ジャンル 芸術の世界
早稲田校
ラヴェルの生涯と名曲 若き日のラヴェルを中心に
井上 さつき(愛知県立芸術大学名誉教授、音楽学者)

曜日 | 火曜日 |
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時間 | 15:05~16:35 |
日程 |
全4回
・07月01日 ~
07月22日 (日程詳細) 07/01, 07/08, 07/15, 07/22 |
コード | 120451 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 11,880 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 13,662 |
目標
・芸術に関する個別専門領域の体系的知識を身につける
講義概要
今年生誕150年を迎えるフランスの作曲家モーリス・ラヴェル(1875-1937)を取り上げます。今回は若き日のラヴェルに焦点を当て、《亡き王女のためのパヴァーヌ》、《水の戯れ》、弦楽四重奏曲、そして《スペイン狂詩曲》などの代表作を中心に、当時のフランスの社会状況や文化全体を視野に入れながら、ラヴェルの特質を探ります。トピックとしては、パリ音楽院でのラヴェル、作曲のローマ賞コンクール、サロンでの成功と「アパッシュ」の仲間たちとの交流、国民音楽協会での演奏、ドビュッシーとの複雑な関係などを扱います。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 07/01 | 《亡き王女のためのパヴァーヌ》をめぐって | ピアノ曲《亡き王女のためのパヴァーヌ》は1899年、ラヴェルがパリ音楽院作曲科に在学しているときに作曲された。パリ音楽院とラヴェルの関係について考える。 |
2 | 07/08 | 《水の戯れ》をめぐって | 1901年に作曲されたピアノ曲《水の戯れ》によってラヴェルは大きな飛躍を遂げた。この作品はラヴェル自身「人が私の作品に認めるあらゆるピアノ書法の革新の出発点」と評価していたものだが、この作品が書かれたころ、ラヴェルは作曲のローマ賞コンクールで悪戦苦闘していた。 |
3 | 07/15 | 弦楽四重奏曲をめぐって | 1902年から03年にかけて作曲された弦楽四重奏曲は、ラヴェルが書いた最初の重要な室内楽作品である。この作品は国民音楽協会のコンサートで初演された。フランス音楽の興隆に力のあった国民音楽協会であるが、ラヴェルとはどのような関係だったのだろうか。 |
4 | 07/22 | 《スペイン狂詩曲》をめぐって | 1907年から08年にかけて作曲された《スペイン狂詩曲》は、出版された作品としては、ラヴェル初の大規模な管弦楽作品である。「スペイン」と「踊り」という二大要素が組み込まれた華やかな作品であるが、実はドビュッシーとの複雑な関係を反映している。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講日は7月29日(火)を予定しています。
◆本講座は過去にオンラインで実施された同名講座の内容と一部重複しますが、新たな知見を加えて刷新された内容となっています。
講師紹介
- 井上 さつき
- 愛知県立芸術大学名誉教授、音楽学者
- 愛知県立芸術大学名誉教授。東京藝術大学楽理科卒、同大学院修了(論文博士)。パリ・ソルボンヌ大学修士課程修了。明治学院大学文学部非常勤講師。専門は、近代フランス音楽史、万博と音楽、日本の洋楽器受容史。主著に『音楽を展示する―パリ万博 1855-1900』(2009)、『フランス音楽史』(共著、2010)、『日本のヴァイオリン王―鈴木政吉の生涯と幻の名器』(2014)、『ラヴェル(作曲家・人と作品シリーズ)』(2019)、『ピアノの近代史―技術革新、世界市場、日本の発展』(2020)、『フランス・フルート奏者列伝』(2024)、『万博からみた音楽史』(2025)ほか。