ジャンル 文学の心

早稲田校

竹取物語を読む 物語の誕生と継承

  • 夏講座

斉藤 みか(東京経済大学講師)

曜日 木曜日
時間 10:40~12:10
日程 全8回 ・07月03日 ~ 09月04日
(日程詳細)
07/03, 07/10, 07/17, 07/24, 07/31, 08/21, 08/28, 09/04
コード 120156
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・平安文学のルーツである『竹取物語』について理解を深める。
・古典文学の受容と継承に関する理解を深める。

講義概要

本講義では、日本最古の物語である『竹取物語』を読んでいき、その作品的価値・意義について考える。『竹取物語』は有名であるが、有名であるからこそ作品の細部まで読んだことがある人は少ない。作品全体を読んでいき、表現・内容の両側面から作品の価値について考える。また、江戸時代の絵巻や現代の絵本などの表現との比較を通して原作の理解を深める。作品が現在までどのように受け継がれてきたのか、受容の歴史にも触れる。作品理解のために、また受容史の理解のために『竹取物語』以外の作品についても適宜取り上げる。講義で使う『新編 日本古典文学全集12・竹取物語』は現在入手困難なようなので該当部分のコピーを配付する。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/03 『竹取物語』冒頭とかな文字の表現力 『竹取物語』そのものを読み始める前に、平安文学におけるかな文字の表現力について紹介する。和歌の例などを通して、かな文字が可能にした表現について確認する。その後、『竹取物語』の冒頭部分を読み、絵巻の表現・現代の表現と比較する。
2 07/10 『竹取物語』求婚者の登場 『竹取物語』の求婚者の登場部分を読む。絵巻の表現・現代の表現との比較も行う。「竹取の翁」のルーツをはじめ、『竹取物語』のベースになる説話・伝承の型について扱う。
3 07/17 『竹取物語』求婚譚(1人目・2人目) 『竹取物語』における5人の求婚者たちの求婚譚の1人目(石作皇子)と2人目(車持皇子)のエピソードを読む。絵巻の表現・現代の表現との比較も行う。車持皇子のエピソードから、『竹取物語』の虚構性について確認する。
4 07/24 『竹取物語』求婚譚(3人目・4人目) 『竹取物語』における5人の求婚者たちの求婚譚の3人目(阿部御主人)と4人目(大伴御行)のエピソードを読む。絵巻の表現・現代の表現との比較も行う。『竹取物語』における登場人物同士の歌のやりとりについて扱う。
5 07/31 『竹取物語』求婚譚(5人目)と求婚譚のまとめ 『竹取物語』における5人の求婚者たちの求婚譚の5人目(石上麿足)のエピソードを読む。絵巻の表現・現代の表現との比較も行う。ここまで読んできた求婚譚について振り返り、物語における求婚譚の役割について確認する。また、求婚譚が酷似するとされているチベットの説話「斑竹姑娘」との比較を行う。
6 08/21 『竹取物語』帝の求婚 『竹取物語』における帝の求婚のエピソードを読む。絵巻の表現・現代の表現との比較も行う。また、帝が重要になる中世の「竹取説話」と呼ばれる説話群について紹介する。
7 08/28 『竹取物語』かぐや姫の昇天 『竹取物語』のかぐや姫の昇天までの部分を読む。絵巻の表現・現代の表現との比較も行う。物語における月の人と人間との対比に注目し、作品の主題について考える。
8 09/04 『竹取物語』かぐや姫の昇天後 『竹取物語』のかぐや姫昇天後のエピソードを読む。作品全体を振り返り、現代版の「かぐや姫」のルーツとして国定国語教科書について紹介する。また、ここまでの講義でも扱った絵巻や説話も含めて、『竹取物語』の受容の歴史を概観する。

講師紹介

斉藤 みか
東京経済大学講師
国際基督教大学大学院アーツ・サイエンス研究科修了。博士(学術)。専門分野は日本文学、特に中古文学。東京経済大学特任講師。著書として『『竹取物語』から「かぐや姫」へ―物語の誕生と継承』(東京堂出版)がある。大学での業務の他に、NPO法人ろう・難聴中高生の学習支援の会、代表を務める。

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