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京都モダン建築案内

  • 夏講座

笠原 一人(京都工芸繊維大学准教授)

曜日 金曜日
時間 19:00~20:30
日程 全5回 ・07月04日 ~ 08月01日
(日程詳細)
07/04, 07/11, 07/18, 07/25, 08/01
コード 720405
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・古都・京都の近代化の過程を、建築から理解する。

講義概要

京都は、近世以前に建てられた数多くの神社仏閣や、約4万件もの町家が現存する街として知られています。しかしその京都が、明治期以降に造られた比較的新しいモダン建築の宝庫でもあり、そのモダン建築が京都の近代化を担い、また現在も街の風景の一部を形づくっていることは、あまり認識されていないと思われます。
近代化に際して京都では、西洋の技術やデザインを用いたいわゆる洋風建築が各所につくられ、大学など高等教育機関ではヨーロッパの前衛的な理論や方法を用いた教育や研究が行われ、伝統的な和風建築や町家さえ近代化の影響を受けて変化しました。
講義では京都のモダン建築について5つのテーマを設定し、お話しします。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/04 プロフェッサー・アーキテクトの活躍 京都は学術の街です。1902年開学の京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)、1920年の京都帝国大学に建築学科設立に際して、建築家の武田五一がそれぞれ初代教授に就任します。そこで本野精吾や藤井厚二、森田慶一といった同僚らとともに、ヨーロッパの前衛的な理論や方法を導入しながら近代化を模索します。そのプロセスや特徴についてお話します。
2 07/11 都市のモダン建築 京都では明治期に入るとすぐに、ヨーロッパの伝統的な方法に基づいた、いわゆる洋風建築が各所に建てられるようになります。しかしそれは、単なるヨーロッパの方法の模倣ではなく、次第に日本や京都独自のものとなっていきます。この講義では、教会堂や銀行、博物館、学校のキャンパス、商業建築など具体的な事例から、京都の洋風化のプロセスや特徴についてお話します。
3 07/18 和風建築のモダン化 京都では明治期に入ると、伝統的な和風建築や町家もまた、洋風建築の影響を受け、変化し始めます。近世までには実現できなかった明るい大空間が生まれ、町家では洋風建築が増築されたり、近代化の象徴である中廊下が設けられたりしました。この講義では近代以降の和風建築に焦点を当て、京都の和風建築の変容についてお話しします。
4 07/25 戦後のモダン建築 京都は戦災に遭いませんでしたが、戦後になると、復興や開発によって新しい建築が次々と建設されるようになります。戦後まもなくは、モダニズムと和風が混ざり合ったような建築が造られ、その後は多様化し、伝統に反発するかのような個性的な建築が建ち始めます。戦後の京都について、建築から考察します。
5 08/01 モダン建築の保存活用 近年、歴史的建築物の活用や改修が盛んになっています。建物をオリジナルの姿で凍結保存するのではなく、転用や改修(リノベーション)により活用するものです。しかし優れたものもあれば、そうでないものもあります。この講義では、京都のモダン建築の活用や改修の事例を紹介し、合わせてそのあるべき姿についてお話します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は、8月22日(金)を予定しています。
◆2024年度夏学期の同名の講座に一部知見を加えて再構成しています。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず
「オンラインでのご受講にあたって」
をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。
インターネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)

講師紹介

笠原 一人
京都工芸繊維大学准教授
1970年神戸市生まれ。1998年京都工芸繊維大学大学院博士課程修了。博士(学術)。2010-11年オランダ・デルフト工科大学客員研究員。専門分野は近代建築史および建築保存再生論。京都モダン建築祭実行委員長。神戸モダン建築祭実行委員。一般社団法人リビングヘリテージデザイン(旧住宅遺産トラスト関西)理事。著書に『ダッチ・リノベーション』、『村野藤吾のリノベーション』、『村野藤吾とクライアント』、『村野藤吾の住宅デザイン』、『建築家浦辺鎮太郎の仕事』、『建築と都市の保存再生デザイン』、『関西のモダニズム建築』ほか。

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