ジャンル 世界を知る
オンデマンド
【オンデマンド】社会人のための必修教養講座 世界史を旅する 古代史編
津野田 興一(都立立川高等学校教諭)
コード | 910303 |
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定員 | 30名 |
単位数 | − |
会員価格 | 受講料 ¥ 9,900 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 9,900 |
目標
・世界の歴史に対する理解を深める。
・それぞれの時代や社会の特徴をつかむ。
・最新の歴史学の成果を学ぶ。
・過去の人物の生き様を通じて現在とつなげる。
・歴史史料や画像の読み解きから時代をつかむ。
講義概要
今回は①古代インド、②殷と周、③秦と漢、④朝鮮の歴史、⑤古代アメリカ文明をとりあげます。その際、最新の歴史学研究の成果をもとに、代表的な人物の事績を紹介しながら、古代世界の特徴を分かりやすく解説します。特に、近年、共通テストや高校の歴史総合でも注目されている歴史史料や画像の読み解きを盛り込みながら、時に大学入試問題にも触れつつ時代の本質に迫ろうと考えています。予習などは特に必要ありません。高校時代の世界史を忘れてしまった人でも大丈夫。現代世界に対する問題意識を持ちながら、いっしょに世界史を旅してみませんか。以前の「古代史編Ⅰ」に続く内容ですが、各回が独立したテーマになっていますので、今回からの受講でも大丈夫です。
各回の講義予定
回 | 講座内容 | |
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1 | 南アジアの根源を知る 古代インド | ヒマラヤ山脈と海に囲まれて,独特な世界を生み出した古代インド。その中でも,多くの謎が残されているインダス文明に関する最新の知見や,中央ユーラシアからインドに侵入したアーリア人が南アジアにどのような影響をおよぼしたのかについて紹介してゆきます。そのうえで,最初の統一王朝であるマウリヤ朝,インドとイランの関係性の始まりを告げるクシャーナ朝,そして古代インドの背骨がつくられた時代と言えるグプタ朝について一緒に考えてみましょう。その際,南インドのサータヴァーハナ朝など,海とつながる地域にも目配りをしながら,インドの多様性を見てゆきます。もちろん,インドの社会や文化を考える時に,仏教やヒンドゥー教に焦点をあてることになるでしょう。 |
2 | 占いで神の意志を問え 殷・周 | 「中国四千年の歴史」と言いますが,古代においては,いや近代に入るまでは,神の意志を知るための手段として占いが重要な役割を果たしていました。確認できる最古の王朝である殷と,それを受け継いで中国という世界を作り出した周という二つの王朝では,まさに甲骨を使った占いによって政治をおこなっていたのです。では,殷とはどのような王朝だったのでしょうか。また,周は殷と何が同じで何が違うのでしょうか。私たちにとってなじみ深い,漢字に焦点をあてて,いっしょに考えてみましょう。その際,黄河流域と長江流域という二つの農耕世界を対比することが重要になると思われますし,「異民族」との関係性にも注目してゆきます。 |
3 | 中国とは何か 秦・漢 | マンガや映画の『キングダム』でおなじみの秦。戦国七雄の一つでしたが,もともと他の国に比べると,経済力や文化力で劣っていたのです。その秦が,広大で多様な世界を統一することができたのは何故なのでしょうか? また,紀元前後を挟んで400年間以上も続いた漢とは,いったいどのような王朝だったのでしょうか? 劉邦,武帝,王莽,光武帝,班超などなど,高校時代に学んだあの有名人たちのエピソードにはどのようなものがあるのでしょうか。そしてこの頃に,ようやく日本の痕跡が中国の歴史書に登場します。さらに,私たちが中国だと考える要素の多くが出そろうこの時代を理解することは,現代中国を理解することにもつながることでしょう。 |
4 | 次男はつらいよ!? 朝鮮の歴史 | 例えるならば,何もないところから文明を生み出した中国は長男,それに学びながら好き勝手なことができた日本は三男,そして両国に挟まれた朝鮮はさしずめ次男といったところでしょう。朝鮮は中国の影響を強く受けながら,独自の国家形成をしてきました。前漢の武帝以来400年以上におよぶ中国の郡県支配を受けますが,やがて自立して新羅が半島の統一を実現します。続く高麗,朝鮮王朝においても,中国や満洲を支配した王朝からの影響を受け続けます。同時に日本との関係性も無視できないでしょう。今回は,朝鮮の歴史を古代から19世紀まで,中国および日本との関係を意識しながら,そしてまた,朝鮮の独自性に注目して考えてゆきましょう。 |
5 | 最もユニークな文明 古代アメリカ | 氷期が終わったことでベーリング海峡に存在した氷の橋が消滅し,以後ユーラシア大陸やアフリカ大陸と隔絶した場所で,独自の文明を築きあげたアメリカ大陸。そこには,メソアメリカと呼ばれる中央アメリカとアンデス高地に,お互いを知ることのない独自の文明が生まれていました。第5回は,マヤ文明やアステカ王国,インカ帝国など古代アメリカ文明の成立と特徴を検討します。そして,それら独自の文明が,ヨーロッパとの悲劇的な出会いを経験する15〜16世紀に至る歴史を考えます。その置かれた状況から考えてゆけば,講座の最後には,「古代アメリカ文明こそ,最も学ばなくてはいけない文明なのだ」と納得していただけるものと信じています。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆視聴期間は一般申込開始(2025/3/4)から学期終了翌月末(2025/7/31)までになります。一般申込開始(2025/3/4)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
2024年度 秋期 「社会人のための必修教養講座 世界史を旅する 古代史編」 (09/26〜11/21 木曜日、全5回)
で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。
講師紹介
- 津野田 興一
- 都立立川高等学校教諭
- 東京都生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科史学専攻修了。都立高校で世界史教育を担当。著書に『世界史読書案内』(岩波ジュニア新書)、『やりなおし高校世界史 考えるための入試問題8問』(ちくま新書)、『わかる・身につく 歴史学の学び方』(大月書店、共編著)、『「なぜ!?」からはじめる世界史』(山川出版社)、『大人の学参 まるわかり世界史』『大人の学参 まるわかり近現代史』(文春新書)のほか、高校世界史・歴史総合教科書、世界史参考書多数。