ジャンル 現代社会と科学
中野校
ウェーバー の「価値自由」と政治的中立性について
野口 雅弘(成蹊大学教授)

曜日 | 土曜日 |
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時間 | 15:05~16:35 |
日程 |
全3回
・04月12日 ~
04月26日 (日程詳細) 04/12, 04/19, 04/26 |
コード | 310728 |
定員 | 24名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 8,910 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 10,246 |
目標
・マックス・ウェーバーの「価値自由」を理解する。
・中立の複数の意味を知る。
・政治的中立性をめぐる今日の問題状況への認識を深める。
講義概要
近年、中立をめぐる問題をよく目にするようになりました。メディアの中立性・公平性のあり方、政治的なテーマを扱う行政の催し物、学校の政治教育の内容などで、政治的中立性が損なわれているのではないかと感じ、そのような状況に不満を持っている人が増えているように思います。この講座では、マックス・ウェーバーの「価値自由」(wertfrei; value-free)という言葉とそれをめぐる論争を手掛かりにして、現代日本の政治的中立性をめぐる問題について考えていきます。受講者のみなさまと意見交換するのを楽しみにしています。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 04/12 | マックス・ウェーバーの学問論 | マックス・ウェーバーとその時代について簡単に説明したうえで、ウェーバーの学問論、とくに「価値自由」の成立とその意味について考察します。 |
2 | 04/19 | 戦時下の学問と「価値自由」 | 日本では日中戦争勃発前後に、ウェーバーの著作、とりわけ学問論の分野の著作が集中的に翻訳されました。戦時中に、「価値自由」はどう論じられたのか。当時の研究者のウェーバー受容について考察します。 |
3 | 04/26 | 教育とメディアと党派性 | ウェーバーの時代もそうでしたら、政治と学問の関係はつねに論争的です。ここでは、1950年代の日本における論争と、近年のドイツでの極右政党AfD(ドイツのための選択肢)をめぐる論争に目を向けつつ、現代の日本の議論状況について考察します。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講は、5月10日(土)を予定しております。
◆『中立とは何か――マックス・ウェーバー「価値自由」から考える現代日本』(野口雅弘著、朝日選書)をお読みいただくと、より講義内容の理解が深まります。
講師紹介
- 野口 雅弘
- 成蹊大学教授
- 1969年生まれ。ドイツ・ボン大学でPh.Dを取得。専門は政治学・政治思想史。早稲田大学政治経済学術院助教、岐阜大学教育学部准教授、立命館大学法学部准教授・教授などを経て現職。著書に『闘争と文化』(みすず書房)、『官僚制批判の論理と心理』(中公新書)、『忖度と官僚制の政治学』(青土社)、『マックス・ウェーバー』(中公新書)、『よくわかる政治思想』(共編著、ミネルヴァ書房)、『中⽴とは何か――マックス・ウェーバー「価値⾃由」から考える現代⽇本』(朝⽇選書)。翻訳にシュヴェントカー『マックス・ウェーバーの日本』(共訳、みすず書房)、ウェーバー『仕事としての学問 仕事としての政治』(講談社学術文庫)、ノイマン/マルクーゼ/キルヒハイマー『フランクフルト学派のナチ・ドイツ秘密レポート』(みすず書房)、ウェーバー『支配についてI ・II』(岩波文庫)などがある。