ジャンル 人間の探求
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近代政治思想史入門 国家・自由・民主主義
仲正 昌樹(金沢大学教授)

曜日 | 金曜日 |
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時間 | 15:30~17:00 |
日程 |
全4回
・07月04日 ~
07月25日 (日程詳細) 07/04, 07/11, 07/18, 07/25 |
コード | 720502 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 11,880 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 13,662 |
目標
・社会問題を哲学的に捉える方法を身に付ける。
・近代の政治思想の特徴を明らかにする。
・哲学が政治や経済の問題にどのように関わるか理解を深める。
講義概要
近代化の過程で西欧諸国の政治の仕組みがどのように形成され、代表的な政治思想家たちがどのような問題意識を持っていたか考える。初回は、近代初期の思想家マキャベリやホッブズが近代的な「国家」の存在意義についてどのように考えていたか概観する。第二回は、ロックやルソーの「社会契約論」がどのような理論であり、私たちの自由主義・民主主義観にどのような影響を与えているか概観する。第三回は、功利主義が出現した意義、民主主義及び自由主義との関係について考察する。第四回は、ハンナ・アーレントの全体主義批判や、それと関連したバーリンの消極的自由/積極的自由の区別が、政治哲学的にどのような意味を持っていたか考察する。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 07/04 | 近代政治思想の起源 | マキャベリの『君主論』や『政略論(ディスコルシ)』、ホッブズの『リヴァイアサン』『ビヒモス』の内容を概観したうえで、宗教や道徳から独立した「政治」や「国家」「法」などの概念が生まれてきた時代背景とともに、「国家」とは何か、何のために存在するか考える。それに併せて国家理性、力量、自然法、自然権などの基本概念の意味を確認する。マキャベリと共和主義の関係をめぐる現代的議論にも触れる。 |
2 | 07/11 | 近代自由主義と民主主義の起原 | ロックの『統治二論』とルソーの『人間不平等起源論』『社会契約論』を中心に、「社会契約論」が近代の民主主義や自由主義の形成過程でどういう役割を果たしたか考える。所有権、公/私二分法、抵抗権、法の一般性、全体意志/一般意志などの基本概念について学ぶ。ベッカリーアの罪刑法定主義や東浩紀の「一般意志2・0」等も視野に入れる。 |
3 | 07/18 | 功利主義と自由主義 | アダム・スミスに代表される古典的自由主義の成立過程、スコットランド啓蒙主義が発展した背景などをみたうえで、ベンサムの功利主義が生まれきた歴史的意義、何を目指したかを考える。更に、ベンサムの議論を是正しようとしたミルの『自由論』が、民主主義と自由主義の関係をめぐる現代的論議に与えている影響についても考える。ミルとトクヴィルの関係や、ベンサムのパノプティコン論の現代的意味についても考える。 |
4 | 07/25 | 消極的自由と積極的自由 | ハンナ・アーレントの『全体主義の起原』『人間の条件』『革命について』とアイザイア・バーリンの「二つの自由概念」を起点に、現代自由主義の限界、必然的に抱える矛盾について考える。どのような「自由」理解が全体主義へと転化しがちなのか、公共性がどうして自由な立憲体制に不可欠なのか哲学的に掘り下げて考察する。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講日は8月1日(金)を予定しています。
◆Zoomミーティングを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず
「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)
講師紹介
- 仲正 昌樹
- 金沢大学教授
- 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修了(学術博士)。駒沢大学非常勤講師、金沢大学法学部助教授を経て現職。専門は政治思想史、法哲学、ドイツ文学。主な著書に、『集中講義!日本の現代思想』『悪と全体主義』『現代哲学の最前線』『現代哲学の論点』(以上、NHK出版)、『今こそアーレントを読み直す』『マックス・ウェーバーを読む』『ハイデガー哲学入門』(以上、講談社)、『ハンナ・アーレント「人間の条件」入門講義』『ドゥルーズ+ガタリ「アンチ・オイディプス」入門講義』『マルクス入門講義』『フーコー「性の歴史」入門講義』『ニーチェ入門講義』(以上、作品社)、『今こそハイエクに学べ』(春秋社)。