ジャンル 文学の心

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中国四大奇書『水滸伝』を楽しむ

  • 夏講座

小松 謙(京都府立大学名誉教授)

曜日 木曜日
時間 10:30~12:00
日程 全6回 ・07月03日 ~ 08月21日
(日程詳細)
07/03, 07/10, 07/17, 07/24, 07/31, 08/21
コード 720139
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・『水滸伝』の内容を理解する。
・物語を生んだ背景となる中国社会について認識を深める。
・「英雄」の性格について考える。

講義概要

『水滸伝」は「四大奇書」の筆頭といわれる中国を代表する長篇小説です。この講義では、『水滸伝』の成立事情などについて概説した後、最初のくだりから始めて、前半の重要な部分を中心に、適宜本文にふれながら、波瀾万丈の物語を追っていきます。単に内容を紹介するだけではなく、そこで活躍する魅力的キャラクターたちや、物語を生んだ歴史的・社会的背景などについて、さまざまなトピックをまじえながらお話しすることによって、中国の歴史・文学・社会について、新しい角度からの視点を提供することを目指します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/03 『水滸伝』はどのようにして生まれたのか 舞台となる北宋末期(13世紀前半)の史実から出発して、金・南宋・元において物語が成長していく過程を追いかけながら論じた後、明代後期(16世紀中頃)に今の形ができあがった後の変化にもふれることによって、『水滸伝』の成立と変化の過程を明らかにします。
2 07/10 物語の始まりと林冲物語の謎 本文にふれながら、発端の伏魔殿から魯智深物語・林冲物語に当たる第十一回までの内容をお話しして、この小説の特徴について理解していただくとともに、林冲物語に隠された謎を解き明かすことによって、現行『水滸伝』成立の事情に迫ります。
3 07/17 生辰綱物語と『水滸伝』の原型 第十二〜二十回で語られる奸臣蔡京への誕生祝い(生辰綱)強奪から晁蓋一党の梁山泊梁山泊奪取に至る物語には、『水滸伝』がどのようにして生まれたかを解く鍵が隠されています。内容を紹介しながら、その謎を解き明かすとともに、ここではじめて登場する大頭目宋江のキャラクターについても考えます。
4 07/24 武松物語と『金瓶梅』の謎 第二十二回の終わりから第三十二回の初めまで、十回にわたって延々と語られる武松物語を紹介するとともに、この物語の中でもひときわ有名な潘金蓮殺しの部分をもとにして、パラレルワールド小説として生まれた『金瓶梅』についても、なぜ『水滸伝』を踏まえているのかについて考えることによって、その誕生の謎を解き明かします。
5 07/31 宋江の遍歴ー花栄・李逵らの登場 第三十二回から第四十回まで、宋江が各地を遍歴する中で様々な豪傑たちと巡り会う物語を追いながら、颯爽たる弓の名人花栄や、粗暴にして純真な李逵などのキャラクターについて論じることによって、中国における「英雄」のあり方や、『水滸伝』を貫く思想について考えます。
6 08/21 その後の展開と金聖歎 第四十一回以降の展開を紹介して『水滸伝』の全体像を示すとともに、『水滸伝』に大幅な改作を施してその後流布する七十回本を作り出し、精密な小説理論によって日本にまで大きな影響を与えた金聖歎についてもふれます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は8月28日(木)を予定しています。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず
「オンラインでのご受講にあたって」
をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)

講師紹介

小松 謙
京都府立大学名誉教授
博士(文学、京都大学)。専門は元・明・清の演劇・小説。京都府立大学で長期間中国文学の講義を担当。近著に『ビギナーズクラシックス 水滸伝』『熱狂する明代』(ともにKADOKAWA)があるほか、汲古書院より『詳注全訳水滸伝』を刊行中。
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