料体験講座お申込みはこちらから。 >https://www1.ex-waseda.jp/online/ 「無料体験講座」をクリックし、「絞り込み」をクリックしてください。

◆休講が発生した場合の補講は、9月1日(月)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インターネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)

講師紹介

呉 孟晋
京都大学准教授
神戸市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。京都国立博物館研究員などを経て現職。専門分野は中国絵画史。著書に『移ろう前衛:中国から台湾への絵画のモダニズムと日本』(中央公論美術出版、2024年)(サントリー学芸賞、倫雅美術奨励賞受賞)、『中国近代絵画と日本』展図録(京都国立博物館、2012年)(共編著)などがある。
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