ジャンル 人間の探求
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西田幾多郎の思想―「他者論」と「永遠の今」を中心として
檜垣 立哉(専修大学教授、大阪大学名誉教授)

曜日 | 土曜日 |
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時間 | 13:00~16:30 ※途中休憩をはさみます。 |
日程 |
全3回
・04月05日 ~
04月19日 (日程詳細) 04/05, 04/12, 04/19 |
コード | 710506 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 17,820 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 20,493 |
目標
・日本の近代哲学を代表する京都学派について理解を深める。
・西田幾多郎の思想の現代的意義について、とくに「他者」「永遠の今」という問題について検討する。
・日本語による「哲学」の可能性を検討する。
講義概要
日本ではじめて西洋哲学を受容し、それを「日本語」でおこなった京都学派の思想について、西田幾多郎中期の「他者」と「永遠の今」という「時間性」についての検討(書物としては『無の自覚的限定』)を中心に講義をおこなう。西田の議論は、純粋経験という根本的な経験性の分析から始まるが、中期にいたって、「他者」と「現在」にかんして、きわめて独自の、しかし世界的にみても重要な思考を展開していく。それは「他者性」や「時間論」と関連する、他のヨーロッパ哲学とも関連しつつ、日本語における独自の思想の可能性を開いているといえる。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 04/05 | 西田幾多郎の思想への導入 | 先ず前半では、西田幾多郎の中期思想(他者論、時間論)を扱うにあたり、まずは西田幾多郎がどのように、自力で日本語の哲学を開始したのか。その生涯全体にわたって、何をおこなったのかについて概説する。特に時代との関連は重要になるだろう。後半では、初期には「純粋経験」と「自覚」という言葉が重要視された西田の議論が中期の「他者論」「時間論」に展開していったのかについて説明する。 |
2 | 04/12 | 中期の『無の自覚的限定』に所収されている「私と汝」「永遠の今の自己限定」他の論考を、テクスト自身の引用と解釈を含めながら、じっくりと読み、解説する。前半は「他者論」に、後半は「現在論」に関連する。 | |
3 | 04/19 | 西田のこうした業績は、日本語による初めての本格的な哲学的思考として多くの議論を刺激した。「他者論」は西洋哲学においても20世紀における重要なトピックであるが、西田の「無の底」を通じた他者との議論は独自である。また時間論はその「現在中心性」において特徴的であるのだが、戦後の京都における木村敏の精神分析などにつながっていくアクチュアリティをもつ。20世紀思想の文脈のなかでの西田哲学の発展可能性を探る。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講は、5月10日(土)を予定しています。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず 「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)
講師紹介
- 檜垣 立哉
- 専修大学教授、大阪大学名誉教授
- 埼玉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。博士(文学)。大阪大学教授を経て専修大学文学部教授・大阪大学名誉教授。現代フランス哲学研究(『ドゥルーズ入門』ちくま新書)、京都学派研究(『西田幾多郎の生命』講談社学術文庫)、生命論研究(『食べることの哲学』世界思想社)をおこなっている。そのほかに『バロックの哲学』岩波書店、『生命と身体 フランス哲学論集』勁草書房 等。