ジャンル 日本の歴史と文化

オンデマンド

【オンデマンド】古代吉備へのいざない

  • 春講座

古市 晃(神戸大学大学院教授)

コード 910207
定員 20名
単位数
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 11,880

目標

・『古事記』や『日本書紀』を中心とする日本古代の文献史料を読解する力を身につける。
・神話・伝承を手がかりとして、日本の古代国家の成り立ちについての理解を深める。

講義概要

現在の岡山県と広島県の東部にあたる地域は、古代では吉備と呼ばれ、大和と共に国家形成を主導した勢力の拠点でした。大阪湾岸の王陵に次ぐ規模の古墳は吉備に築かれ、『日本書紀』には吉備の勢力が天皇と対立した伝承がいくつも収められています。大和の葛城や紀伊と共に、5世紀の朝鮮半島外交を担ったのも吉備の勢力です。近年、吉備に関する新たな研究も蓄積されつつあります。講義では、こうした動向も紹介しながら、『古事記』『日本書紀』、また諸国の風土記などにみえる吉備勢力の系譜と伝承を再検討し、吉備の勢力の実態とはどのようなものか、また国家形成にどのような役割を果たしたのかについて考えます。

各回の講義予定

講座内容
1 古代吉備概観 吉備地域を代表する遺跡と文献史料を紹介し、吉備の歴史的性格の概要を説明します。
2 吉備勢力の系譜と伝承 『古事記』『日本書紀』をはじめとする文献史料にみえる吉備勢力の同族系譜と伝承を比較検討し、その本来の形態や意味するところなどを明らかにします。
3 吉備臣尾代の伝承 『日本書紀』に雄略天皇の時代の人としてみえる吉備臣尾代(おしろ)については、これまで歴史学からの検討はほとんど及んでいません。しかしその伝承の検討によって、吉備の勢力が日本海側の勢力と親密な関係を構築していたことを明らかにできます。
4 鴨別と笠臣 吉備氏の同族とされる笠臣(かさのおみ)と鴨別(かものわけ)をめぐっては、これまで多くの説が出されてきました。ここでは改めてその伝承を検討し、笠臣の拠点とその性格、鴨別をはじめとする九州地方における吉備の伝承を検討し、その意味を明らかにします。
5 吉備臣の実態 史料上に「吉備臣」としてみえる勢力について検討し、その実態を明らかにすると共に、国家形成史上の吉備勢力の特徴についても検討します。
6 吉備と王権 『古事記』『日本書紀』の伝承に記された吉備のイメージがどのような歴史的実態を踏まえて作られたものなのかを明らかにし、それを踏まえつつ6世紀以降、中央集権化が進展する過程で吉備の果たした役割を明らかにします。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆視聴期間は一般申込開始(2025/3/4)から学期終了翌月末(2025/7/31)までになります。一般申込開始(2025/3/4)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
2024年度 秋期 「古代吉備へのいざない」 (10/28〜12/16 月曜日、全6回)
で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。

講師紹介

古市 晃
神戸大学大学院教授
岡山県生まれ。博士(文学、大阪市立大学)。大阪歴史博物館、花園大学を経て現職。日本古代史を専攻。国家形成史や地域社会史に関心を持つ。著書に、『倭国 古代国家への道』(講談社現代新書)、『国家形成期の王宮と地域社会』(塙書房)などがある。

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